富山マネジメント・アカデミー

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吉本興行さんが、国民世論の形成に貢献

2019年05月13日 | Weblog

松竹に比べると、吉本は社会的に一段低い、演劇興行の企業と思われてきた。たしかに、笑劇の世界では、藤山寛美の松竹新喜劇と比べると、吉本新喜劇は芝居もマイナーであった。ところが、配下の漫才師が、大阪府知事や、国会議員に当選するようになってから、吉本と大衆政治との結合がおこった。さらに、TV界では、番組制作コストを抑えるために、時間給の低い吉本芸人を大量に必要とするにいたった。特に面白いのは、NHKの教育系のチャンネルがこの流れに乗ったために、いまや、どのチャンネルでも、吉本が主流を形成し、同時に、群小のプロダクションからの芸人を補充している。さて、吉本新喜劇は、吉本の芸人の全てではない。それは、藤山寛美の松竹新喜劇は、天才といわれる芸人の個人技から成り立っている。それに対し、吉本新喜劇は、演劇芸人としては、知的な高揚感とは全く反対の、素人との差異を余り感じさせない「芸」といえない「芸風」を基調とする。禿、デブ、チビ、不細工、小町娘、町のワルモン、・・・深い人情噺のようで、軽いコント、いわれてみるとアマのようで、プロの芸といえないナンセンス・ギャグ。では、なぜ安倍総理が、あまり不自然ではなく、吉本新喜劇の芝居の進行に融和できたのか。安倍さんも、芝居くさい芝居ができる役者であるからだ。これに対し、首相としての品性を欠くとか、演劇界において吉本新喜劇を最下層とする議論だとか、富山から見ていて、首都圏の反応が、真面目なバカの反応が面白かった。自由民主党にとり、大阪支部が共産党と共闘して「維新」に対抗し、選挙で大敗したことは、極めて深刻であった。そのような空気のなか、党首としては、大阪の民衆感情として、責任者出てこい、という声に答え、G20の開催地としての協力を要請する舞台として、難波花月を選んだわけである。

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