岩泉・大川の濁流事件の顛末を思い出した

昨日のブログを読んだ盛岡の釣り仲間からメールが届いた。
いかに自然環境が豊だと言われている岩手においても
我々釣り人から見れば、森林の荒廃は目を覆うばかりだ。

そんな彼が、「救いがあるとすれば岩泉大川の透明な流れだ」と言い、
「今年も大川で良い釣りができた。」
「数年前に権ぞーが、大川の河川工事の際に抗議してくれたお陰・・・」
などという言葉を頂き恐縮した。
彼の奨めもあって、７年前に岩泉大川で起きた出来事と
それについての当事者と僕とのメールのやり取りを
改めて紹介したい。
これは、僕が制作していたラジオ番組「野遊びクラブイーハトーブ」の
前身番組「続イーハトーヴ釣具店」でも紹介したものだ。

ことは２００３年の夏に起こった。

【番組の構成台本から】

8月下旬の土曜日（８／２２）、久々に時間が出来たので、
岩泉・大川へ出かけましたところ・・・・・
とんでもない河川工事をやっておりました。
大変な惨状を目の当たりにし、その工事を発注した県企業局に
以下のようなメールを送ったところ、返信がありました。

そこから、企業局担当者・立原幸美（さちみ）さんと権ぞーの
メールのやり取りが始まりました。
抗議のメールに対し、担当者・立原さんの迅速に対応する様子が
良く分かりますので、まずは皆さんにご紹介します。

平成15年8月25日(月)
Subject: 【お尋ねします】岩泉・大川の魚道工事に関して

> 企業局　岩泉大川上流部　魚道工事　担当者様
>
>
> 突然メールをお送りする失礼をお許し下さい。
> 私は、岩手県釣り団体協議会　県央支部事務局長、
> 並びに「もりおか鮎の川基金」事務局長を務める
> 川野権ぞー（正式には本名を名のりました）と申します。
>
> 質問といいますのは・・・・
> ８月２２日(土)午後４時頃、１ヵ月ぶりに岩手を代表する渓流である
> 岩泉・大川上流部へ岩魚を求めて釣りに参りましたところ、
> 大雨でもないのに、夥しい濁水（というより泥流）が流れておりました。
> それは、まさに泥の流れで、大川に生息する水生生物たちに
> かなりの悪影響が及ぶと思われるほどの凄まじいものでした。
>
> そこで、上流部の道路沿いに立てられた工事現場の事務所を訪ねました。
> 事務所の担当者がおっしゃるには・・・・
> 「魚道工事」で、「堆積していた土砂が流れた」とのことでした。
>
> 泥流は、それだけで岩魚、ヤマメなどの渓流魚のエラに詰まり、
> 窒息死するということをご存知でしょうか？
> そもそも「堆積した土砂」は、取り除いてから、
> 本格的な工事に入るべきではないでしょうか？
> 更にあの流れた泥流の一部は、また何処かの緩流帯で堆積するのでしょう。
>
> 「魚道工事」といえば、自然環境に配慮した工事に聞こえますが、
> これでは本末転倒。
> 魚を苦しめ、河川環境を汚す魚道工事を県企業局は認めているのでしょうか？

> 川を見つめ続ける釣り人だからこそ感じる事も多々あります。
> 今までは、工事関係者の方々にも配慮し、
> 現場で意見する程度にとどめておりましたが、
> 今回は、黙っておられずメールをお送りする事にしました。
>
> 改めてご質問申し上げます。
> 岩泉・大川の魚道工事に伴う、濁水（泥流）流出に関して、
> 企業局さんはご存知だったのでしょうか？
> ご存知の上で、工事を発注されたのでしょうか？
>
> 大変僭越とは存じますが、この一人の釣り人の質問に
> 是非お応え頂きたいと存じます。

川野権ぞー（ここも本名でした）


この質問状への返信は、明日に続く！


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