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孫春蘭国務院副総理が、李克強に委任され湖北省黄岡市で陣頭指揮【修正】

2020年02月09日 | Weblog

僕の調べが足りなかったので、孫春蘭さんの資料を補足しておきたい。すでに、李克強が中共中央と国務院を代表して、現地で疫病との戦闘を宣言したが、その時、すでに孫春蘭(国務院副総理)は随行し、そのまま湖北省黄岡市に滞在し、新型ウイルス対策の陣頭指揮をとっている。党内での地位は、政治局委員、すでに中共中央の中央統一戦線部長を経験しており、政務では、エイズ対策の国際会議を主宰するなど、国務院の副総理として健康・保健・体育系の任務を分担している。彼女の出身は、中華全国総工会という中国労働運動の主流の組織で、毛沢東路線とは違い、劉少奇などの右派系の路線に立つ。「知台派」と称され統一戦線部長の経歴から見て、中共とは別の少数政党との接点は深い。人民代表大会系統ではなく、少数政党との統一戦線を維持する政治協商会議の系統とみてもよい。中国の保健医療の世界では、西洋医学派、漢方医学派との対立があり、しかも、医療関係者の社会的な地位は、「医生」と呼ばれ、文官官僚や軍人よりも低い。そのため、中共党員よりも、医療関係者は少数政党に属し、しかも、赤十字にあたる「中国紅十字」は、少数政党系の牙城である。今回、特に疫病対策のなかで、武漢市の少数政党系の組織が、党派の違いで、金銭や医療物資の配分を巡り紛争し、大混乱を拡大する悪役を果してきた。そうした状況を押さえると、湖北省の中共の党組織の外側にある「非党員」をも束ねて、疫病対策に一致団結させるには、極めて重要な役割を果す可能性がある。また、中国の東京五輪の支援促進の担当大臣である。東京都の小池知事が過剰な対中支援を宣言するのも、故無しとはしない。孫春蘭の仕事は、東京五輪の成功と密接に絡んでおり、日本の外務省などの中国滞在の官僚群の中国国務院のみならず中共中央へのソフトな外交は、大いに光っている。


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