レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ゴーザン ダイインと「ごきげんよう」

2019-11-24 00:00:00 | 日記
十一月の最終週に入ります。教会のカレンダーでは「年末」になります。教会の暦は「待降節」(アドベント)という期間から始まります。十二月のクリスマスに向かって準備をする期間なのですが、これが毎年十一月の終わりか十二月の始めに始まるのです。

今年は一昨年、昨年に続いて、またアドベントの始まりは十二月になりました。三年連続。おととし2017年は12月24日が日曜日で、アドベントが最も短くなる、という状況でした。来年からはまた、アドベントは十一月に戻ります(はずです (^-^;)。

日曜日が三回しかないアドヴェント?




本文とは無関係ですが、先日見られた大きなダブルのレインボー


さて今回は、またアイスランド語の関連のお話しです。始めにお断りしておきますが、もしかしたら同じ内容のことを過去に書いているかもしれません。老化が進むワタシの頭脳は、過去の記憶が日に日に曖昧になっていきます。いや、頭脳そのものは昔から曖昧だったかな...?

「年寄りは物忘れをする」という定説は本当だろうと思います。私は、特に同じことを繰り返すような状況で「言った?言わない?」ということが多くなってきました。

教会での集会でのお話し(説教)でもよくあるのです。週に三回くらい違う場所でお話しをしていると、どこの集会でどのお話しをしたか、混乱してきたりして。最近はメモで記録を取るようにしています。

ブログもある意味、同じ作業を続けていくものですから、時に「これ、言ったかな?」と思うことがあります。ですが書いたか書いていないか、全部を調べてチェックするのはなかなか難しいのです。

そういうわけですから、繰り返しになっていたとしても高齢者介護の精神で大目に見てやってください。

さて、アイスランド語です。語学の学習書というのは、だいたい皆そうだと思うのですが、第一課は「挨拶」で始まりますよね?“Good morning Ms. Reagan. How are you today?” とか。いきなり“Hi, Erin, are you lonesome tonight?” とか始まるのはないだろうと思います。

私もいくつもアイスランド語の入門書は読んだり見たりしてきました。スウェーデン語やデンマーク語の入門書も何冊も持っています。だいたい挨拶から始まります。

ちなみに白水社のエクスプレス・アイスランド語とかいう入門書を昔使ったことがあるのですが、そのシリーズのスウェーデン語や、デンマーク語は全部同じ内容をそれぞれの言語に置き換えたものでしたね。(*^^*) 別に悪いことではないのでしょうが。




ペルシャ語の入門書もやはり「挨拶」から


とにかく、アイスランド語に関心のある方が始めに習う言葉のひとつは、間違いなくGodan daginnゴーザン・ダイインだろうと思います。「おはようございます」と「こんにちは」の兼用の挨拶で、日中を通してこの言葉を使います。

ところが、実際にこちらで生活している中で学んだことは、Godan daginnは決してオールマイティの挨拶語ではないということです。

Godan daginn という挨拶がどういう状況で使われるか?ということを私なりの観察に基づいて説明してみたいと思います。あくまでも私の経験からの推論です。

第一は、知り合いではない人に対して挨拶する時。だからスーパーのレジ係の人とかと交わす挨拶はGodan daginnとなります。散歩中にすれ違ったおじいさんとかに挨拶するのもGodan daginn。

第二は、不特定多数の人に対して挨拶する時。例えば、何かの用事で会社とかのオフィスに入っていくような場合。中にいる複数の人たちにまとめて挨拶するような状況の時です。ラジオのアナウンサーとかの挨拶も同じですね。

第三は、話者が外国人の場合で、ともかく「『こんにちは』はGodan daginnだ」と頭にインプットされてしまっている場合です。別にバカにしてるわけではなくて、移民の挨拶言葉はGodan daginnが多いと見受けられます。だって、そう習ったんだから、仕方ないでしょ。

ここまで読んでこられると「では、アイスランド人は既知の中の人にはなんと挨拶するのだ?」と思われることでしょう。既知の人、友だちや職場に顔を出した時などには、普通はSaell サイットゥル(男性に対して)、Saelサイル(女性に対して)と言います。男女混合している場合にもSaelサイルが使われます。

Saellというのは、Sに続く文字が本当はAとEが合体した一文字なのですが、多分このブログでは文字化けしてしまうと思うので、トランスクリプションの規則に従ってAEと書いておきます。

ついでですが、Godann のDもアイスランド特有の文字なのですが、ここではDを代用しています。せっかくですので、アイスランド語のアルファベット表を写真の形でお見せしておきましょう。




アイスランド語のアルファベット 英語にはない文字、英語にはあるのにない文字もあります
Myndin er ur Ja.is


さて、Saellは実は形容詞で、「幸せな」とか「機嫌が良い」とかハッピーな状況を表す言葉です。挨拶語のsaell をきちんと文にするとVertu saell ヴェルチュ サイットゥルとかVertu sael ヴェルチュ サイルとなります。きちんと挨拶をする必要がある時はこう言います。

直の意味は「幸せであるように」とかになりますので、「ごきげんよう」というのが一番近いニュアンスではないかと考えます。

普通の状況では、saell ⁄saelか、これに「祝福されるよう」という意味のblessadur(男性に対して)もしくはblessud(女性に対して)を付けてSaell og blessadur! とかSael og blessud!というのが定番の挨拶言葉となります。

知り合い同士の場合は、まず間違いなくこの挨拶が使われます。Godan daginnはまずないでしょうね、... Godan daginn を知り合いに対して使うとしたら、なにか戯けたニュアンスとかを含ませる時だろうと思います。

もっとくだけた間柄ならHaeハイで済ませてしまうことでしょう。スウェーデンとかデンマークでは、このHaeのご当地版Hej ヘイ、ハイが完全に社会の普通の挨拶語 になっている気がしますが、アイスランドはまだそこまでいっていません。Haeはごく近い仲での挨拶です。

と、ここまで書いてきましたが、私は、実は挨拶言葉にGodan daginn を使っています。なぜかというと、以前十年間いたネス教会では、他のスタッフと共に大部屋にいたので、皆に向かってのGodan daginnだったのです。

で、今の教会に移ってからもずーっとGodan daginn で通しています。「なんで変えないのかなあ?」と自分でも考えてみたのですが、要するに言いやすいのです。それに、やはりワタシの頭脳の決してアジャストしない部分が「おはよう=Godann daginnなのだ」と主張しているのです。

「どの部分が適応できて、どの部分が適応できないか?あるいは適応したくないか?」という問題、過去二十年以上考え続けてきているトピックですが、これも未だ明確な理屈を見出せずにいます。

理屈「らしきこと」はあるんですけどね。それは「自分にとって都合が良いか悪いか」「自分が気分良く感じる方にアジャストまたはキープ」だろうと思います。(^-^; いずれまた、改めて(もう何度取り上げていますが)書いてみたいと思います。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is

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