首相の経験者のうち、やはり、一番に賢いのは、福田康夫さんである。日本の政治家の生命線は、アメリカ、中国、ロシア、イギリス、ドイツ、フランスとの距離感である。言い換えると、世界史の認識である。日本の国益は、2000年このかた中国との関係性に左右される。尾張藩の藩主は、1600年代、隣国の清朝の皇帝の実録を転写し、隣国の歴史を研究していた。徳川幕府は、中国の地方史の典籍を長崎から非常に多く買い上げていた。それは、台湾に鄭成功という反清朝の政権があり、琉球王国と徳川幕府との外交関係が存在したからである。また、朝鮮半島の李氏朝鮮とも外交をしていた。この近隣外交において、首相の経験者が果たす役割を一番によく理解し、行動し、相手国からも信頼されるのは好ましい。いくつかの情報源から割り出すと、福田康夫さんがベストの立ち位置におられるようだ。政治遺産は、福田赳夫さんが台湾派でありながら、大平さんとともに中国との国交回復に寄与したからだ。田中角栄さんも評価されているが、子孫のレベルが低い。結局、在日の華人・華僑の見るところ、福田さんのところに信望が集まったようだ。それと、中国人の日本留学生のOBの数では、早稲田大学OBが最も多く、早稲田大学は中国全土に同窓会支部を持ち、チャイナージャパンのビジネス・ネットワークを完成させている。福田さんには、早稲田という軸で、中国人社会に大きな繋がりがある。同じ早稲田出身の元首相もいるが、中国人から人類普遍の価値観があるかどうか、試されている。
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