レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

立派なオトナのファンとそうでないワタシ

2018-06-24 03:00:00 | 日記
サッカーのW杯で賑わっています。前回一行だけ書き込みましたように、アイスランド代表は初戦で強豪アルゼンチンと対戦。健闘して引き分けに持ち込みました。これで国中のムードがさらにヒートアップしています。

これを書いているのは金曜日の午後なのですが(仕事の合間)午後三時から対ナイジェリア戦があります。勝ってほしいものです。(*アイスランドはナイジェリアにまさかの0ー2で完敗。乾杯したくなるほどの完敗で、国民総ガックリとなりました。これで最後の望みはアルゼンチンがナイジェリアに僅差で勝ち、アイスランドがクロアチアに大差で勝つこととなってしまいました)

加えて我らがニシノ日本も、コロンビアを公式戦では初めて破り、大いに盛り上がっていますよね。こちらの小さな日本人社会でも盛り上がっています。って、少なくとも私の周囲では。




ナイジェリア戦の先発イレブン
-Myndin er ur @footballiceland-


オリンピックやW杯で、毎回ファンに影響するのは時差ですよね。今回のロシアはアイスランドよりも三時間先行しています。ですから、それほど大きな時差ではないのですが、逆に昼間の試合は普通の意味での「オフィスアワー」に引っかかっています。

予選の第一・二試合は、お昼の正午、午後三時、夕方六時の三試合で組まれています。二つの試合が重なって行われることはありません。予選の第三試合だけは、同じ組の二試合は同時間に行われます。先に一方の試合の結果が出てしまうと、もう一方の試合のチームに有利不利の関係が生じてしまうことがありますからね。

ともかく、このゲームの時間帯では、見たい試合がある人は、仕事と時間のやりくりをしなくてはなりません。私などはわりと時間の融通がきく仕事なので、その点は楽しています。

ですが「必ず」というわけでもありません。事実アイスランドxアルゼンチン戦は、ちょうど同じ時間に日本人ツーリストのカップルの方の、極めてプライベートな挙式がありましたので、試合の大半は観ることができませんでした。まあ、それは仕事ですので、仕方ありません。

アルゼンチン戦は土曜日の午後一時からでした。「だったら休日だしアイスランドの人は皆観戦できただろう」と思われる方もありましょう。ですが、土曜日に仕事をしている人もいます。お店一般はそうでしょう。あと病院、警察関係とかもシフトで働いている人がいますね。

で、ここがアイスランドのアイスランドたるところなのですが、土曜日は「試合のため午後は閉店します」というのがほとんどだった、とニュースでやっていました。ワオ! ワタシャ、閉店しなかったゾ!

実際、今日、金曜日の午後三時の対ナイジェリア戦にしても、郵便局などまで「試合のため午後一時半で業務を終了します」と、早引けがホームページで「宣言」されていました。息子に「お前の会社はどうなるの?」と訊いたところ「一時間くらい前に終わるって」ということ。

そういう国家総動員体制で臨むのが、W杯でのアイスランドの試合です。初戦アルゼンチン戦の試合後は、「アイスランド人の99,6%が試合を観た」というニュースが流れました。アイスランドチームのキャプテン、アーロン・エイナルさんは記者会見でこのことを知らされ「残りの0,4%の人たちが何をしていたのか気になりますね。眠っていたのではなければいいですが」

もちろん彼がこういうのは、国丸ごとの支援を感謝しているからで、「私たちだけのためにプレーしているわけではありません。『私たちの人々』のためにもプレーしているわけですから、みんなにフィールドの上にいるような気になって欲しいです」とキャプテンらしいコメント。

ただ、この「99,6%」に関しては、私は多少「?」感があります。テレビの視聴率というのをどうやって測るのか詳しくは知りませんが、先に書きましたように、私は試合を後半途中まで観ることができませんでした。

それに式のあった教会に行く途中で驚いたのですが、かなりの車が走っていたのです。実は私は「通りはゴーストタウンのように静かだろう」と想像して自宅を出ていたのです。

二年前のヨーロッパカップで、アイスランドとフランスの準決勝戦の時は、そのようにゴーストタウン化していたのを覚えていたからです。「え?なんで、こんなに車があるの?みんな試合観ないでいいの?」という気がしました。

おまけに、途中では道路補修のために二、三十人の人が作業をしていましたし。まあ、彼らの多くは外国人労働者かもしれませんが。




インゴウルブスヒリバでのパブリック・ビュー 前回の大会から
-Nyndin er ur Mbl.is-


さて、日本と同じく、楽しく観戦応援するために「パブリック・ビュー」なるもがこちらでも行われるようになってきました。皆で集まって大画面で観戦する、アレですね。

レイキャビクのダウンタウンのインゴウルブルス広場では、大きなスクリーンが設置され、W杯の全試合を中継しています。私がちらっと前を通った際はポルトガル–モロッコ戦をやっていました。

ですが、アイスランドの試合となると、もっと広い場所でないと収まりきれないでしょう。ダウンタウンから少しのところにあるフリョームスヴェイトガルズル(音楽隊公園)でも、今日のナイジェリア戦のパブリック・ビューがあるとアナウンスされています。

他にもここそこでレストランやホテルがパブリック・ビューを提供しているようです。

ちょっとこの関連で言いますと、日本の第三戦はポーランドですね。アイスランドにいる移民の最大グループはポーランド人です。全体で36000人弱の移民のうち、14000人ほどがポーランド人ですので、移民の三分の一以上はポーランドから来ているわけです。

そのポーランドの大使館が、日本x ポーランド戦のパブリック・ビューを、ダウンタウンの「ビオ・パラディース」という映画館で開催するというのです。日本人もちゃんと招待されています。

何人かの日本人の友だちは誘い合って行くようです。私も誘われていますが、遠慮しようと考えています。なぜならば、ワタシは「敵と仲良く肩を組みながら観戦」ができるほどオトナではないからでした。(^-^;

ポーランド人が圧倒的多数であろうところへ出ていって、万が一点でも入れられたりしようものなら、「このー!!」とワタシの中のハルクが出てくるかもしれません。

でも、私のハルクは悪いことは何もしませんから、念のため。こういうことを気楽に書いていて、「ネットでテロを予告」とか間に受けられてしまうことがあるようですから。表現には気をつけないと。

日本xコロンビア戦を観ていて、日本人とコロンビア人(と思われる人)が仲良く笑顔で観戦しているシーンがありました。ああいうのがスポーツ観戦の正解なのでしょう。世界にはエライ人もいます。

さらに試合後、恒例?となった日本人サポーターの人たちの、会場のゴミ拾いの様子を外国人の人がヴィデオに撮ってFacebookに投稿したものを拝見しました。このサポーターの皆さんも大したものです。日本の良いイメージを世界に広めてくれています。最敬礼。

というわけで、門前の小僧のワタシは、世界のそこここにいらっしゃる立派なオトナの日本人の皆さんの爪の垢でも煎じていただくことにしましょう。

ガンバレNippon!! Afram Island!!


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
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