蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

ムルンギン族体系の続き 一般化交換 3

2021年06月27日 | 小説
(2021年6月27日)前回は一般化交換の流れ、たすき掛け交換の第一サイクルを解説した。(第1と第2サイクルを併せたパワーポイント図を載せたので見にくかったかと、図を交換したので前回24日の投稿を御覧ください)

前回で女の「たすき掛け交換」での第一サイクルを解析した。8サブセクションを4の階層に集合化するレヴィストロースの案が下の写真(本書から)。



女の交換を逆向きにする第2サイクルを想定すると、別の組み合わせとなる。


第一サイクルでPRの組はD1A2、第2サイクルでのPはD1A1。以下組み合わせの替り方は写真で参照できます。このサイクルでの女(直線矢印)と子(破線弧)のやり取りを図式化した。


起点をD1に取ります。D1が女をC2に贈る(第一サイクルではD1がC2から貰うを起点としたから、逆向きです)。D2男は生まれる子をB1に贈る。B1は男子を残し成長した娘をA2に贈る。以下、矢印の通り。

下のパワーポイント図は4の階層を向き合わせて、その位置から女と子の流れを見せている(右側)。


P(D1)はQ(C2)に女を贈る。C2は同階層のB1に子を贈る。B1はR階層のA2に女を...。
レヴィストロースが8サブセクションを4に集合した着目点は子の移動でした。女は別の階層にうつしても、男子は同じ階層に留めるとの意思がムルンギンにある筈だと。女の移動を逆にした第一サイクルにおいてもこの原則は変わりません。


しかしながらここで疑問が。
交換流れの向きで階層の構成が変化する。これは何を意味するのか?部族民にはまだ答えが見つかっていない。本書にもその理由説明は書かれていない。
次回投稿を29日と予定するが、答えが見つかるかな。みなさんにもお知恵を拝借したい。

ムルンギン族体系の続き 一般化交換 3了(2021年6月27日)

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