イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

黄砂降る川で昔を想う。

2007年05月26日 | 釣り師の独り言
晴天ではあるが、風の強い土曜日だったが、どうしても川を見たくて気仙川に出掛けた。いつの間にか北上山系の森は、眩いばかりの新緑に変わり、まさに「山笑う」季節となっていた。
道路沿いの林には、野生の藤の花が咲き、風に揺れていた。

一昨日からの雨で川は増水していたが、流石気仙川は濁りもなく美しい流れだ。その流れの中にポツリポツリと魚が跳ねている。
強風にいじめられながらも何とか3尾ほど取り込み、2時間程度で竿を納めた。

車に戻るとボンネットに薄く黄砂が積もっていた。
遠い山並みに目をやると見慣れた風景が古いフィルムのように見える。
20年ほど前の釣りを始めた頃、まだ餌釣りの未熟な釣り師だった時に、釣れない苛立ちと失望の帰り道に見た黄砂の風景を思い出す。
早坂高原の牧草地の高台から見渡す北上山系の森が、切ないほどセンチメンタルな絵画のような風景に映った。
そして、たまらなく誰かに会いたくなった事を思い出す。
家族だったのか、友達だったのか、それとも大好きな人だったのか・・・
それは忘れたけれど、その時僕は寂しさに押しつぶされそうになった。
以来、僕にとって黄砂の降る風景は、孤独な匂いが付きまとう。
「釣りは、幸福な孤独だ」とうそぶいてはいるが・・・
そんな時もあるのさ。

バリバスカップ渓流in和賀川2007

2007年05月22日 | 釣り師の独り言
ご報告が遅くなったが、先週末5月20日に和賀川を舞台に、今年もバリバスカップ渓流大会が開催された。
参加者は、52名と例年より少なかったが、なかなかの激戦となった。
当日は、朝から強風と雨の超悪条件で記録的な釣果は期待できそうに無かった。
僕も和賀川の支流に入ってみたが、雨の影響で増水気味でもあり、風も強くラインコントロールに四苦八苦だった。
僕の結果は・・・・数は釣れたが、計測できるサイズは「0」!
参りました。

しかし・・・この状況の中で、やはり彼がやってくれました。
2005年度チャンピオンで、昨年の2006年度大会では検量時間に遅れ「失格」となったが、確認検量で断然トップで「幻の2連覇」となった下瀬川君。
その彼が、今年の2007年度大会では、なんと30cmオーバー2尾を含めて、3尾の全長合計87.6cmで見事「優勝」となった。「幻の3連覇」だ。
こだわりの自作ルアーを駆使しての快挙は、流石・・・と唸るしかない。
ともかく「幻の3連覇」、おめでとう。

ちなみに準優勝は、3尾全長72.2cmなので、その差は15cmほど。
圧倒的な優勝だ。
彼の自作ルアーは、現在北上市内の釣具店などで販売している。
気になる方は、西島あたりで問い合わせを。

「座敷わらし」ならぬ「川原わらし」に遭遇!?

2007年05月18日 | 釣り師の独り言
先日、遠野の小烏瀬川で大船渡のフライマン・佐藤君に会った後、
野暮用を済ませ時計を見ると午後4時。このまま帰るのも半端な時間なので、万が一のときのために用意しておいた(?笑)釣り道具一式をトランクから引っ張り出して、ちょっとだけ釣りをしようと考えた。

昼間に佐藤君に薦めたプールに入ろうとしたその時・・・
「私も釣りしたぁ~い!」という声に振り返ると、そこにランドセルを背負った女の子が立っていた。
物騒なこのご時勢、「知らないオジサン」が声を掛ける事があっても、オジサンに声を掛ける女の子はめったにいない。正直驚いた。
「叔父さんは、これから川に入るんだよ。危ないから来ちゃ駄目だよ。」と言い聞かせたが、女の子は着いてくる。
仕方が無いので、「見てて良いけど離れたところで見ててね。」と諭し、釣りに集中しようとした。しかしどうも女の子が気になる。
振り返ってみるとそこに女の子はいない。もしかして「座敷童子」の川原版か??? 一瞬背中が凍った。がしかし・・・
女の子は、僕の下手の川原に下りて石やら草花やらをいじっていた。
魚の出も悪いので、「一緒に川を上がろう。」女の子に声を掛けて土手に上がった。すると女の子も僕の後をついてきて僕に話しかけた。

 女の子「私、小学校1年生。釣りが好きなの。釣りしたいなぁ~。」
 俺   「おんちゃんも、釣りが好きだよ。」 
 女の子「一緒だね。・・・これあげる。」
女の子はそう言って僕に岸辺で摘んだ野の花を2輪、僕に手渡し、背中の大きなランドセルを揺らしながら帰っていった。
僕は呆然と女の子の後姿を見送った。今まで川でこれほど嬉しい出来事に出会ったことは無い。きっと僕はだらしないほどの笑顔になっていたことだろう。
女の子が林の影に消えるまで見送り、そしてもらった野の花をフィッシングベストのポケットに忍ばせて再び川へ降り立った。

川の流れに身をおきながら、もしかするとあの女の子は、本当に「座敷わらし」ならぬ「川原わらし」だったのではないか???
何しろここは「座敷わらし」の本場「遠野」だ。
そしてあの女の子が「川原わらし」ならば、これからの僕に幸運を呼んでくれるのではないだろうか・・・などと真剣に考えていた。



遠野・小烏瀬川の好青年

2007年05月16日 | 釣り師の独り言
野暮用で遠野に出掛けた。
午後1時の待ち合わせだったので、少し早めに12時半には遠野に着いた。
ところが相手が1時間近く遅れるという。まったく失礼な話だ。
しかし遅れるものは仕方がない、と渋々待つことにした。
しかしただボーッと待つのも芸が無いので、川の様子でも眺めようと国道340号線沿いの小烏瀬川に行ってみた。

琴畑川合流下のプールを覗いたらフライマンが一人、川を横切ろうとしていた。
橋の上からなんとなく眺めていると、プールに竿も出さずに対岸から道路に上がってきた。近づいてくる彼に話しかけてみた。
「もう上がるの?」すると、「実は、こんなになったもので・・・」と僕にフェルトが大きくはがれたウェーディングシューズを見せた。
なるほど、それじゃヤル気もなえる。しかし、このポイントを諦めるのはもったいない。
「その靴でもあそこなら大丈夫。ちょっとやってみなよ。」と強く勧めた。
すると彼は、ニコニコと頷きポイントへ降りていった。
遠目からもライズが見て取れる。
何投目かに彼は、そこそこサイズの岩魚を釣り上げて、橋の上の僕を見上げた。なんとも良い表情をしていた。釣り上げた岩魚をリリースすると、潔く川を上がってきた。そこでお願いして写真を1枚撮らせてもらった。
彼は、大船渡のフライマンで佐藤忍君。この稚拙なブログも見たことがあるという。ありがとう。
今度どこかの川であったら、一緒に川を歩こう。
今後ともよろしく。

濃密な2時間半

2007年05月12日 | 釣り師の独り言
今日の午前中は、ちょっとした仕事があって久々の釣りは午後からとった。
目指すは、気仙川支流矢作川。透明度の高い水質で知られる川で人気が高いため、当然のように入渓者も多く、激戦区の一つでもある。
矢作の集落の下の200mだけを短時間で釣り上った。

午後2時。
岸辺に着いて川の流れを見るとやはり川底まではっきりと見て取れる。
その流れの中を泳ぐ魚が見える。群れをなして上流へ下流へ移動するのは、クキ(産卵期のウグイ)の群れだ。独特の縞模様がくっきりと見える。
このクキもライスするので、このライズは無視する。
川底に中型の黒い魚影が見える。これは岩魚だろう。
その上流のやや速い流れの水面下でゆれている魚影がヤマメだ。

風に邪魔されながらも、なんとか狙いの流れにフライを落とすと予想どうり反応がある。小型が多かったが、時々中型のヤマメが竿を絞る。
午後4時30分に竿を納めるまでの2時間半、流すフライにずっと魚が反応し続けた。上空にはカゲロウ達が盛んに飛び続けている。
岩手県沿岸南部のこの川から、いよいよ本格的なフライシーズンが始まった、と実感できた。これからドライフライ前線が北上するんだろう。

そういえば、明日岩泉の小本川で「岩手ルアーアングラーズ」の小本川大会が行われる。今晩から小本川下流の「ふれあいランド岩泉」近くの駐車場にメンバーが集まり、恒例の前夜祭キャンプがある。
本来ならば僕も参加するところだが、どうしても日曜日にはずせない仕事があるので今回は欠席となった。
明日は、雨の予報だが・・・・みんなの健闘を祈る。

出来立てホヤホヤらしい・・・熊の足跡

2007年05月07日 | 釣り師の独り言
昨日、閉伊川水系で行われた岩手県釣り団体協議会のヤマメ釣り大会の帰り道で、小国川の上流にちょっとだけ寄ってみた。
川の状況は悪かったが、水の色が良かったのでつい呼ばれたが・・・
釣果は案の定、さっぱりだった。
そこで、この辺で切り上げようかと、ふと岸辺の砂の上を見たら・・・
最初は先行者の足跡かと思ったが、よく見ると「熊の足跡」だ。
しかも砂にくっきりと爪の跡まで残ってる。
ついさっきまでここに熊がいた事を如実に物語っていた。

流石に恐ろしくなって川を上がった。釣りどころの騒ぎじゃないよ。
今年の5月上旬の釣りは、なんだか悪いリズムだ。
この辺でちょっと何かを変えないといけないようだ。
まぁ、不調の後にはきっと好調の波がやってくる。それまで我慢かな。

閉伊川水系は増水で大変!

2007年05月06日 | 釣り師の独り言
今日5月6日の朝5時集合で、岩手県釣り団体協議会【本部】主催の「第32回ヤマメ釣り大会」が行われた。
朝5時集合という事で、沿岸北部(八戸・久慈)や県南からの参加者は、前日から集合場所の川井村「やまびこ産直」駐車場にキャンプした。毎年のことだが僕も当然キャンプ組み。
朝4時の気温5℃!参加者83名。

前日のキャンプは楽しいはずだったが・・・・
川井村に向かう途中の「立丸峠」のカーブで車の衝突事故にあった。相手は東京からの観光客のご夫婦で奥さんが運転していた。
国道とは名ばかりの狭い山道なので、いつもいつも細心の注意を払っているのだが・・・カーブの出口であわてて止まったところにぶつかってきた。
山の中なのでその後が大変だった。遠野のカッパ渕にある駐在所に戻り、事故処理の段取りをつけたりなんだり・・・、やっぱりどんな事故であれ交通事故は後味が悪い。今後はもっともっと気をつけよう。

てな事があった前日の記憶を引きずりながらも、大会に参加したが、閉伊川本流は大変な増水で釣りにならず、その支流である小国川なども増水。仕方なく参加者は各支流に入るのだが、目当ての場所には必ず先行者がいて、その後を釣るがノーライズでフライはお手上げ。
諦めて、事務局本来の大会集計(記録)係として準備しようと、検量場所の刈屋川河川敷で川を眺めながら準備していると・・・、なんと散発ながらライズを発見!
試しに#18ソラックスダンを投げてみると、小型のヤマメが釣れた。かろうじて検量サイズだ。その後3尾を釣り、合計4尾で検量に及んだが・・・あえなく撃沈。
今年は5尾軽量で、優勝がなんとたったの388g。
昨年は、480g、一昨年は500g、3年前はなんと680gだったのに・・・
やはり本流じゃないと大物は釣れない。

閉伊川の本格的なシーズンは、やはり5月下旬からということだ。
GWに仕事してた方々は、5月下旬にまとまった休みを取って御来県を!

GWはお祭り三昧

2007年05月04日 | 釣り師の独り言
今年のGW前半は、なんだかんだと仕事があったり、家の手伝いで農業にいそしんだりで一日しか釣りにいけなかった。
後半の5月3日・4日は、地元・奥州市江刺の「江刺甚句まつり」が賑やかに開催され、街はもうお祭り騒ぎ!そりゃお祭りですから・・・・。
また、このお祭りの時期には、ふるさとを離れていた家族や友人達が、こぞって帰省する。お盆と正月と甚句まつりには「里帰り」することが、江刺出身者の常識でもある。当然のように懐かしい友人達が顔を揃える。従って、当然のように飲み会のお誘いがかかる。

3日は、FM岩手「野遊ぶ倶楽部イーハトーヴ」のポッドキャストorネットでのストリーミング放送のために、音声データ整理に半日かかり、盛岡まで日帰り往復。
会社に戻りやれやれと搬出したデータをサーバーに移そうとしたら・・・なんと転送時間150分!
どうしようかと悩んでいると、そこに懐かしい声でお誘いの電話。その後の処理はPCに任せていざ出陣。
お誘いの主は、幼稚園からの付き合いで昨年までキャノンのタイ現地法人のCEOを勤め、今年本社に戻ったばかりのN君。色々とためになる話を聞かされた。本当にありがとう。しかし、その後の何軒かの記憶は遠い。話の半分は覚えているから・・・・。

4日は、ようやく竿を持って気仙川の上有住小学校付近に入った。がしかし・・・、この季節は県外ナンバーの方々でどこもいっぱいなので、早々に帰ってきた。
上有住小学校の散り始めの桜が見事だった。
「本格的な釣り」は、来週以降に考えている。
週末には、岩手県釣り団体協議会のヤマメ釣り大会が、閉伊川水系で行われる。
さて今年は、どんな楽しい出来事が起きるのだろう。楽しみだ。