蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

レヴィストロースによるサルトル批判の第二部のHP投稿の報せ

2019年07月29日 | 小説

レヴィストロースによるサルトル批判の第二部(完)を部族民通信ホームサイトに投稿した。ブログに連載した投稿記事の加筆、一部訂正となります。
この論争についてはネットでも取り上げられており、レヴィストロース勝利、サルトルの完敗の評に接します。その過程は知のあり方と知の展開において、(サルトルの語る)実存主義と弁証法理性批判(サルトルの著作)で展開する歴史弁証法とで整合性がとれないに行き着きます。レヴィストロースは実存主義を否定したのではなく、それを歴史真理(マルクス弁証法)に展開した無頓着さ、非論理を否定した訳です。
ブログにはPDFが載せられないがホームサイトでは、オリジナル3葉のPDFにリンクを張っているので、関心をお持ちの方は是非ブラウザしてください。このPDFをみるだけで両者の差異が分かり、なぜサルトルが完敗したかにも納得がいくと思います。
左コラムのブックマークHPをクリックするか、部族民通信でググッてください。
(HPの開設は5月31日、これまで4回の更新を重ねています。Google順位も部族民通信では、当GooBlogを抜いて筆頭に育つに至りました。よろしくブラウザを)



サルトル来日(1966年9月)の1写真を添付します。9月20日に慶應義塾大学三田校舎を講演のために訪問した。車を離れるところ、すごい歓迎ぶりです。講演会には聴衆6000人が集まったとか。写真の奥側に見えるプラカはベトナム戦争反対とある。おそらくベ平連の活動家と思えるが、来日中に代表の小田実らと会合している(写真と内容は三田評論から借用している。肖像権、著作権に抵触する場合には連絡を乞う)
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レヴィストロースのサルトル批判の投稿

2019年07月25日 | 小説
レヴィストロースのサルトル弁証法的理性批判を部族民通信ホームサイトに投稿しました。GooBlogに過去投稿した内容と差違はないのですが、分かり易くするためにPDF3葉を作成、文中に紐つけしています。

その1枚目の写真。
知の起源(源泉)、弁証法と理性の関係、それらを土台にした理論の展開に付いて両者の考えを表にした。
1~3PDFをみれば全貌がつかめる(少々長たらしい記述をとばし読みできる)という効能があるようです。左コラムのブックマークHPをクリックするか、部族民通信でググってください。

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神話学第2巻、蜜から灰へのHPに投稿案内

2019年07月15日 | 小説
レヴィストロース神話学第2巻、蜜から灰へDumielAuxCendresを部族民通信のホームページに投稿した。同書の紹介は2018年6月に本ブログに入れています。今回加筆し、テーマを追加した。
本書は喪失の書とされます。喪失perteはレヴィストロース本人が用いているので、投稿子もこれに遵じて読み進めて、第一章(一部、乾期と雨期から蜂蜜狂いの娘)第2章カエルの饗宴変奏曲全6曲(変奏曲とはレヴィストロース用語です、それぞれの曲に神話が紹介されている)を紹介しました。

要約;
1 かつては蜜があふれ、肉(野ブタ)は食べきれないほど積み上がっていた
2 自然と文化が同盟を結んでいた。自然の豊饒を人が教授できたのだ。
3 自然文化の同盟を破ったのがうっかりの禁忌破り、しかしその奥には独り占めしたい、もっと享受したい、人の欲望があったのだ。

この趣旨で変奏曲の主題メロディーがかなでられ、6部の変奏となって紙面に繰り広げられる。

写真(パワーポイントで作成した表を2)添付します。


本書147頁掲載の表、
6の変奏曲の和声分析です。左のコラムに「実体か言葉か」がある、実体とは物に関しての禁忌、例として「水をかけてはならぬ」のにおふざけで水掛した。言葉は本名を口にしてはならない、しかしふと出てしまった、など。
2段目はその行為には互換性があるのかないのか。互換性のある行為は比喩としてほのめかされる。


上記表を日本語にした。3,4,5,6の列は+とーが連続している。この意味は

1 自然と文化の出会いは-偶然(レヴィストロースの解釈)、恣意性がみられる+を投稿子が提案する。
2 同盟は結ばれたかにはすべての変奏曲神話が+。そして、
3 同盟は断絶か継続かではすべてが断絶。


表の全体図です。

本稿をホームページでお読みください。
(左のブックマーククリックあるいは部族民通信でネット検索)
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牛の丸ごと薪燻り、酋長さんの出番

2019年07月13日 | 小説
牛の一頭は諸般の事情で手に入らない。入ったとしたところで先立つモノが無いから買える訳など無い。
近辺スーパーを視察するとロース肉が安い。
肩ロースなる部位、固いし筋が入っているから
ステーキには向かない。
薪火で丸焼きすれば食えるくらいにはなるか。
 そんならビンボー人向け限定丸焼きだ。
前回投稿(鶏の丸やき)では「強火の遠火」式に鶏を火炎の上方に置いた。酋長さんはそのやり方をボロロ族はとらぬと疑義を入れた。そこで間接燻りの竈を作成した。ブロック15個。)いかにかたまり肉を燻るのか、手順も食い方も部族民式に解説する。


鶏ガラに焦げ目を入れてソースの元にする。写真での左側に「燻り」室を設けた。


近辺のスーパーAで購入したアメリカ牛(アンガスとか)肩ロース4キロ弱


塩胡椒、ベイリーフなどでシーズニング


燻り室の位置、奥に木のくゆりが覗ける。燻り時間は4時間ほど。燻る時には鉄板で閉める。昼の2時に始めて6時を過ぎた。


焼き上がり、焦げ付きがでた。肉を買ったのが午前10時、焼き始めが2時。4時間では肉の中まで熱が通るまで時間がかかった。内部温度を63度にするとミディアムになる。1時間ほどアルミホイルで養生させる。


切った感じは焼きが小筆には強かった。されど、これを幾日かに分けて食いつなぐのだからこんなモノか。


切り分け一人前!およそ400グラム

ああ食った食った。それでもまだ半分。



アメリカ牛アンガス種
100グラムで220円
4キロ弱で8K円。
年に一度、数回食いつなげる
(ローストビーフ、ビーフサンド、ビフテキ
ハンバーガー、ビーフカレーなど)

これらを勘案、総合判断すると 安い!(額に脂汗たらり)
次はいよいよ野ブタ丸焼きだ!
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神話「蜜から灰へ」を読む 1

2019年07月12日 | 小説
2018年6~7月にGooblogに連載投稿した同名作品を2019年7月に訂正、加筆し本稿としホームサイトに掲載することにした。当ブログには(長くなるので)一部の紹介。

レヴィストロースの神話学は全4巻。第一巻(生と調理)に続く第2巻が「蜜から灰へDu miel aux cendres」となります。
第一巻の生と調理(その解説は本ホームサイトに既掲載)は「文化の創造」。比べて第二巻の本書は「文化の喪失」がテーマとなります。文中に散見するperteなる語を「文化喪失」としたわけです。「瓦解」「途絶」も語られる。喪失にそれらの意味をも投影して欲しい。
加筆では蜜狂いの娘を追加しています。また自然と文化の出会いは偶然か、計画性かについても部族民通信の解釈をまとめている、御大レヴィストロースの意見と異なる点が苦しいのだが。

一部を引用します
<続いてのM213(題名と民族Tobaは同じ、89頁)
キツツキ妻は危うきを退け、森に逃げてしまった。程なくキツツキは戻ってきた。悪事を隠そうとキツネは妻に変装した。しかし何かがおかしい、事態をつかめないから、まさかの女装まで疑うにキツツキは至らない。とりあえずシラミ取りを命じた(むだ毛の引き抜きも、これは妻の義務)。シラミをつかんでエイャで潰したキツネの爪がキツツキの皮膚を破った。イテテ、何しているんだ、しかしいつもの手際良さがないぞ。疑い深めたキツツキはシロアリに<Plein de soupcons, Pic prie une fourmi de mordre sa soi-disant femme a la jambe>「あなたの妻よ」と自称する女らしきの足を噛みついてくれと頼んだ。<Renard pousse un herlement peu frminin qui le fait reconnaitre>あげたキツネの悲鳴は少しも女らしくなく、男の地声で誰かが分かった。

悪役ながら憎めないキツネ、せっかくの女装もばれてしまう。図は本書から。

他の神話(M216)ではキツツキ妻の沐浴中を襲ったら、衣服(隠しの布紐程度)を置いて逃げたからそれを着して妻と決め込んだキツネ。やはり疑う夫キツツキがシロアリに下した噛みつき条件は「股の奥に何があるかを見てくれ<Si tu vois une vulve,c’est bien, mais si tu vois un penis, alors mords>それが膣だったら見逃せ、男根を見たら噛みつけ(91頁)またも見破られ、もっとも痛い男の急所をアリに噛みつかれまた悲鳴。キツネはしこたま殴られたとさ。賢いキツツキと化けそこねたキツネの吉本喜劇風の失敗譚でした>
次回は明日投稿。

部族民通信のHPは左コラムのブックマークをクリック。
グーグル検索では「部族民通信」で筆頭に位置します。よろしくご回覧のほど。


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部族民料理、男の出番

2019年07月01日 | 小説
レヴィストロースは神話学第一巻「生と料理LeCruetLeCuit」において火を発見した人は文化を創造したと論じる。その文化とは料理した肉を食らうことに他ならない。ブラジル先住民ボロロ族の「部族民料理」を再現せんとブログサイト部族民通信の主宰蕃神が薪焼きレシピに挑戦し、ボロロ族酋長さんに監修を頂いた顛末です。

焼き上がり例(ローストビーフアラ部族民)

(令和元年5月20日)
用意する材料など;

1 肉が必要。魚、野菜で代用はできない。

鳥丸を焼いてみた
部族民料理の正統は野ブタ(ペッカリ種)。しかし手に入らない。鶏で代用。
2 薪、原典ではboit pourri「腐った木」とあるが倒木枯れ木である。アマゾンの旺盛な植物相にあっては原木を伐採し、乾燥に2年待つの手間など必要としない。

3 炉=foyerカマドで料理する。日本の竈を想像するが、米を炊かないから異なるだろう。石積みの野外炉か、部族民は、それを再現せむとブロックでくみ上げた。
組み上げ途上、構造が分かる

4 ボロロ族には下女が絶対に必要だ。なぜなら男は火を所有する(英雄バイトゴゴがジャガーに譲ってもらった)ものの、料理は女の仕事。男は厨房、カマドに立ち入ってはならぬ!儂は下女を持たぬ、そこで各方面に声を掛けたが、ボロロ下女になりたがる日本女性を東京近辺で見つけるを能わず。
無念じゃ!

焼きはじめ、ステンの串に鳥丸を刺して火に炙る。簡単。


5 地べたにしゃがみ込んで原典を開き、辞書をひもときながら、準備も入れて焼きあがるまで3時間の余裕をもてるヒマ人が原点だ。

火は入ってきた、もうすぐじゃ

以上じゃ。鳥丸のレシピを公開すると
大手スーパーで手に入れた鳥丸、1.2キロで1500円
塩コショウ、ニンニク、オリーブオイルを塗ったのであるが邪道であった。調味料これら(コショウニンニク、オリーブ)は旧大陸由来。シーズニングはボロロ風に徹し、南米原産唐辛子のみにすべきだった
針エンジュ(ニセアカシア)の倒木(みたいなやつ)を刈りとった。強火の遠火が原則。

旨そ~

(皿の肉はビーフになってる)
しかし、男が先にパクつくはもってのほかじゃ。「みども、いまだ空腹を覚えず。汝ら、先に焼き上がりを食しなされ」女共を優先させる。ボロロ男の流儀じゃ。


野ブタならぬフツーの文明ブタの薪あぶりなんかも追々掲載する。部族民料理を担わせむボロロ下女めを引き続いて募集している。

(本投稿はホームぺージ掲載の同名記事をブログ向けに改編した。部族民通信ホームページにもご来訪を願う)
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レヴィストロース亡命の真実 1

2019年07月01日 | 小説

本日はホームページオリジナル、ブログにのみ来訪いただく方には露出されていないレヴィストロース「米国亡命の真実」を紹介します。
(当ホームページのアラカルトから)
ネットからの情報を書き入れる。郵便貨物船paquebotのCapitaine Paul Lemerle号は「ナチス拘束のおそれあるユダヤ人救済」を目的に1940年8月から13ヶ月、アメリカ人VarianFryにチャーターされていた。自身ユダヤ系の出自でジャーナリストとして地位を確立していた彼は、ナチスのユダヤ迫害の風聞に接し、さらに亡命者から実際を聞くにつけ同胞への迫害に心を痛めた。マルセイユに乗り込み、米国の対独最後通牒まで(1941年12月)救済活動を広げた。

VarianFry


Paul LeMerle丸
ネット・
米国ホロコーストミュージアムの記載で1940~41年、複数の航海を敢行し2000人のユダヤ人亡命者を救助したとある。

Emil Julius Gumbel
• Hans Habe
• Jacques-Salomon Hadamard
• Konrad Heiden
• Jacques Hérold
• Wilhelm Herzog
• Erich Itor Kahn
• Fritz Kahn
• Berthold Jacob
• Heinz Jolles
• Arthur Koestler
• Siegfried Kracauer
• Wifredo Lam
• Jacqueline Lamba
• Wanda Landowska
• Lotte Leonard
• Claude Lévi-Strauss
(救出された文化人のリスト、一部、Wikipedia VarianFryより) 
面々がすごい。シャガール、アーレント、エルンスト、マン、マーラー(未亡人未発表の交響曲9番の総譜を持ち出した)…(ブルトンは前述)。その後の活躍をうかがい知るに、もし、脱出できずナチスに彼らが拘束されたら、戦後文化の様相が変わったかもと感慨を抱く次第です。

マルセイユの目抜き通りを闊歩するVarianFry。1940年10月、アメリカとドイツは交戦していなかった。1941年12月、米国の対ドイツ最後通牒通告によりヴィシー政権に拘束され強制送還された。


レヴィストロースに限らず救済された諸氏はVarianFryセンターについて語っていない。救済する側とされる側に暗黙の契約があったのかも知れない。アメリカは亡命者を選ぶ、命を選んでいる。セントルイス号(乗客1000人のユダヤ人)のアメリカ寄港と亡命受け入れに反対していたのはユダヤ系のオピニオンリーダー達であった(書籍・ストロベリーデイズより)。この亡命拒否がトラウマになってVarianFryが動いたのか。
さらに別格待遇で救出されたアインシュタイン、ハイフェッツなど超大物にしても、己が選良だった故の待遇だとは一言も述べていない。ユダヤ救済のネットワークとは迅速に、極秘に冷酷に、かくも起動するかと思いを新たにした。

(写真は米国ホロコーストセンターHPから)

ここからは宣伝です、
追記:部族民通信はグーブログへの投稿とホームページの二本立てで運営しています。ブログは投稿を2007年に始めて10年余を経過し、来訪される方々もそれなりに増えています。皆様には感謝します。
ホームページを開いた理由はブログ投稿の己の文章とスタイルに不満が溜まっていたからです。ブログを書くぞ~が朝の9時、しかし雑用に追われ、キーボードを打ち始めるのが10時(ちなみに今現在が10時11分)。原稿用紙にして4~5枚を12時半までに終わらせる。すると;
誤変換、テニオハ狂い、そもそもの勘違い、これらがテンコもりの文章を推敲も経ず投稿してしまう。もう少しマシなやり方がないかと考えあぐね、URLをさがすとなんとtribesman=部族民=が空いていた。.asiaならばなおさら自分むけだと購入した。

5月いっぱいを基礎作りに費やし、6月から文章を投稿し始めた。「部族民通信」(あるいは蕃神義男でネット検索すれば筆頭位置に出るので、ぜひご参照を(本ブログ頁の左欄ブックマークをクリック)7月1日で頁を飾る記事は神話学生と調理、悲しき熱帯など12項を越します。よろしく御訪問を。

ホームページの真実:ほとんど訪問はない。ブログは軽く読める、時間の空き間に読むが可能。ホームページになると開くは面倒、ページ数は多いしなど躊躇するのかと勘ぐる。しかし開いて読んで、半時を字面に過ごす価値のある内容かどうか、これを検証してください。

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