蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

アンドレヴェイユ親族解析の紹介2Youtube投稿

2022年12月26日 | 小説
(2022年12月29日)部族民通信の動画Youtube投稿の案内。
Youtube 部族民投稿動画。オーストラリア先住民Murngin族の婚姻体系を数学者アンドレ・ヴェイユが解析し、その論文はレヴィストロース著の「親族の基本構造」へ寄稿されています。婚姻数値M(a,b,c,d=前回)をからもうけた子の預け先サブセクションを特定し、その子の「婚姻権」を数値で表します。交叉いとこ同士は婚姻権が同等になるので、交叉いとこ婚が成立します。動画では16枚のスライドを用いて解説しています、長さは10分程度。

動画リンク
https://youtu.be/7cv-FAAAdxA(左アドレスをYoutube検索窓に入れてください。Google検索窓に入れるとToutubeのウエルカムスクリーンお邪魔虫のフル跋扈になって、本動画にアクセスできない)。あるいはYoutube に入って部族民通信を検索してください。
ホームサイトwww.tribesman.net で動画で用いられるプレゼン資料(パワーポイントPDF化)を参照できます。


以下は参考のプレゼン資料の一部。

交叉いとこが成り立つ数式

証明

レヴィストロースは人類学者の視野で論を勧め目に見えない(implicite)4の階層を探し出した。8のサブセクションを全て対等に位置づけ、16回の一般化交換で族民の婚姻制度の典型を作成したヴェイユは、数学者の視野を持つのだと納得した。(部族民通信渡来部須万男)
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Univoque片務性とは?下

2022年12月21日 | 小説
その責務とは何か?
交叉いとこ婚である。婿を受け入れる側はその資格に見合う娘を用意し 、交叉いとこ婚を成就させるーこれが責務であろ婿入りを受けたBは次の交換(BからCへ、さらにCからDへ...)において責務の攻守は入れ替わるが、その様態は受け入れ側の片務 « univoque » である、婿の交換に合わせて責務が移り回る仕組みをとる。かくして交叉いとこ婚が維持される。
さて、
本書「親族の基本構造」を紹介するに当たり、部族民は「交換の不均衡」を喧伝した。それは; 文化の支配下(社会)では «l’individu reçoit toujours plus ce qu’il ne donne, et en même temps, il donne plus ce qu’il ne reçoit » (35頁) 個は常に与えるよりも受け取る。同時に受け取る以上に与える。与えるも貰うも不均等が生じている、これを二重不均等 « double déséquilibre » としている。
レヴィストロースはこの不均衡を安食堂での場面になぞらえた。相席となった見知らぬ者同士がワイン一酌を差し出す。ワインを交換しながらの不均衡を感じつつ、それで場が和む。これが交換の原理と説明した。
この言い分は誤りではないが、対句もどきがヤボったい。その著作の頁数は半ばにしてレヴィストロースが放った言葉の稲妻、乾坤一擲は « univoque » 。効果たるは1一方通行 2不均衡の片務3責務と普遍―を一語にして言い表した。用語選択の卓越さに余人推敲など遥かに超えるレヴィストロースに脱帽。
Univoque余話: « réciproque » は « bi-univoque » の同義語。 « univoque » の反義語ではない。 « équivoque » が正しい反義語となる。辞書を開くと「不明瞭」「一語多義」と説明される。しかし例文が出て来ない。仏語哲学辞典のPufにしてもNathanにしても同じで、この語には誰もが冷たい、頻繁には用いられないからだろう。
部族民が例文に想いを巡らせると「犬そっくり」が« équivoque »を引き起こす。
鰐を指差し「犬そっくり」と部族民が曰う。多く人は反論するし、別の方は脊椎動物だからなと納得するなど反応が分かれる。次にコヤツ、猿を「犬みたい」と云う。毛皮付きだから、とか四足哺乳類だものと納得しても否定が多く、反応は分かれる。解釈、受け止め方に普遍性をもたらさない「犬そっくり」は« équivoque » となる。
では« bi-univoque »とは。
辞書は一言« réciproque »と同義で片付けるのみ、これにも冷たい。正しく邦訳すれば「双片務性」となるので、相互réciproqueとは別概念だが、ここでPuf(Presse Universitaire de Franceフランス大学出版社)に文句をつけてもラチが明かない。ひたすら純粋にこの概念がどのような状況を言い表すのか考えた。
1 M. Madelaineことジャンバルジャンの施し(Les Misérables, ああ無常Victor Hugo)
2 AlissaとJérômeの恋慕(La porte étroite, 狭き門André Gide)
を挙げたい。
1 : 愛娘コゼットを連れてパリ街なかで施しを続けるJeans Valjean。受ける者には1スーでも感謝が湧く。Valjeanは過去の踏み外し(飢えた家族を救うためパン一片を奪った科)の癒やしを感じている。双方に「相互寄りかかり性réciprocité」は探せない。それぞれが自己への問いかけであり、片務のまま代償を求めず独立している。ここに双片務を見つける。


Les Misérables 表紙(ポケット版)、孤児時期のコゼット

2:Alissa、Jérômeともに互いを愛しているが積極行動に踏み込まない。Alissaは「自由」を選びJérômeは「生」を選んだ。小説の最後、Jérômeの手記で「全てを忘れないために独り身で生きる」とJuliette(Alissaの妹)に告白するが、この感情こそ双片務の現れとしたい。
3:♪妻は夫をいたわりつ夫は妻に慕いつつ、夏とはいえど片田舎かぁ~♪三波春夫名月紋太郎ぶし。

Univoque結語:双片務性 « bi-univoque » は自制と献身の賜(19世紀に生きたJeans ValjeanとかJérômeとか見なさい)そして今は21世紀のセチ辛さ。見返りがつきまとう相互 « réciproque » にしか関係性は成立し難い。世の辞書がこの語双片務 « bi-univoque » に冷たいワケは、言葉は残ってもそんな実際、存立しえない時代よと「人の性を」見限っているからに違いないーそう読めた。
« univoque »の了
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Univoque片務性とは何か?上

2022年12月19日 | 小説
(2022年12月19日)親族の基本構造Les structures élémentaires de la parenté 、婚姻制度を説明しているさなかのレヴィストロースが« univoque » なる聞き慣れない語を、突然 といっても当てはまるほど唐突に、持ち出した(207頁)。 « Les paires sont univoques au lieu de d’être réciproques. C’est-à- dire qu’elles unissent seulement les hommes d’une des sections avec les femmes de l’autre section »
訳:対はunivoqueの関係にある、相互的(réciproque)ではない。と云うことは、全セクションの中の1セクションの男は、別のセクションの女を娶とる(その仕組みを安堵している)。
この文節でオーストラリア先住民のMurngin族の嫁交換の仕組み、とくにその運動の様態をレヴィストロースは解説していた。同族は2部に分かれる4のセクションそれぞれが嫁(同族は母系居住、matri-localであるので実際は婿)を順繰りに贈り貰い、この交換運動が族内を周回し、起点になって嫁を贈ったセクションが嫁を貰って一巡が終わる。一のセクションは必ず対峙する相方に嫁を贈り、その相方がさらに奥の相方に贈る。運動は一方向、この流れをしてレヴィストロースは « univoque » と定義し、部族民渡来部は「片務性」と訳した。
この訳は運動として交換を捉えているから、理解しやすいと(勝手に)自負しているのだが、幾分かの「訳しすぎ」的わだかまりも感ずる。辞書を開けばそのような意味は読み取れない。この理由はレヴィストロースが「行為」の意味づけに用いているに対して、辞書では言語の「意味の作用」として捉えているからと推察した。
理屈を探っても意味がわからない。まずは言語としての意味合いをしっかり理解して、次に交換運動での作用を追求せむと感じ入った。


嫁の交換でPaires(対)の下流側に責務が発生する仕組みの図


対は2のセクションの交換。AはBに贈る。対での交換運動は集結する。新たにBがCへ贈る。この運動様態を「片務的」と訳した。対比される語 « Biunivoque » 双片務性、及び反義語 « Equivoque » 不明瞭。これらと合わせこの語義と含意、そして意義と思想…の観点から« univoque »を考えてみよう。
スタンダード辞書では「同義で数個に適用される」とあるが、分からない。別辞書を紐解くと;
Un terme ou un concept appliqué dans le même sens à des choses différentes. Ainsi : « animal », appliqué au poisson et chien ; « chien » appliqué à un boxer et à un setter. 訳:言葉あるいは観念、異なる物事を一つの語で当てはめる。例えば「動物」は魚にも犬にも当たる。「犬」はセッターにもボクサーにも当たる。
仏語では魚も「動物」、魚と犬を切り取る同義は動物となる。2の動物を集合する用い方を « Univoque » とする。もう一つ;
Une relation dans laquelle un terme entraine toujours le même corrélatif ; s’il y a réciprocité la relation est biunivoque. (引用はいずれもDictionnaire de la langue philo. Puf)
一つの語が言い指す相方に常に同じ連関を巻き込む関係。もし相互性(réciproque)が認められれば « bi-univoque » とされる。
Univoque : une relation dans laquelle chaque antécédant détermine un seul conséquent. Lorsque cette relation est réciproque, chaque conséquent n’ayant qu’un seul antécédent, on la dit bi-univoque. (Dictionnaire de philo. Nathan)
上流側が下流側の反応を唯一として決められる関係。下流が、唯一の相方上流に対峙している場合は相互 « bi-univoque » とされる。
3の説明を合体してMurnginの婚姻に応用すると:
1 上流が与え下流が受け取る。
2 上流側には運動に伴う責務は発生しない
3 下流側には決まった責務が発生する。その責務は常に一定している。

その責務とは何か? 続く
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狩人に女はいない 下

2022年12月15日 | 小説
(2022年12月15日)Youtubeの部族民講座で紹介しているMurngin族の婚姻体系において、交換の実体は嫁(婿の場合も)を限定、一般化の様態で贈り貰うのだが、その思想は「財のやり取り」。財には2種あって系統内で承継する財、これは交換に回さない。もう一方は他者に贈って、その他者がまた誰かに贈って...と族内を周回させる「交換財」。これらを族民は峻別している。狩猟採取を生業とするのが部族民の本領であるからに、自然と女が家屋田畑(採取する草原森林)を所有し、男は狩猟する用具と技術、そして族民社会で認めてもらう狩りの権利を所有する。
女が狩猟するとは男が採取すると同様に特異行為と蔑まされる(はずだ)。
これを固定しないと交叉いとこ婚の説明がうまくいかない。「間違いなど犯さない筈」の尊師レヴィストロースも、ここを悔やんで神話学3巻で(鬼が太陽を食らう)同系統の神話を採りあげた際に、erratumの気遣いで「チャリアを女鬼としてしまった」の一文をはさんだのだ。

そこまで考えて:
民族学者を悩ませていた疑問に、物理、理念、摂理の三欠損で女は猟師になれないと部族民(蕃神)が答える。


婚姻制度と財の交換、本年11月25日youtube投稿の説明資料、

1物理。女はひ弱だから狩りに向かない。これは正しい。
獲物を狩るとは。狩るまでの労苦と辛抱は女も勝る。しかし狩りとった獣を前に女は非力だ。皮を剥ぎ、血を抜いて腸抜き四肢を分解する。頭から足先が血と脂にまみれても、夜になっても疲れ果てても、もっこに担いで村に持ち帰る。これは男の仕事だろう。
さらには「月々に流れる血に穢れる身だからからこそ、さらなる汚れの獣血を女が受けてはならぬ」などとご先祖様が御託を並べたかもしれない。

2理念。
狩りは特権である。その権利とは獲物を狩って持ち帰り、満面にドヤを浮かべて女子供らに分配する権利である。これは一子相続、長子に譲られる。娘には絶対に渡されない。肉をハミたければ女は男に、屈強若者に、特に勇猛猛者に身をあずける選択しか残らない。「肉」を喰いたいがために色恋抜きの食欲一本下りの直滑降で、先住民女は、ボロロ女に限らず、男に身をまかした(神話での話)。特権と優越、受容と堪能、これこそが社会安定の秘策であったのだ!

3摂理
狩りは自然界への人の干渉である。獣を殺すは自然への挑戦でしかない。自然は狩人に反撃する。レヴィストロース神話学では「分別ない狩猟、見境なく狩る」「獣が無防備にある夜の狩猟」には懲罰がくだされる。
生き死にの沸騰点に追いつめられる因果の業が男の狩りだ。再生産を担う(子を産む)女を修羅場に押し出す必然はない。


青木繁「海の幸」(国の重要文化財)繁が描いた狩人は海を狩る漁師である。この列に女はいない。海の狩るとは自然への窃盗である。報復を必ず受ける。嵐の海に女は置けない。(実はこの漁師の列には一人だけ女らしき顔が見えている。上図は縮小で見えにくいが、白い丸い女顔が認められる。繁の許嫁の福田たね、との注釈を読んだ)

ここからが部族民(渡来部)のYoutube講座を見て閃いた4番目の理由。これを理由2の追とする。
2-2:狩猟権利は財となる、それは婿に紐付く交換財であろう。先住民多くは母系居住であるから、娘は家に寄りつき、母から家屋田畑を譲り受ける。男が狩猟の道具と「狩猟権利」を携えて婿いりする。財の固定と流動、これが婚姻構造の思想であるのじゃ(蕃神義男)。了(2022年12月15日)


承継財と交換財がいかに流通するかの略図(本図はレヴィストロース著作から)

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狩人に女はいない 上

2022年12月14日 | 小説
(2022年12月14日)なぜ狩人に女はいないのか。長年民族学者を悩ませていた提題に答えをそうと部族民が頭をひねる。
ことの発端、旧友との邂逅、久々の挨拶交わしの合間のひょいとした会話、相手がこう言った「女狩人は存在しない。何故か知るか」。
一般人で普通の、昼働いて夜に寝る人は、そうした仔細事など知りません。相手曰く「謎なのだ、幾世紀、幾十年も民族学者を悩ませていた提題なのだ」とさ。そんな謎もあったのかと当方驚く一方だったが、部族民にしてこの程度すら知らなかったのか、無知さ加減に己の恥を忍んだ(部族民通信を開設する以前だったけど)。
ところで部族民通信のYoutube 講座とかを聞きつまんでいたら、婚姻は財の交換。男が婿入先に持ち込む財は「狩りの技術と狩りの権利」だそうだ、と渡来部が意気がっていた。
そこで、
かつて一文にした「女猟師などいない」に味付けが出来そうだと思いついた。

レヴィストロース著神話学第一巻Le cru et le cuit生と調理から、
神話13 Guarani-Mbya族伝承 l’ogresse Charia 女鬼チャリア(83頁)

L’ogresse Charia trouva des coatis et en tua un. Le héros Kuaray (Soleil) grimpa à un arbre et Charia lui tua une flèche. Soleil freignit d’être mort et déféqua. Charia recueillit les excréments, les enveloppa dans des feuilles de lis et les mit dans sa hotte avec le cadavre, en dessous des coatis. Puis elle alla à la pèche, laissant son panier sur la berge. Soleil en profita pour fuir, après avoir place une pierre au fond de panier.
Charia arrive a sa cabane, ses filles regardent dans la hotte : « Voici le Niakan-rachichan ! et ses excréments ! » Les filles sortent les coatis : « Voici les coatis… une pierre ! et cela, c’est… une pierre » Il n’y avait qu’une pierre en dessous des coatis (Cadogan, p. 80-81)

チャリアは女鬼、狩りに出て鼻クマをしとめた。 木に登った太陽神をめざとく発見、矢を放った。命中、太陽神は落木して屎を垂れた(毒矢で仕留められた猿の症状)。実は太陽神は死に擬しただけ。それと見抜けずChariaは太陽神を籠に取り込み、屎を葉っぱにくるみ詰め込んだ(偉い人の屎は呪いの材料)。帰り際に川に足を止めて漁を試み、籠は岸に置いた。太陽神は仕留められていないから石ころ一つを詰めて逃げ出した。ついでに鼻グマも蘇生させて籠から逃した。巣穴に帰って娘らにチャリアは


図 鼻グマ本書から


「今日は獲物が多いぞ、鼻グマにニアカンラチチャン(太陽神の本名)」
ワーイ、籠に取り巻き子らが中身を引っ張り出した。
「カーちゃん、石ころと屎しかない」
「アレーッ、騙された」女鬼チャリアは迂闊さを悔やんだ、腹ぺらしの子供はましてがっかり。(訳は部族民通信、一部を改編)

神話学第1巻の本神話でChariaを女鬼としたレヴィストロース。第2巻L’Origine des manières de table食事作法の起源にてこのChariaを再び引用した。« Le cadet malhabile devient la proie de l’ogre (et non ogresse, comme nous l’avions écrit dans le Cru et le Cuit), qui le mange sous les regards horrifies… »
(太陽と月の兄弟が、悪霊が独り占めにする釣り針を盗むために魚に変身したーが前段)弟(太陽)はしくじってCharia鬼(男性形)に貪り食われる。ここで« nous l’avions écrit dans le Cru et le Cuit » 生と調理でこの事を迂闊にも(par inadvertance)女鬼と書いてしまったが(男の)鬼ですーとあえて注釈をはさんだ。

Ogresse女鬼と取り違えた背景を推測するとChariaはアラブ語圏では女性名、レヴィストロースのスタッフの一人がアラブ社会に詳しいのだったろうか。慣れ親しんだ名でもあったのか、南米土俗の鬼Chariaを女鬼としてしまったのであろう。しかしヨーロッパ、アジア日本はおろかアフリカにもアメリカにも女狩人は存在しない。女鬼も意地悪婆さんと並んで女の一種である、狩りに勤しむ嗜みなど持つわけがない。そこを見落としたレヴィストロースは、あえて「迂闊だった」と釈明した。迂闊とまで弁明した理由は「女狩人は存在しない」の「民族学的常識」を逸脱してしまったからに違いない。(12月14日 続く)

後記:かつて一文にした「女猟師はいない」は部族民通信HPに掲載されている。
https://tribesman.net/alacartefemmechasse.
あるいはGoogleで「女狩人はいない」を検索

後記2:本文は中京地区に出稼ぎ中の蕃神義男(部族民通信主筆)からの投稿です。

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婚姻の構造主義的解析、Youtube投稿

2022年12月12日 | 小説
(2022年12月12日)部族民通信の動画Youtube投稿の案内。
オーストラリア先住民Murngin族の婚姻体系は「一見しExplicite」全て交換が限定交換(一組が対となって嫁をやり取りする)と判定できる。しかしこれは間違い。部族の全周を巡る、双方向の一般化交換が正しい。これは見えない、隠れる(Implicite、Sous-jacent)思想。それが存立する証明として「この交換の運動則は univoque片務による」を挙げる。
Univoque とはある行動が引き起こす債務が「一方にしか」被さらないーとの意味です。婚姻では嫁を渡す側には債務はない。受け取る側にのみ、片務的に債務が、嫁をもらうという債務が発生する。婚姻制度に見える構造対見えない思想の対峙が認められる。
まさにレヴィストロースの構造主義の視点から複雑系を簡素に(一の言葉で)解析している。そしてこの部はまさに本書の圧巻となっている。

部族民通信ブログhttps://blog.goo.ne.jp/tribesman、
ホームサイトwww.tribesman.net でも動画で用いられるプレゼン資料(パワーポイントPDF化)を参照できます。

動画リンク
https://youtube/hoS8NmhmLwU
(上記アドレスを一旦、Youtubeに入ってから検索窓で展開してください)

以下は参考のプレゼン資料。



これらの対峙関係を理解すれば「親族の基本構造」の読破などヘッチャラ


一般化交換は周回、組、対で嫁を巡らせる。それぞれの運動が片方に「片務」の債務を発生させる。


4セクションを組み替えて、見えない一般化交換を焙り出した。

(部族民通信渡来部須万男)


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Yourube親族の基本構造、第2回投稿、レヴィストロースの解

2022年12月06日 | 小説
(2022年12月6日)部族民通信のyoutube動画投稿はMurngin族の婚姻体系をレヴィストロースが独自解釈で再構成した手順を説明しています。報告者のWarnerらは「嫁交換は限定」「子の交換は一般化」として、高頻度で現れる「たすき掛け」の嫁交換の経路を無視した。レヴィストロースはこの判断に対抗してたすき掛け交換を、水平の交換を補完する経路と位置付けした。部族民(渡来部須万男)はそれに基づいて、Murngin族の婚姻体系を「展開図」で再現した。するとたしかにそれなりに「体系」として成立するのだが、別の問題も発生する。第2回はここまで解説します。 部族民通信ブログhttps://blog.goo.ne.jp/tribesman、ホームサイトwww.tribesman.net でも動画で用いられる資料(パワーポイントPDF化)を参照できます。

この動画リンクは (https://youtu.be)/jXhC5r4xyVA となります。Youtubeに入って( )内をはずして検索すると行き着きます(検索の筆頭は関係のない動画、2番めに本動画、3番目以降も関係のない動画が出てきます。これがYoutubeのアルゴリズムかと感心します)

また動画で用いられるパワーポイント図(PDF化している)20数葉は部族民通信のホームサイト、

www.tribesman.jp に掲載されています。こちらもぜひご訪問してください。

参考にスライド数葉を



Warnerらはたすき掛けの嫁交換を否定した


レヴィストロースはたすき掛けの嫁交換も組み入れた婚姻体系を主張する。それはこの2の交換経路を融合する。


その通りになった。しかしここには問題が。

レヴィストロース説の問題とはなにか、よろしく御推察ください(以上部族民、渡来部須万男)
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レヴィストロース親族の基本構造、Murnginの婚姻、Youtube投稿

2022年12月01日 | 小説
(2022年12月1日)表題のMurngin族はオーストラリア北部アーネムランドに居住する(していた)先住民(アボリジニ)です。部族全体は8の小支族に分かれ、2の小支族が4の支族を形成し、2の支族が半族(moitié)としてまとまります。それぞれの段階が婚姻制度の規制を受けます。例えば支族間で婚姻を結ぶには対峙する支族の特定の小支族から嫁を貰う、設けた子は同一半族の対峙する支族の特定小支族に与えるなど。Warnerらは「嫁交換は限定」「子の交換は一般化」と報告しました。これが議論の発端です。次回以降、レヴィストロースの見解とヴェイユ(数学者)の婚姻数式化に紹介を広げます。
動画投稿にあたり26葉のスライドを新規作成した。一部をここに貼り付けます。


今回の連載動画の表頁です。


親族と婚姻の体系


嫁の限定交換、子の一般化交換が表されている。
本動画のアドレスは:
https://youtu.be/Q7bk3XRnvW0
Youtubeに入って、上記アドレス(Q以降のみでもOK)を検索窓にコピペすると閲覧できる。

ホームサイト www.tribesman.net
でも動画で用いられる資料(パワーポイントPDF化)を参照できます。(部族民・渡来部須万男)
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