蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

古賀都議の告発、中国法輪功への臓器狩り 読切り

2020年03月11日 | 小説
渡来部須万男の投稿です。
(2020年3月11日)

東京都議会議員古賀俊昭氏(自民党所属、日野市選出)には3月9日(令和2年、2020年)に永眠なされた。享年72歳、思い出を書きつづり氏のご冥福を祈りたい。


故人には七生養護学校性教育批判裁判(2013年結審)のエピソードが語られる。ネットにおいても多く紹介されているので、渡来部からは一言「審理には負けたが人倫には勝利した」(本人の弁)のみを紹介して、皆様が知らない一面を。

カナダ人権弁護士マタス氏は、中国オルドスの強制収容所で拘束されている法輪功信者に実行されている、「臓器狩り」を告発している。日本の関与も認められるので、世論の啓発を目的に2013年9月に来日した。日本の関与とは「移植技術の研修」「拒否反応の緩和薬剤」に限られる。当事者には善意で協力したのであろうが、これら技術なしには「臓器狩り」は成立しない。善意の協力が法輪功拘束者を死に至らしめる仕組みに組み込まれた事実、さらに一衣帯水の隣国での現在進行形、これほど非道な行為が実践されている。これらを啓発したかった。

東京で講演会を開催する予定が立たない。

受け皿が出なかった。何しろ「生きている若者(法輪功実践者)をオルドスの刑務所から瀋陽軍隊病院に移動させ、生きたままベッドに縛り付け、腹を割いて心臓肝臓腎臓などと狩りとる。扉隔てた隣室に移植希望者がベッドで待つ」を骨子とする講演はあまりにもおぞましく、かつ反中国キャンペーンに結びつくので、国会議員は与党も野党も尻込みした。

市民人権派団体も手を挙げなかった。

古賀都議が受け入れを肝いりした。都議会会議室で開かれた。この講演内容は新唐人テレビ「マタス弁護士訪日報告、今なお続く中国の臓器狩り」表題のビデオがネット観覧出来る(2013年9月4日放映)古賀都議の挨拶では元気な姿を窺え、声も聞こえる。

氏の行動思想を推し量ると、

倫理である。

古賀都議、写真はネット百科から。私は(渡来部)選挙区民なので幾度か話す機会得た。硬骨、実直の正義漢であった。

日本人が家庭、学校でまず受ける教育は「悪いことをしてはいけない」である。悪いこととは何か、他人に迷惑をかけるなに尽きる。法律は悪さを並べ、悪さの重さを刑期にはかるが、市井の人は刑期の長短を必要としない。目の前に起き何かに対し、悪ければ制し良ければ助ける。
まさに古賀議員は目の前の悪さを制する人物だった。

若者が生きたまま解剖され臓器を抜き取られる。悪いのは法輪功を実践した若者か、臓器を取る医師か、それを売りさばいて巨財をなした中国共産党の政権側か。その周囲に蠢く人たちは有罪か無罪か。多くはアメリカ・カナダ人らしいが、「臓器移植を安上がりに」移植ツアーの参加者で若者の肝臓を買った老人は善か悪か。今、事実を見知って沈黙する政治家、人権派は善か悪か。

新唐人テレビのビデオ講演からも知ることが出来るが、これら事実を突きつけられたら、この仕組みを成立させた人物こそが最悪人であると日本人は決めつけられる。移植医師は次の悪かも知れない。しかしそれと知っても知らんふり、さらに中国共産党は悪いコトしないなどとうそぶいて、講演をはねつける団体にはどうであろうか。実行犯ではないから、悪さの度合いは臓器狩り当事者よりは小さかろうが、やはり悪である。彼らにも悪はそれなりに濃くも染みつく。倫理を忘れ、物事を別の尺度で決めてしまう人たちにこびりつく習性こそ、悪の再生産であろう。

妥協を知らず、
失うを畏れず
氏は人倫を貫いた。

投稿する(渡来部須万男)と同年である。「私の世代にはこの一本気を受け継ぐ者がまだいるのだ」。同世代としてかく頼もしかったが昨夕に永眠の報、ご冥福を祈ります。了

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