レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランドのシロクマよりも、サ...サッポロのクマがコワイ!

2018-07-15 03:00:00 | 日記
七月の半ば、相も変わらず梅雨のような夏を送っているレイキャビクです。毎年のことなのですが(つまり気象学的に理由のあることなのでしょうが)アイスランド東部の地方では快晴で、気温も二十度近くまで上がることがあります。季節限定で恨めしく、いや羨ましくなる東部です。

これは毎年のことではないのですが、やはりこの時期にニュースになる(ことがある)トピックがあります。白熊です。いやシロクマと言う方がはやりか?シロクマがアイスランドの土地に現れることがあるのです、この時期に。

シロクマは、日本では最近学術的な省みからか「北極熊」といいますよね、動物園とかでは。絶滅危惧種には指定されていないようですが、それでも「保護が重要」ということを良く耳にします。ウィキによると、子熊の二頭に一頭しか生存できないのだそうです。あれほど大きい哺乳類にしては?という感じがしますよね。

ちなみにアイスランドでは、この北極熊のことをHvitabjorn(文字通り「白熊」)あるいはIsbjorn(氷熊)と呼びます。Isbjornの方が普通かな?という気がします。

もともとアイスランドには生息しておらず、自然に生息しているのは北極圏を持つ、カナダ、アメリカ(アラスカ)、ロシア、ノルウェー、デンマーク(グリーンランド)だけとのこと。

それがなぜアイスランドに現れるのか?流氷に乗って漂着するのです。夏になると、グリーンランド方面の巨大な氷河が解け崩れて分散し、無数の小さな(それでも巨大な塊もあるようですが)塊となって流れ出します。その上に取り残されるシロクマもあるのだそうです。




グリーンランドの海岸に迫る巨大な氷塊 CGではありません 今、進行中のことです
Myndin er ur Visir.is


そしてそれらの氷塊がアイスランド近海に漂着すると、お腹を空かせたシロクマが陸地に向かって泳いでくるのです。

当然、シロクマが出現する可能性が高いのはアイスランド北部の海岸線になります。これらの地域は人口密集地帯ではありませんので、シロクマが人知れずに入国している可能性は常に存在しています。それで、シロクマ目撃情報がもたらされると警報が出され大騒ぎになるわけです。

その警報が今月の九日に出されました。シロクマが目撃されたとされる場所はアイスランドの北東部にあるHraunhafnavatnフロインハフナヴァトンという湖の南。地図で言うと、島の右上の出っ張ったところの一番先っぽです。

そこでその日から国境警備隊のヘリコプターも動員されて「シロクマ探し」が始まりました。しかし、目撃地点を中心とした広範な地域を捜索してもシロクマは発見されません。

で、目撃者にもう一度話しが確認されたようです。この目撃者というのは二人の外国人。ひとりはマダガスカルの人で、もうひとりはイラン人。アイスランドに住んでいる人か、ツーリストであるかは新聞記事には明記されていません。

この二人はその湖で釣りをしていたそうなのですが、およそ4キロメートルくらい離れたところの川で、「白く大きな動物が水を飲んでいた」のを見たのだそうです。二人とも「シロクマ」と断定できたわけではないようで。

「確かとは思わなかったけれど、もしあれが羊だったとしたら、この世でもっともでかく恐ろしい様相のヒツジだったと言わなくては...」とマダガスカル人の目撃者。今回はどうやらFalse alarmだったようです。





2008年に上陸したシロクマくん
Myndin er ur Visir.is


さて、先ほど書きましたように、シロクマは毎年やって来るわけではありません。ざっとネットで昔のニュースを検索したのですが、過去十年間で2008年、2011年、2016年に出現したというニュースが見つかりました。実際はこれよりもう少し多いかもです。私の記憶によれば、ですが。

いつだったか、運悪く?アイスランドに来てしまったシロクマくんをハンターが射殺。死骸となったシロクマをハンターが得意げに掲げる写真が新聞に掲載され世界中のヒンシュクを買ったのを覚えています。

その同じ年だったか、翌年だったか。また運悪く足を踏み入れてしまったシロクマくんがありました。その時は、わざわざデンマークから専門家が呼ばれて、檻に生け捕りにする作戦が組まれました。

いろいろやったようですが、結局作戦失敗。またしてもシロクマくんはハンターの餌食となってしいました。でもその時は「人に危害を加える恐れがあった」という説明に世間も納得。特にクレームはなかったと記憶しています。

2016年にやって来たシロクマくんは、やはり狙撃され、またしても世間から対処の仕方に批判が出されました。このニュースを私はまったく覚えていません。二年前の7月16日。そうですね、仕事で忙しい時期でした。





2016年上陸のシロクマくんの運命 「悪い時に悪い場所」でしょうか?
Myndin er ur DV.is


ところで、北部に現れるシロクマくんのことを書いている私は、実は別になんの恐怖も感じずに書いています。レイキャビクで偶然シロクマに遭遇することなど「あり得ないよ」だからです。ヒトゴトか?(^-^;

ワタシが最後に目にしたシロクマくんは、夏のクソ暑い日に狭い囲いの中でせわしなく歩き回っている上野動物園のシロクマくんでした。ちょっと可哀想でしたよ。飼育係の方からもらった大きな氷の塊を嬉しそうに?かじっていました。

ですが、私がまったく「クマ」に恐れを持たないか?というとそうでもありません。でもそれは日本に帰省した時なのです。

近年の日本での熊による被害は相当なものがありますよね。人が命を落とすような事件もあるようですし。餌が不足しているためか、人里にまで熊が恐れず接近するとか。

私は帰省先は札幌の南区の方にあります。地下鉄の真駒内駅から二十分ほど、さらに徒歩で歩くのがいつものこととなっています。ちょっとローカルな話しになって恐縮ですが、札幌市の南区は南西部が山に隣接していて、その辺りは結構な田舎です。

私はいつも地下鉄南北線の終点、真駒内駅を降りると、駅近くの真駒内中学校の前を通り過ぎます。なぜわざわざそれを書くかというと、この中学校こそ、なでしこJapanがW杯を制した時、決勝のPKを決めた熊谷紗希さんの母校だからです。

それはともかく、そこから幅五メートルほどの道路が、中央の分離地帯を隔てて二本並ぶ並木道を行きます。昼間でも人通りや、車の通行さえ、決して頻繁ではありません。札幌はのんびりしているのです。

さて、四、五年前ですか、真駒内駅の前の市街地をクマが闊歩している映像が、街の監視カメラに写っていました。もちろん人のいない早朝の時間でした。その翌日あたりに、私がいつも歩く並木道沿いにある小学校前の、雑木林でクマが目撃されました。

さらに、その前だったか、後だったか、その目撃地点から三百メートルくらい先の、川のほとりでクマが鮭を食べていたという目撃も。いや、これは駅前に出現するよりも前のことか?

いずれにしても、ワタシはこの並木道を歩く時には、いつもクマのことを考えます。「もし、ここでクマに遭遇したらどのように逃げるか?」を何度もシミュレーションして歩きましたが、いずれも「御愁傷様です」でエンディング。

この並木道を歩く時には「クマちゃん」でも「クマくん」でもありません。「クマ=猛獣=恐怖」なのです。できることならハンターの護衛付きで歩きたい。

と、これを書いていながらネットでニュースを発見!! なんと昨日の木曜日(これを書いているのは金曜日)の夜九時頃に、真駒内の市街地にクマが出たとか。あの真駒内アリーナの近くのようです。ちょっと女の子との夜のそぞろ歩きもできないですねぇ。

真駒内の住民の皆さん、あなた方は勇気ある人たちです。でもクマには注意して過ごしてください!! お願いします!! m(_ _)m


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
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