イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

天気快晴なれど、水高し。

2015年03月24日 | 渓流レポート
22日の日曜日、好天に恵まれ、久々に川に出掛けた。
前回の釣行でそこそこの釣果があったことを思い出し、
釜石の甲子川への直行も考えたが…

そろそろ気仙川の水位も落ち着いた頃合いだろう…と思い至り、
まずは、種山峠を越えて気仙川の中流域を目指した。
種山を越えて道路沿いに流れる大股川を覗くと、
かなりの雪解け水・・・・

いつものポイントに着いて、流れを覗くと、
案の定、いまだに増水は治まらず、かなりの水位だ。
勿論、ライズなど見当たらない。

それならば、と気仙川の上流に向かい、仙人道路の竜観洞ICから
仙人道路を釜石方面に向かった。

天気は申し分のない好天で気温も高く、言うなれば「絶好の釣り日和」!
甲子川の前回のポイントに着くと、幾人かの釣り師が川に並んでいる。
みんな餌釣り師の方々だ。

土手に立って眺めているそばから、次々と魚を釣り上げている。
なるほど、流れる水は透明で、さらにこの高い水位なら、
餌釣りには絶好の条件だろう。
その昔、餌釣り師だった頃を思い出しながら、心の中で頷いた。

甲子川も気仙川同様に、透明な流れながら増水で、流れも速く、
「ノーライズ」!
てな訳で、その日は釣スタイルもせずに、そのまま川を後にした。

ドライフライの釣りには、もう少し時間がかかりそうだ。
とはいえ、今週の土曜日あたりに再度、気仙川に出掛けてみようとは考えている。

3月12日から始まった。

2015年03月12日 | 被災地から
3月に入ってから昨日まで、マスコミでは3.11にまつわる話題が目白押しだった。
まるでこの日を待っていたかのように、沿岸には取材陣が殺到した。
実は、僕も某TV局の依頼を受けて、吹雪の中を大槌と山田に出向いた。
本当に大変な一日だった。

同行した某TV局のディレクターは、昨日の寒さにまいっていたが、
想えばあの日の寒さはこんなものではなかった気がする。
まぁそれでも、「あの日を風化させてはいけない」という建前での取材なら
我々岩手県民とすれば大歓迎なので、喜んで被災地に出向いた。

昨日の仕事は無事に完了し、僕たちは四年目の3月11日を見届けた。
ただ…
僕個人としては、昨日を前に会っておきたい人々がたくさんいたはずなのに…
という想いが重く心に残っていた。
とりわけ、大槌町吉里吉里のNPO法人吉里吉里国の理事長・芳賀正彦さんの今が
とても気になっている。
あの方のことだから、きっと今日も元気に森と海に向き合っていると思うのだが…

そんなことを想いながら、震災から1年目を迎えた2012年3月に
芳賀さんを想いながら綴った詩を3月12日の今日、ここに残します。



あの夜の焚き火
菅野芳彦


あの日の夜は、寒かった。
だから、真っ先に君は火を焚いた。
広場の横に瓦礫を集め、火を焚いた。
濡れた瓦礫は燃えにくく、燻りながら煙をまいた。
焚き火に集まった誰もが無口で、
目にしみる煙が、大きな炎に変わるのを震えながら待っていた。

焚き火が大きくなるにつれ、更に多くの人が集まった。
大きな炎は、濡れた瓦礫でさえも、いともた易く焼き尽くした。

やがて焚き火は分けられて、広場のあちらでも、こちらでも焚き火が起きた。
そして焚き火を囲む人の輪が、幾重も出来た。
すると誰かが語りだす。
「さぁ、これからどうすべぇ」
焚き火の向こうで老婆が呟く。
「まずは、飯を炊くべぇ」

そして女達は飯を炊き、男達は飯場を整えた。
それから広場のみんなは、夜具を集め寝床をわりふり、
それぞれの明日に備えた。

しかし、真っ先に焚き火を起こした君は、
火を絶やすまいと一晩中火を焚いた。
濡れた瓦礫を燃やし続けた。
母も、父も、兄弟も広場には居なかったが、
君は、誰かと自分のために焚き火を焚いた。
氷点下の星空の下で、火を燃やし続けた。

やがて空が白む頃、
君は変わり果てた故郷を見た。
焚き火の向こうに歪んだ景色が揺れていた。
そして君は、焚き火を広場の仲間にゆだね、
母と父と兄弟を捜すため、瓦礫の荒野へ歩み出た。

あの日の夜、真っ先に焚き火を起こした君は、
今どこにいるのだろう。
母に、父に、兄弟に会えたのだろうか。

あの日から四年が過ぎた今、君を想う。
君のことだから、この町のどこかで、
また新しい火を起こしていることだろう。

あの日、君が焚いた火は、広場の横でいつの間にか消されたが、
あの夜、広場に集まった誰もが皆、
あの焚き火の暖かな炎を忘れはしない。
君もきっとそうなんだろう。

あの日から四年。
まだ、たったの四年。



2015年3月11日、
大槌町吉里吉里に生きる芳賀正彦氏を想いながら。

今日は県内河川、大増水ですが…

2015年03月10日 | 渓流レポート
昨夜からの大雨の影響で、今日は県内の各河川は、
どこの川も大増水です。
県内河川情報のサイトで確認したところ、気仙川や閉伊川など
主だった河川は、警戒水位直前まで増水してます。
週末までに水位が下がることを祈ります。

ところで…
8日の日曜日は、なんとなく呼ばれたような気がして、
釜石の甲子川に行ってきました。
甲子川の早春ポイントは、5年前までは解禁直後ならいつでもライズがあり、
絶好のポイントだったのですが…
震災後は、川のほとりに仮設住宅団地が造営され、
とても呑気に釣り姿で歩く心境にはなれませんでした。

しかし昨年あたりから、この仮設に暮らす親爺さんたちや
地元の釣り人が竿を出している光景を見かけるようになりました。
それなら僕も、ちょいと隅っこにお邪魔させてもらおうと考え、
思い切って出かけたという訳です。

午前10時頃にポイントに到着したときには、既に先客があり、
流し毛鉤の老人が右岸で竿を振ってました。
僕は、その親爺さんに挨拶して左岸の入れてもらい、
おぼつかない足取りながら、浅瀬に立ちこんでライズを待ちました。
すると…ライズ発見!しかもかなりのライズあり。

そこで#18黒のミッジを流すと3投目で今期初の釣果をゲット。
しかし、その後がなかなか渋く、次第に風も強まり、
2時間程度で竿を納めました。
結局、釣果は5尾どまり…、
次回も週末は甲子川にしようと心に決めた帰り道でしたが、
今日の大増水では…、さて週末には水が修まるのだろうか?


7日の気仙川

2015年03月07日 | 渓流レポート
雪と寒さにまったく歯が立たなかった解禁日だったが、
7日土曜日は、気温も高く曇天で風もそれほど苦にならないようだったので、
まずは、午前8時半出発で気仙川を目指した。
ところが…

川の水は、透明な流れなのだが…かなりの増水!
今週前半の雪と雨、更には今日の暖かい気温で雪代も出たのだろう。
中流域から上流域まで、ポイントを覗いてみたが…
ライズも全く確認できなかった。

大船渡の盛川に回ろうか、とも考えたが、
沿岸ならではの風も強くなってきたので、
竿も出さずに帰ってきた。

気仙川は、来週あたりから釣りになりそうな気配。
気になる雪代も来週には落ち着くだろう。
とにかく気仙川でヒカリを釣らないと、春を感じられないものね。

明日は、釜石の甲子川にでも行こうと考えている。

2015年渓流シーズン開幕したけど…

2015年03月02日 | 渓流レポート
昨日3月1日、ついに岩手の渓流釣りが解禁した。
しかし…朝から雪が降り、気温も午前8時で「-3℃」。
いまだに痛む足を引きずりながら、
何はともあれ釣仕度を整えて気仙川へと向かった。

途中の種山高原あたりから道路にも雪が積もり、
温度計を見ればここも「-3℃」。

今年は日曜日の解禁とあって、相当の人出を覚悟したが…
ここ数年の解禁ポイントには誰もおらず、思わずニヤリ。
それから釣スタイルを始めようとしたが…
やはり不自由な右脚では、なかなか捗らず、
いつもの倍の時間をかけてようやく川に立てた。

時計を見れば午前9時20分。気温は「-1℃」。水温4℃。
相変わらず雪は降り続けていたが、風は微風程度。
これなら何とか釣になるだろう、と足を引きずり川に立った。
水面は…ノーライズ。

しかし、この時僕は、そこで解禁日を完結できた気がした。
11月の不慮の事故で入院してから、3月1日に川に立てるかどうか…?
なかば諦めてもいた。
それが、まずはひとまず、川に立てるまでには回復した。
それだけで昨日は納得できた。
川に立ち、流れの中で煙草に火を付けた。
今年初めての川で吸う煙草…。
嫌煙家の方々には申し訳ないが、川で吸う煙草は本当に旨い。

10時頃までライズを待ったが、ウンともスンとも気配がない。
ダメ元でフライを流してみたが…ノーライズ、ノーフィッシュ。
30分ほどで僕は解禁日の釣りを諦め、竿を納めた。

帰り道、住田の国道の温度計は、午前11時頃「-1℃」だった。
まぁ、どうあっても天気には勝てないので、
次回は、お天道さまのご機嫌を伺いながら行ってみたい。