中国の習近平が動かせる人材は、8900万人。トランプ政権が動かせる人材は、共和党内でも少数。民主党は、全て非協力。支持層に中国問題を打開する専門家はいない。ただ、アメリカはソ連との対抗上で、中国とロシアとを対立・分裂するキッシンジャー戦略で動いてきたが、それに代わる大戦略がない。民主党は、中国との新しい対抗関係を創らずに、チャイメリカンの協調を選んだ。その結果、中国が世界の覇権を握る動きが加速した。この中国が世界第一位の指導国家となることに、異議を唱えたのがトランプ政権である。しかし、経済人はチャイメリカンの持続を望んでいる。この複雑な、激変の要因を孕んだ情勢に対し、安倍政権は微妙にかじ取りをして、日本の国家戦略として、軍事的にはアメリカとの同盟、産業貿易的には、中国との協調と国際分業という産業基盤を重視してきた。中国は、NY金融街には、寧波幇という強力なパートナーをもち、ドル高に協力することで、元と日本円を安くすることに成功した。ドル高、円元安では、アメリカには貿易戦争に勝利できる条件はない。日本円は金利が安く、長期に貸し出せるので、円元が米ドルで安く買えるので、世界に通貨は、ひとまず米ドルの利上げに呼応し、ドル建ての金融商品を買い、それを担保として、円元を借りるというマネーフローが出来上がる。これは、チャイジャパンの流れである。ファーガスン教授は、日本経済を理解できていないので、判断に狂いが生じる。これは、東京の学者も、中国―日本の通商経済の分析に弱いので、東京が北京をうまく誘導していることが見えていない。実は、アメリカは脳力の限界に来ている。ドル安へ政府が誘導すれば、貿易戦争は勝てるのに、目先の利に乗り、自己愛は自己崩壊だと気がついていない。
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