めったにないことだが、デパートや大型ショッピングセンターに連れていってもらうことがある。まず気になるのは、祖母―母ー娘の3代の密着型である。この母のところが、他家から来た嫁の場合と、実の娘という形である。祖母の特徴ある顔が、3代にわたり継承されている例は、たまに見かけるが、これは極少数である。祖母といっても、愚妻もそうであるが高齢者の運転免許書き換えレースに参加しているが、勤労経験、社会経験が豊かである。大体、県立高校を昭和20年代に経験している。運転免許の更新を通じ、県民動態が悉皆調査できるので、ここは大きな注目点である。僕を含め祖父を伴う3世代型の買い物客は少ない。極めてまれに、孝行息子が父を車いすに乗せてきておられるが、それは、「障がい者」用のパーキングの優先権があるという要素もある。最近、富山の小学女子が全国水準でみてもオシャレな子が多いのである。ここでは、祖母の価値観が否定され、「総曲輪コレクション」時代に移っている。祖父から祖母へ、母から娘へと主導権が移行した結果、富山の人文の景色が大いに変化しはじめている。その変化と中心市街地の活性化とに繋がらないのは、駐車場の料金の壁である。富山市の場合、贈答となると高級なお線香を含めデパートの優位性は崩れない。ここは祖母の矜持の領域である。子供たちは、同級生との横並びを好む。だから、子供が好みの靴をデパートで買うのはごく少数である。そこは、郊外の大型ショッピングセンターのスポーツ用品店の得意とするところである。靴は、本人の足との相性がすべてないので、個人の靴の非互換性を注目すれば、どこで靴を買うのか、そこから富山県の全世代の消費行動が見えてくる。行動経済学と経営学との隣接領域の事例である。
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