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青山繁晴氏の中国経済崩壊論は、「正しい間違い」

2016年08月06日 | Weblog

TMA講師代表:個人研究 中国経済が危機的な水準にあるという現状に認識は「正しい」。しかし、青山参議院議員の、「中国経済は、今年中に大崩壊」するという予想は、「間違い」である。彼のネタ元である共同通信社の内部からの情報である。中国経済が危機的な水準だとする現状に認識には間違いがない。問題は、それを切り抜ける方策の読みが見えないから、大崩壊という短絡した予想に繋がる。大崩壊させたら、世界経済には債券のデフォルトが蔓延し、世界恐慌になるから、人民元を適当な水準に切り下げ、そこで、人民元の一部をIMFのSDR建て債券で裏打ちさせる方策が軌道に乗っている。それが、9月に杭州で開かれるG20であり、IMFの世界総会である。青山繁晴氏の愛国心にはいたく敬服するが、金融財政経済の読みは浅い。宏池会からの勧誘を断られたようだが、経済学の基礎教養を高めるため、自説とは異なる別の見方を勉強しないと、騒がしい人物にしか見えない。後世に語り継がれる参議院議員になるには、IMFの次元の勉強が期待される。今は、近畿大学経済学部で教壇に立たれているから、このブログでいう「和歌山勢」の隆盛の一翼におられるので、敬意は表しておきたい。

 中国企業は、日本のマイナス金利を利用し、生産設備の改善を図らない限り、現在の労働賃金に見合う生産性は確保できない。そこを踏み込んで、日本が投資を促すには、反日の歴史認識と中国共産党の存在意義とが倫理的道義的に不可分である。だから、中国共産党が、1905年日本の東京で発足した中国同盟会に起源することを押さえ、歴史を書き直す約束を引き出すことである。

 共存共栄の日中の歴史に書き換えないならば、目先の経済のために妥協するべきではない。その意味では、青山氏の心情は「正しい」が、出口の探りかたにおける理知に「間違い」がある。今は、間違っていても正しい方策が必要なのだから。その意味で、出口が間違いならば、結果の予想も「ざまーみろ」とならざるを得ない。動機が正しいが、結果の予想が狂うと、扇情にしかならない。円高の傾向と、元安の傾向が重なると、日本の中国からの輸入は、価格が叩きやすくなり、先進技術は高く売ることができる。中国経済を殺さず、資源や原材料、中間加工品を安く輸入し、日本が先進技術を高い価格水準に据え置くポジションが、富山県の産業には有利だといえる。

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