蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

歴史神話学批判から読むレヴィストロース神話学Youtube投稿

2024年06月26日 | 小説
(2024年6月26日) 表題動画のYoutube 投稿の報せ。
以下は概要欄。

神話学Mythologiques「裸の男L’Homme Nu」の紹介を続けています。歴史神話学の批判を通してレヴィストロース神話学を解析しています。その骨格は「歴史神話学は要素を客体とする」「レヴィストロース神話学は要素を主体とする」。主体であれば要素は「思想を備え進展、展開を見せます」かれはさらなる指摘「神話群は共通分母を持つのじゃ」とも諭します。今回はこの2点を探り、北米先住民が伝えるイシス神話群の解析に挑みます。
すると神話に託す先住民の思想は社会観(系統と同盟の相克)、宇宙観(天地創造と神々の沈黙)に行き着きます。これぞまさにレヴィストロース思想の本貫、親族の基本構造(1947年発行)野生の思考(1961年)の主張につながる。


Youtube親指スライド


WWW.tribesman.net に動画プレゼンテーションのポワーポイント資料が(神話学の頁)に掲載されています。

本動画リンク
https://youtu.be/hg9tgW9nDdQ

なお神話学第4巻「裸の男」第一回(近親姦が生む英雄)のリンクは https://youtu.be/3mfMMYr2FPY 。
第二回(歴史神話学批判はhttps://youtu.be/fyzi5pPmeXg

チャンネル登録を願います。部族民通信の過去動画(60以上)に容易に訪問できます。

部族民からの願い:コメントしてくれれば有り難い(部族民のレヴィストロース解釈の難点なんかがあれば)。





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ヤフオク詐欺に被弾 上 

2024年06月24日 | 小説
(2024年6月24日)部族民(渡来部)は大失敗をしでかした。ヤフオク詐欺、まんまとやられた。コトの経緯と顛末を、そして効果抜群、相手をフルボッコできる絶対対抗策を、ご参考になればと皆様に報告します。構造主義とかレヴィストロースとかは出てきません。

前提:とある動画編集ソフト、今用いている版は購入して4年ほど経過した骨董品級。当初は重宝していた。これだけ経つとアラが見え始めた。アラ1音と動画が同期しない、微妙にずれる。アラ2動作が遅い―などなど。新バージョンはとっても良さそう。しかし今のバージョンからは無償でアップ出来ない。簡単に済ませるのは画面に入ってアップグレードを一クリックすれば、DLサイトに案内されてDL、解凍、インスタで済むけど、この簡易手法には気に留まるところがあるのです。
Eメールアドレスを入れろ、会員登録しろなど余計な画面が必ず出てくる。さらに「支払いのCD口座番号と安全コードを入れろ」部族民は、顔が古いが頭も古い~♫、こんな一手間二手間が億劫なうえに心配のネタも転がる。やっぱり拒否反応が出てしまう。
DVDを仕入れてローカル登録に徹すると計画した。


ある日のヤフオク画面のスクショ。これだけそろうと目移りする。


ヤフオクに手頃な落札価格で出品されていた。¥8K、ネット大手Y橋の価格と差はない、しかしあっちは「アプリをDLするから送料タダ」とあるので選択から外す。とある事情で世界大手Aは使わない。
失敗の起点:ヤフオク、部族民は愛好者の一人です。最近はまがい物が多いので用心怠らず、じっくり粘って吟味して、躊躇いがちにクリックする。用心とは出品者の評価数。500評価を越せばそれなりに安心できる。この出品者は2000ほど(幾分-)。高評価が99.5%。ネガティブ評価は10を越さない。商品説明には「新品未使用」を謳っている。それなら安心、数少ない悪い評価も何らかのアクシデントで、出品者に悪気は無いのだろうと落札クリック。この迂闊さが失敗の元凶でした。

2日と置かず「お手軽ユウパック=発送者の住所氏名が隠される」で配達されたDVD、パッケージを検分してもたしかに正しい製品、開封されている。ヤフオクの画面にシリアル#が撮影されていたのでそのために開封したのだろうと勝手に解釈した。インストールする。無事に画面にたどり着く。その画面から製品登録画面に入るのが正規、この手順は同封のマニュアルに書かれている。しかし眼の前の画面を見ても登録に入るリボンの上にボタンが見えない。別のボタンを探り当て登録画面にたどり着いて、そこには「すでに登録しているカスタマーID、6桁の暗証番号を入れろ」とあった。
そんな番号を部族民が知るわけ無いから進めない。無視してともかく試験使用として動画を入力してそのままExport(動画mp4に変換する機能)する。案の定、無料のお試し版に浮き出るスカシ(製品名が画面にのさばる)が入っている。

すると;このDVDはすでに登録されている、DVDに紐づけされているカスタマーIDを入れない限りスカシを排除できない、これでは使えない。Youtubeで部族民動画を開けてくれる、最近はうなぎ登りとはいえ、数少ない奇特な御仁から
「スカシ入動画を投稿するなど部族民はなんとも間抜け」
笑われてしまう。

一応メーカーにチャットで相談したが、答えは「画面にそのボタンがない製品はすでに登録されている。(使用環境が変化している、部族民のPCは初期設定と異なるから、デフォルト画面に戻っている)再利用するためにはカスタマーIDで開く必要があるとの冷たいお返事。
新品未使用とは異なる!開封、製品登録済のセコハンDVDだった~。娘にしてもセコハンは安くなる、DVDだって同じさ。それを新品価格で売りつけるとは!部族民は激オコ、憤オコのアシュラに変貌してしまった。

その旨をしたためて出品者に連絡した。しかし返事はケンモホロロ。その言い訳が通じる根拠は商品説明に「こちらの商品はシリアル番号扱いのため、返品不可商品となります。ノークレームノーリターンでお願いします。いかなる理由があっても返金、返品は対応致しません」
お前はそれを知っての上で落札したんだろうと返された。
そこから部族民の反撃が開始される。
ヤフオク詐欺に被弾 上の終わり (6月24日)

後記:この方法を取ればヤフオク詐欺師は必ず返金する。部族民の秘密が中、下で公開されるよ~


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「裸の男」2 レヴィストロース、歴史神話学を批判をYoutube投稿

2024年06月20日 | 小説
(2024年6月20日) 前回(16日)投稿 神話学Mythologiques「歴史神話学」対「構造神話学」をYoutubeに投稿した。

概要欄に記した一文 : 歴史神話学はアーネル(フィンランド)の創始、トンプソン(アメリカ)の協力により20世紀初頭に興隆した。その理論は物語の要素(登場者、情景など)分解し、それらを数値化(出場頻度)して神話の原型を探り、ひいては伝播経路を遡るを目的としている。この手法を北米神話の解析に用いたDemetracopoulou(アメリカ人類学者)の「同心円」も引用している。
一方でこの進め方は、神話とその要素の客体化です。レヴィストロースが批判する趣旨は「神話を簡略化しすぎている。神話の実質を捕えきれない」となります。
レヴィストロースが神話学で展開してきた手法は「神話、その要素の主体化」と言えるのではないかと(部族民)は考えます。主体であるからこそ筋道は進展し、同型を保ちときには逆転し伝播を続ける。そしてこの主体は族民、ひいては人類の思想を表現しているとも言える。

投稿動画では神話思想はまさに社会観宇宙観に連なる、このカントにもつながる仕組みを紹介しています。

WWW.tribesman.net に動画プレゼンテーションのポワーポイント資料が(神話学の頁)に掲載されています。

youtubeのサムネ

客体化を問題にしている


本動画のリンク
https://youtu.be/fyzi5pPmeXg

第一回(近親姦が生む英雄)のリンク

https://youtu.be/3mfMMYr2FPY

後記:前に(6月9日)でOffice365パワーポイントで動画作成機能があると投稿した。その試し作品が6月10日Youtube投稿(裸の男下の1)だが、第2回目(今回紹介の20日投稿)ではライブカメラを用いた。真正面の交番脇に見る「犯罪者」顔ではない。幾分離れて横から取っているので、見苦しくはないかと思う。暇があったらyoutubeに入ってください。
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神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介の下 2 歴史神話学 対 構造神話学

2024年06月16日 | 小説
(2024年6月16日)今回は少し回り道する。趣旨は「歴史神話学」を構造主義の観点からレヴィストロースが批判する中身の解説。前回に引用のあったDemetracopoulouの北米神話考察を、レヴィストロースが、彼の視点から、解釈する。彼女の人となりと写真は本稿の最後尾。

前回の引用文に戻る « Selon notre auteur, cette idée serait celle d'un inceste catastrophique qui menace l'ordre du monde、et dont les victimes cherchent à se venger. Mais outre que cet énoncé simpliste laisse échapper toute de la substance concrète du mythe » (同書188頁)この著者によれば(イシス神話の思想は)彼女には、破壊的な近親姦が発生し裏切られた女が世界を破滅するーとの説明であろう。この単純すぎる理解は、各共通項目が厳格に進行しているとの事実、そして神話に盛り込まれる具体的肉質を見逃す…
文の前に彼女は「歴史神話学」の立場をとる « cet auteur applique en s’inspirant des principes de l’école historique » が挟まれる。そしてレヴィストロースはあえて「その学説を食事作法の起源で否定した」とも加えた。「食事...」の一節に立ち戻る。まずは歴史神話学とは « En comparant les valeurs numériques, on s’efforce de dégager des types qui distinguent de déterminer leur centre de diffusion » (食事作法の起源 188頁)数量的価値を比べながら、いくつかの類型を設定し、それによって伝播の中心を探る。
数量的価値とは登場者、出来事ごとの出場回数である。類型とはそれら神話叢が共通して取り上げる「筋道」かと(部族民は)理解する。(実はこの手法は印欧語族の神話を比較して、その祖先の探索に用いられた、らしい。ネット雑識です)。


写真1 歴史神話学を表す同心円(188頁)。月の嫁神話には本筋(Forme fondamentale)があって、それに種々の挿話が付け加えられる。図ではヤマアラシの誘い、太陽と月の対話、マキバドリが同心円を形成する。小さい円ほど(伝播神話での)登場回数が少ないから、地域時間が限定される。主要要素(本筋)はどの神話も採用するから地域限定はない(以上は歴史神話学の旗手Thompsonの主張をレヴィストロースが翻訳した一節)


写真2 様々な登場者、出来事の頻度を数値化した文。

ヤマアラシが樹上から誘う(95%)、月に変身(45%)、太陽に変身(25%)などが読める

Demetracopoulouは歴史手法をイシス神話に応用した。類型として « un inceste catastrophique qui menace l'ordre du monde » « les victimes cherchent à se venger » 1近親姦と世界の破局 2女の復讐に分けられる。 この類型はイシス神話、アビ女神話の主要素でもあるから、レヴィストロースに於いても同意かと察する。しかし « chaque détail est rigoureusement motivé » 「各々の要素は、厳格に動機づけられている」が続くが、この文は何を意味するのか。実はこの一句がレヴィストロース構造主義的神話解析と歴史神話学の違いを、端的に、述べている。

なぜなら;そもそも歴史神話学では登場物、出来事は« valeurs numériques » 数値化されるだけの物でであり、何らかの主張することも進展することもありません。ここでの物とは客体です。これが「単純すぎる理解は、各共通項目が厳格に進行しているとの事実を見逃す」(引用文から)につながる。ここが« cet énoncé simpliste laisse échapper toute de la substance concrète du mythe »「単純すぎる解釈は神話の具体的な中身すべてを見失う」を理解する鍵となる。 « chaque détail est rigoureusement motivé » 各々の要素は厳格に動機づけられている(上引用)の理解は「要素は厳格に動機づけされ進行する」。「孤立した少年」や「隠された少年」など事象を物、客体として固定し、神話叢の中での登場頻度を数値化するのは、意味をなさない。両者は共通の分母(des dénominateurs communs=引用文)に共通化(identifier)されているから、それを探るのが神話学であると、レヴィストロースが諭している。

噛み砕いて言うと「上下婚を犯し家族に忌み嫌われた少年」はそれ自体が主体要素である。「兄妹婚の結果生まれた家族に慕われる英雄」も主体であり、主体ならばこそ進展変遷するけど、共通する分母に支配される。その分母を探るのが神話学じゃ!と語る。
ではdénominateurs communs共通分母とは何か?レヴィストロースは教えない(賢人は良き答えを出す人ではない、良き質問を与えるのだ=本人の弁。答えを教えない、君たちが考えなさい―いつもの事です)。部族民(蕃神ハカミ)は首と頭を捻った。これぞレヴィストロースの主題、文化とは畢竟「族内婚と族外婚、別の語で系統と同盟、またにして近親姦と族外姦、それらの対峙、対立、相克」に支配され融和を模索するのであると。彼の第一作親族の基本構造Les structures élémentaires de la parenté に立ち返った思想風景です。

家族に美少年故に愛でられ、地下穴に隠されるenfant caché 隠される子と « une image symétrique avec celle d’un garçon haï, et isolé par lui (la famille) dans la brousse rn haut d’un arbre : l’enfant caché est donc l’inverse du dénicheur d’oiseux » 家族に嫌われ高木に追われ遺棄される少年(M1バイトゴゴ)は正逆として対称している。


(英語Wikipedeiaから引用)Dorothy Demetracopoulou Leeは、アメリカの人類学者、作家、文化人類学の哲学者でした。オスマン帝国の首都コンスタンティノープルのギリシャ人家庭の生まれ、教育を受け、結婚し、米国で4人の子供を育てました。写真はネットから拝借。

神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介の下 2 歴史神話学 対 構造神話学 了(6月16日)
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神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介の 下 1

2024年06月14日 | 小説
(2024年6月14日)神話学第4巻裸の男の上(6月6日から11日まで3回連載)ではイシスの冒険神話(M538、Klamath族伝承)を紹介した。この神話が4巻の基準で、近隣の諸族も同じ筋立ての神話を語り継いでいる。その中から天空の兄弟、水鳥アビ婦人Dame Plongeon、イシスの冒険(Modoc族版)を採り上げ、基準神話との類似と相違を、幾回かに分けて見比べる。

Modoc族伝承 M539 天空の兄弟 Les frères célestes

« Du temps que les animaux ne distinguaient pas des humains, cinq frères vivaient sur la rive sud du lac Klamath. C'étaient des méchantes gens. L'aîné avait pour femme Sturrnelle, les 4 autres étaient célibataires. Le benjamin s'appelait Tutas, sa sœur Tekewas, maintenant mariée à Loutre qui n'habitait pas très loin, était resté folle de lui depuis sa petite enfance » (48頁)昔々、動物は人と区別なかったのじゃ。クラマス湖の水辺に5人兄弟が住んでいた。意地悪な者共だった、長兄はマキバドリを妻にしていた。他4人は独身だった。末弟はTutasと呼ばれる、姉は近くに嫁いだが、末弟に幼いときから夢中だった。
長姉が末弟に懸想する。旅の途中、仕組まれた野宿で近親姦が発生した、末弟は逃げ出すなど語りは基準神話M538と同じ経緯をたどる。

異なる点 :
1 (怒る姉が火付けにはしるー村人は空に逃げる)逃げる道具は蜘蛛が用意した籠。一旦は空に上がるが墜落してしまう « Les frères demandèrent à Araignée de les prendre dans son panier et de les hisser jusqu'au ciel. Malgré la défense qu’Araignée leur avait faite de regarder en bas avant que l’ascension fût terminée, un frère se pencha pour voir. Le fil cassa aussitôt et les cinq passagers tombèrent dans les flammes » (page50) 兄弟は蜘蛛にその籠に我らを収容し空まで上げてくれと依頼する。蜘蛛は上昇が終了するまで下を覗いてならないと命じるが、兄弟の一人が身を乗り出して覗いたから糸がちぎれ、籠は崩壊し5人もろとも火炎に落ちた。
2 Sturnelleマキバドリの胎から生まれたのは男の双子。矢を垂直に放って分割してのち、弟を魔法で幼子に変え穴蔵にしまった。
3 イシスは兄妹の双子の近親姦で生まれる(Klamath版)。故に本神話ではイシスは出ない。
4 世界創造の代わりに悪霊を退治。 « Ils arrivèrent chez l'ogre, Yaukul. L’aine le vainquit à la lutte et le tua. Ils traversèrent des montagnes pour ne pas quitter la direction de l'Est qu'il voulait suivre et s’y heurtèrent à un ennemi encore plus redoutable : le géant à une seule jambe. Cinq fois de suite, ils affrontèrent et furent vainqueurs. En effet, les frères se changèrent en étoiles visibles avant l'aube à la fin de l'hiver, et qui sont les annonciatrices du printemps » (page51) 悪霊Yaukulに出会った。兄は戦に勝ちこれを殺した。常に東に向かう旅程は代えず、山々を踏破しより恐ろしい怪物に出会った。一歩足の怪物巨人。5度の挑戦の後、彼らは勝利した。旅程の果に彼らは天空の星になった。冬の終わり、明け方に地平に登る二重星、春を告げる星。

相違の中の似通い:
「1」の蜘蛛の籠部分は挿話。レヴィストロースに言わせると「新聞連載小説」式の付け足し、尺稼ぎ。同時に「物語性」を高める。きっと「族民にしても火付けを放置し、座して死を待つほど愚かとは考えられない」から逃避を図った。そして「禁止は必ず破られるから」誰かが縁を越して下を覗いた筋たてを負荷したのでないかと(部族民)は思うわけです。
「2」では双子は同じながら原型の兄妹が男子の双子に変化した。しかし二体を一体に貼り付ける、弟に魔法をかけるとの常軌逸脱を盛り込み 英雄性を醸し出す。
「3」では原典の山野、湖川の創造の代わりに悪霊退治で山野を開放する。二重星に変身して孤立する。イシスの生誕はないけれど、兄弟にまつわる非常軌、山野を造り(悪霊退治)、神8
(星)に昇天し孤立する進行は似通う。ではレヴィストロースはこれら類似差異をいかに論じているか、紹介しよう。


Collège de France フランス学院階段教室で裸の男を講義するレヴィストロース。1971年11月と見られる


« Selon notre auteur, cette idée serait celle d'un inceste catastrophique qui menace l'ordre du monde、et dont les victimes cherchent à se venger. Mais outre que cet énoncé simpliste laisse échapper toute de la substance concrète du mythe, ―alors que chaque détail, nous le verrons, est rigoureusement motivé ―il s'interdit même d'expliquer des dénominateurs communs à plusieurs versions, en commençant par celui qu'on a choisi pour identifier le mythe, tant il semblait constant et important, à savoir la transformation de la sœur en oiseau plongeon. Mais ce qui est plus grave, ce parti pris oblige en même temps à introduire dans le mythe des présuppositions gratuite, ainsi que le salut « de la famille et de la collectivité exige qu'on réussisse à dissimuler le bel enfant »
(北米神話を紹介した民族誌学者Demetracopoulou (1905~75、アメリカ) 歴史神話学の立場、の説を採り上げ)この著者によれば(イシス神話の思想は)破壊的な近親姦が発生し裏切られた女が世界を破滅するーとの説明であろう。この単純な理解は、各共通項目が厳格に進行しているとの事実、そして神話に盛り込まれる具体的肉質を見逃すのみならず、出演者たちを神話の個別性を確保するために、いかにして選んだのか、も論じていない。例えば近親姦女が水鳥アビに変身する背景も説明しない。より重篤なのは、この部分(アビに変身)は自由闊達な前提を促すのである。例えば「自らの救済のために家族、集合体が美少年を穴蔵に隠す」

この文句に対しての部族民の解説は次回に。

神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介の下 1の了(6月14日)
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神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介 3

2024年06月11日 | 小説
(2024年6月11日) « L'enfant naquit sur ses entrefaites et jeune homme dut selon la coutume, s'isoler dans la brousse pour prier la protection des esprits. La vieille changea en ours le rejoignit, le tua et le mangea. Puis elle se présenta à sa petite fille et voulut boire. Pendant que sa grand-mère se désaltérait, celle-ci lui enfonça dans l'anus des pierres rouges au feu. Puis. Ce prétexte de lui faire vomir l'excès de l'eau qu'elle avait bu, elle piétina l'estomac, de sorte que les pierres chaudes mêlées de l'eau, la portèrent à l'ébullition. Cuite par l'intérieur, l’ogresse mourut »

逃避行の間、子は生まれた。断食と潔斎で精霊を呼び母子の加護を祈るため、兄は森に入った。熊に変身した祖母に喰われた。祖母は孫娘に会いに来た。水を所望し一気に飲み干した。祖母が気の緩んだ隙に孫娘は真っ赤に焼いた石棒を、祖母の肛門に突き刺した。更に胃から水を吐き出させ、代わりに焼き石を含む水を飲ませ、胃のなかで水がたぎった。内側から焼かれ雌熊は死んだ。
ここからIsis神話の後半に入る。

(ここまで紹介したイシスの冒険(実は前半)は以前には採取されていなかった。故に以下引用、冒頭での、母が子を背負って焼身自殺せむとする事情は知られていなかった。この知られていなかった前半部が「1955年、奇跡的に « miraculeusement préservée dans la mémoire d’une informatrice » ある老婦人の聞き取りで採取された。(これから引用し、知られていた)後半部と繋がれて自殺女性Letkakawashはイシスの母で、前引用のM539神話では兄と夫婦を結び、祖母を殺した妹と判明された。ここに壮大なイシスの冒険が再現された)

« Jadis, une femme nommée Letkakawash, portant son bebe, comme font les mères indiennes, sur le dos, dressa un bûcher pour incinérer le cadavre d’une sorcière, en réalité, elle voulait y périr elle-même avec l’enfant. Le démiurge Kmukamach vit la scène du haut d’une pente où il se tenait. Pendant que la mère sautait dans les flammes, il frappa l'enfant d'un coup de maillet et l'envoya tomber au loin. Il le ramassa en essaya sans succès de fixer sur son front, sur son cou, finalement, il l’introduisit dans son genou »
Une jeune femme 若い女Letkakawashは子を背に負い、燃えさかる薪火の前に立った。因縁浅からぬ一人の魔女の死骸を焼かむと熾した業火であった。真っ赤な炎の噴き上がりにたじろがず、背に負うこの子を道連れて、見入る火炎に飛び込めば果てる命の宿命は地獄の底の業火であった。Letkakawashの動きを怪しみ高みから見張っていた俗神Kmukamchが、飛び込まんとすんでのところ後ろから、二人を袖一振りで跳ねとばした。母の勢いをそぐに能わず、彼女だけが炎に真っ逆さま、焼け死んだ。助けられたのは背の子のみ。しかしKmukamchの跳ね飛ばす手の勢いが強すぎて、子の手足も胴もばらけ四散してしまった。生きかえらせむと子の身体破片をつなぎ合わせ、己の肘にKmukamchは埋め込んだ。


子をオンブする北米先住民の女性(南米含め新大陸先住民はオンブの習慣をもつ。写真はYoutube動画を借りてのショット)


« Embarrassé du petit être, il l’introduisit dans son genou, rentra chez lui et se plaignit à sa fille d’avoir contracté un ulcère qui le faisait beaucoup souffrir. La fille essaya d’extraire le plus. À sa grande surprise, un enfant sortit de la plaie »
自宅に戻って娘に潰瘍が腫れて痛くてたまらないと訴え、娘が膨れあがりを切り除くと切り口からなんと幼子がおぎゃーと跳び出てきた。子は泣きやまない。「父親」は名を与えれば泣き止むか、いろいろ名を呼び上げるも一向に止まない。 « Aishilamnash » その意味「体の中に隠された者」が発せられたら泣きを弱め、愛称にAishish(以下イシス)と呼んでやっと泣きを止めた。「父」のもとで育ち立派な若者にイシスは成長した。賭け事に天分を持ち誰にも負けない手練れを発揮し、富たるは人もうらやむ豪華装束を着するに至った。父にも手加減せず、それが元で諍いに発展する。


養父(俗神)Kmukamchとイシスは動物を創造した、特に魚類にはそれらの創造のみならず、漁労を上手く運ぶための簗場を作るなど漁労技術を確立した。
イシスは複数の妻を持つ。妻の一人に義父が懸想しイシスを放逐しようと画策した。 « Il prétendit que des oiseaux nicheraient sur une plante étaient des aigles, et il ordonna à son fils d’aller les capturer après s’être défait de sa tunique, de sa ceinture et de son bandeau frontal. Le héros mis à nu grimpa et ne trouva que des oisillons d’espèce vulgaire »
Kmukamchは鷲が巣を作ったと主張し、よじ登って木の頂点の巣の雛を捕らえよとイシスに命じた。登るさいには上衣(tunique)、ベルトそして額飾りを脱げとも(身軽にならねば、巨木には登れぬとの示唆)。裸のイシスが樹上に見たのはありふれた鳥の巣と価値のない雛だけだった。それら雛を放り投げるやいなや、木がどんどんと生長しイシスはもはや木から下りられないほどの高さになった。

« Kmukamch s’appropria le costume de son fils et prit son apparence physique. Seule la belle-fille qu’il convoitait fut dupe de la supercherie ; les autres le rebutèrent, convaincues qu’il n’était pas leur mari »

根元に脱ぎ捨てられていた イシスの服を着こしめし、顔つき体つきを真似してイシスになりすましたKmukamchは、何食わぬ顔でイシスの妻達に迫った。ただ一人、彼が首っ丈の「可愛い娘」は騙されたが、他の妻らは化け姿を訝しみ夫イシスではないと決めつけた。
樹上で独り、骨と皮だけになったイシスは二匹蝶に救われ快復し、村に戻る。息子が気づいて第一妻、二妻、三妻と続いた。Kmukamchが一瞬も手放す事のないパイプを息子に取り上げさせ、火に投じた。こうしてKmukamchを殺害し、家族は元に戻った。Kmukamchはイシスらに復讐せむと燃えさかるヤニを降らせた。地上は熱で溶けるヤニで被われた、イシスらは小屋に籠もって熱気に耐えた。
村人の全滅、一人彷徨い地上に水をイシスはもたらす。とある山頂に閉じこもりM538神話は終わる。

M538が「裸の男」の基準神話として採り上げられる。

神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介 了 (6月11日)
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365で動画作成のちょいとしたコツ 読み切り(構造主義など出てこない)

2024年06月09日 | 小説
(2024年6月9日) マイクロソフトのオフィス・パワーポイント(365版)を用いて動画を作成するやり方を紹介する。

1 パワーポイントのファイル選ぶ
2 上のコマンド選択のリボンから「記録」をクリック
3 開始するスライドの選択(他の機能が色々と選べるが、不活性機能もあるようなので、例えばカメラ複数指定..など、スライド選択のみにとどめる)
4 画面が替わって、下の部分に開始する動画が写し出される
5 上部の赤い◯をクリックすると動画が開始する
6 カメラ付きのPCであれば画面右下(この位置がデフォルト、四隅に動かせる)また背景をぼかす指定もできる。声を出せば録音される。

部族民はYoutube動画を作成する機会が多い。この機能を知って第一回目の試みが
神話学第4巻「裸の男」イシスの冒険の紹介 1 (2024年6月6日投稿)です。
動画リンク
https://youtu.be/3mfMMYr2FP

Youtubeに入るのは面倒というご多忙紳士淑女は下のスクショを参考にしてください。右下には渡来部のツラ、動画になるとコイツが「英雄が誕生するために近親姦が3回繰り返された...」なんてペラペラと喋り始めるノダ。


大きい画面も入れておく


ではコレがオレの活動の何を改善したかを書くー
1 動画の水平が確保されている。引用した動画以前の部族民動画はPCのスクリーンにパワーポイントを写し、指し棒で文、図に当てながら説明していた。画面が水平にならないしレンズの球面収差が発生してしまう(プロカメラではないから、近接には限界が)。
2 コレを解決するには大型スクリーンをどんとおいて長棒を当てれば解決する。それにはライティングの塩梅、演者の服装、ツラなどにも気を遣う。ヨーするに部屋をスタジオ化して、スタッフを揃えなければ成果は出ない(ライティングはモノを書くより難しい)。ビンボー投稿者(部族民)では解決できない。
3 パワーポイント画質が良い(パワーポイントー>Jpeg―>動画編集ソフト)の画面は上のカメラ経由よりはマシだが、マイクロソフト365の直デジタル化には敵わない。
4 時間の短縮


デスクトップ機はカメラがない。そこでカメラと無線マイクを購入した(ヤフオクなので安かった)

一方で:
1 動画Export(MP4に変換)するに時間がかかる。カメラ付きのラップトップで5分動画を試し作成したが変換に10分以上経過した。そこでより高速のデスクトップで撮影処理することにした。
2 365はサブスク契約。年間諭吉が13枚かかる。この値段をどう評価するかが分かれ目(部族民は365のワードでの他の機能、ディクテーション、ナレーションを重宝するから、ビンボーなれどサブスクを続けている)
最後に;部族民は文科省非公認の教育団体です、マイクロソフトの回し者ではありません。
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神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介 2 殺人オバの捕獲殺害

2024年06月09日 | 小説
(2024年6月9日)L’enfant grandi et soupçonna bientôt quelques mystères. Un oiseau le persuada de tirer en l’air. La fraîche retomba verticalement et sépara les enfants. Le garçon qui n'avait jamais vu l'autre tête, fut tout surpris de trouver une petite fille à ses côtés. Elle lui révéla quelle était sa sœur. Quand ils rentrèrent à la cabane, la grand-mère s’inclina devant le fait accompli.
子は成長した。なにやら奇怪な影姿を疑った。一羽の鳥が。空に向けて矢を放てとけ仕掛けた。垂直に落ちた矢は彼の背にあたり。子供たちを二つに分けた。男の子はちいさな娘の出現に驚いた。今まで決してその頭を見たことがなかったのだ。娘はお前の妹と明かした。2人で村に戻ると。祖母は起きてしまったことに気落ちした。
妹は兄につきまとい質問を浴びせ続ける。 Qui sommes-nous ? Pourquoi n’avons-nous pas ni père ni mère ? Qu’a donc notre grand-mère à pleurer sans cesse ? (42頁) 狩りにも旅にも妹は兄から離れず質問を続けて兄を悩ます 。私たちって誰なの ? 何故、父も母もいないの、おばあちゃんは毎日泣いている、いったい何故?
Interrogeons le soleil, et tirons-lui dessus, s'il ne veut pas répondre. Quand le soleil se leva, ils le questionnèrent, et comme il ne leur prêtait pas attention, la jeune fille lui transperça la joue d'un coup de flèche, faisant une marque noire, toujours visible. L'astre blessé supplia qu'on retirât la flèche et consentit de parler. Il dit que celle qui avait rendu les deux enfants orphelins vivait dans l'eau. Il précisa l'endroit.
妹「太陽に質そう」と兄は返す、しかし太陽は答えない。妹は矢を取って太陽の頬を射た。傷ついた太陽は矢を引き抜くよう妹に懇願し、その傷跡は今も太陽表面に黒い点に残る。やっと太陽が真実を語った。お前達を孤児に貶めた女は今、水中に潜むと。


水鳥アビ(挿絵は本書から)


冬が訪れた、教えられた沼に夜の篝火漁を兄妹は仕掛ける。 « Nuit après nuit ils rapportèrent du poisson et des oiseaux d’eau en quantité. Enfin, ils entendirent le cri de la meurtrière « gocho, gocho gochdo » La grand-mère l’entendit et pressentit qu’un jour, en déchargeant le poisson elle trouverait la tête coupée de sa fille dans le panier » (43頁)
毎夜、魚と水鳥を篭に一杯に満たし二人は戻る。ある夜、殺人者の鳴き声ゴッコゴッコ…を聞いた。あれぞ父母の敵、己等の叔母。水鳥に化けて沼に住む。祖母も鳴き声を耳にした。「篭の魚を取り込みで娘の首を見つけてしまう、そんな日がいずれ来るに違いない」不吉な予兆に苛まれた。Car elle aimait sa fille bien que celle-ci eût exterminé les siens. なぜなら一族すべてを殺したけれど、未だ娘を愛しているから。
二人は叔母、水鳥アビを捕らえて殺した。祖母は懸念ごとが実行されてしまったと気落ちするも、二人を追いかける。竈間の灰に穴を穿って逃げ道としたが、什器の諸々に「誰にも教えてはならぬ」と命じた。しかし錐(alène)には言いつけ漏れてしまった。案の定、祖母の問いつめに錐は逃げ道を教えた。
« Une fois le garçon perdit une flèche et pria sa sœur d’aller la chercher. Elle refusa à moins qu’il ne précisât à sa satisfaction quel était leur lien de parenté. »
兄は矢を林に見失う。妹に探すよう乞う。妹は「私はあなたの誰なの」問いに答えてと切り返す。
« Tu es ma sœur ―Non » 始めの問いかけには「妹だろう」の返事は「Non違うわ」。兄の答に己が納得する言葉が出るまで妹は問い続ける。 « Ma tente, non, ma nièce, non, ma cousine, non… »
叔母、姪、いとこ…返答が続くけれど妹からすぐさまNonが返される。それを口に出すまいと残しておいた間柄、それしかもはや残されない。 « Mon épouse » その答えとは私の伴侶、それを口にしてしまった兄に妹は « Oui » そうよ。以来、 « bien que frère et sœur, ils vécurent comme des époux » 兄妹なれど夫婦として過ごした。
« Leur grand-mère, qui avait prévu cette issue, les poursuivait toujours. En inspectant les cendres de leur foyer abandonné, elle remarqua une dépression causée par le ventre de sa petite fille, elle comprit que celle-ci était enceinte. Elle trouva aussi la peau d'un ours que son petit-fils, maintenant adulte, avait tué, et elle la revêtit »

祖母はこの事態は必定と知っていたから、追いか続ける。打ち捨てられた小屋の灰を調べ、丸いくぼみを見つけた。孫娘が妊娠した証である。そして熊の毛皮も見つけた。成長した孫息子が熊を狩ったのだ。その毛皮をまとって熊に変身しても追う。彼らが遺棄した小屋の竈灰が丸く凹んでいる。身ごもった腹が灰を窪ませた、祖母は孫二人が成るべくして成った証を目の辺りにした。
神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介 2 了(6月9日)
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裸の男L'Homme nu1 のYoutbe投稿の報せ

2024年06月07日 | 小説
(2024年6月7日) 昨日の投稿でブログとYoutubeを並行して投稿する旨、案内した。Youtube動画の案内欄に書き込んだ一文。

レヴィストロースの神話学Mythologiquesは本巻「裸の男」をもって完結します。基準神話はイシスの冒険Le geste de Isis(北米西側山岳地に住むKlamath族などの伝承)となります。4巻全体の基準に位置するM1(~7)火と水の起源、南米ボロロ族伝承、との似通いが(本書)で指摘されています。内容で近親姦、父子の対立、英雄の死と再生など筋道の進行(Codage)で同一。かつスキームSchème (伝えかけ、メッセージ)の共有が挙げられます。
この動画投稿では1 イシス神話の紹介 2 本巻のほか神話との比較、何故に本巻の基準たらしめるかの論証 3️ M1神話との整合性―を述べていくつもりです。まずはイシスの冒険 :   
M538 le geste de Aishishイシスの冒険:あらすじ:姉と弟、きっかけで契りを結ぶが逃げる弟。姉は怒り村に火を放つ...以下は略

Youtube動画アドレスは
https://youtu.be/3mfMMYr2FPY

また部族民通信ホームサイト:
WWW.tribesman.net
に動画プレゼンテーションのポワーポイント資料が(神話学の頁)に掲載されています。


部族民散歩カメラ 夕方の踏切、京王線平山あたり




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神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介 1

2024年06月06日 | 小説
(2024年6月6日) レヴィストロースの神話学Mythologiquesは本巻を持って完結します。この集大成を飾る基準神話はイシスの冒険Le geste de Isis(北米西側山岳地に住むKlamaths、Modoc族などの伝承)となります。4巻全体の基準に位置するM1(~7)火と水の起源、南米ボロロ族伝承、との似通いが(本書)では強く指摘されています。内容では近親姦、父子の対立、英雄の死と再生など筋道の進行(Codage)で同一。かつスキームSchème (伝えかけ、メッセージ)の共有が挙げられます。


本書紹介のスライド、出版年、出版社など。表表紙はデルヴォーが本書刊行に合わせて描いたオリジナル。

裸の男の鳥の巣あらし(部分)

本投稿では1 イシス神話の紹介 2 本巻のほか神話との比較、何故に本巻の基準たらしめるかの論証 3️ M1神話との整合性―を述べていくつもりです。まずはイシスの冒険 :   
M538 Klamath族伝承 le geste de Aishishイシスの冒険(本書42頁)
あらすじ:姉と弟、きっかけで契りを結ぶが逃げる弟。姉は怒り村に火を放つ。焼け死んだ母の胎から引き出された兄妹は、母の死をもたらした火付け犯人は叔母、今は湖底に棲む水鳥アビと教わり、網に捕り殺す。妹は兄に「私は貴方の何」と詰問し、配偶の返答を得て夫婦に結ばれ子イシスを設ける。イシスは雄々しく成長した。義父の策略は樹上の鳥の巣から雛を盗ませる、着衣のままでは登れない、裸になれと命じた。この場面が題名「裸の男L’Homme Nu」の謂れ。義父との諍いは埋まらないまま、それぞれが世界創造に励んだ。
以下、原文も交えたいくつかの情景を楽しんでください。


Modoc族、撮影は20世紀初頭と思われる(ネット採取)

Il y avait une fois une Indienne, mère de plusieurs enfants, dont une fille, pourvue d'une longue chevelure rouge qui épousa quelqu’un du côté. Mais elle revenait souvent dans sa famille, car elle était amoureuse de son plus jeune frère et elle exigeait que ce fut lui qui la raccompagnât. むかしむかし一人のインディアン女がいた。幾人かの子もち。そのうち娘の一人は赤い髪を長く垂らす娘だった。彼女は近隣に嫁いだ、夫を持つ身分にもかかわらず、何かにつけては実家に戻る。狙いは弟であった。末弟の美少年ぶりは近隣に響き渡り、母は滅多なことで外には出さず、家の中でも地下の穴蔵に住まわせていた。
姉が実家にたち寄りすぐに嫁ぎ先に戻る。弟が旅の供となることになった。太陽は中空にかかる、今出立して夕べが暮れる前に戻るが旅程、なればと母は同行を許した。道すがら何故か日がとても早く暮れてしまった、この季節ではもっと遅いはずであるのに(別バージョンでは太陽に早く沈めと姉が脅した)。
一度だけ、野の窪みに二人は宿る。寝入った弟の脇に姉が滑り込む。
Une fois ; ils durent camper en chemin pour la nuit et la femme vint se glisser près de son frère endormi. Il s'éveilla et fut choqué de la trouver contre lui. « Quelle folle ! Vouloir devenir l'épouse de son propre frère ! ». Il se leva sans bruit mit une grosse branche à sa place, et rentra au village.
女は身をすべらし弟は目覚めた。姉を己の上に見て、ただならぬ衝撃を受けた。なんと愚かな行い、血を分けた汝の弟の妻になろうとはとなじる。姉は寝入り、太い幹を身代わりに置き弟は逃げ出した。
村に戻るやつぶさに出来事を語る息子、その一部始終を聞く母は大惨事を予兆しおののく。姉の目覚めは昼下がりとなった(早く隠れろと命じた分、翌日にも太陽周期は速まっていた。太陽周期律を乱したしっぺ返しの罰)。
Le soleil était déjà haut quand la femme se réveilla. Furieuse de se voir abandonnée, elle alluma un immense incendie qui s'étendit et consomma ses frères et leurs épouses, mais non sa mère qu'elle avait voulu épargner. Enfouillant parmi les cendres, la vieille trouva le cadavre de Sturnelle, une de ses brus qui, enceinte, avait pris soin d'abriter son ventre sous un mortier.
女が起きた時には既に太陽は高く登っていた。一人だけ、捨てられたと気付いて怒り狂った。村の建物に火をつけ、それは村中全体が焼かれた。彼女の兄弟、その配偶者も焼け死んだ。母親はなんとか生き残った。母親は灰をかき分け「まきばどり」の遺骸を見つけた。嫁の一人の、妊娠していてその腹を臼の下において腹だけは助かった。
La belle-mère, put extraire deux enfants, un garçon et une fille. Pressentant que celui-ci serait le porterait de sa méchante tante, elle colla les enfants avec de la résine et fit une créature unique à deux têtes et de sexe masculin. Elle recommanda au garçon de ne jamais se pencher pour voir son ombre et de ne jamais tirer une flèche vers le ciel.
母親は遺骸から2人の子を引き出した。男子と女子。男子の顔を見ると、邪な叔母のお気に入りの面影に気付いたので、この子に女の子を張り付けて一人にして二つの頭の醜い男子を作った。そして子には絶対に自分の影を見てはならない、空に向けて矢を放ってはいけないと申しつけた。
神話学第4巻裸の男Homme Nuの紹介 1 了
追:ブログとYoutubeを並行して投稿する計画です。内容に変わりはありません。Youtubeでは部族民(渡来部)の音声解説となります。
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