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レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「十人」とのお付き合い それに子供たち

2020-12-20 00:00:00 | 日記
あれよあれよという間に、クリスマス目前となっています。こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

日本では「Cちゃん下での、例年とは違った年末年始」ということが多く話されているようですね。「Cxxxxの影響で、例年とは違う新学年」「夏休み」「お盆」とか、結局同じ内容のことが、単語を変えて続いてきてしまっていますね。

アイスランドでも御同様で、「Cちゃん下でのアドベント」そして「クリスマス」がやってきます。




クリスマスまで一週間 レイキャビクのダウンタウンの池より


十人を限度とする、集会制限は年を越して、新年一月の二十日頃まで継続されることが決定しています。そこで、教会では恒例のクリスマス礼拝(ミサ)を行うことは不可。アドベント以来、こぞってネットを通じてのライブ配信やビデオのストリームに走っていることは、前回までにお話しした通りです。

ある教会では「うちではクリスマスイブにライブで配信する」と決めています。一方、私のいるブレイズホルト教会では「イブの6時は(アイスランドでは『イブ』は18時きっかりにスタートします)家族が夕食の卓に着き始める時間。

その時にPCやタブレットでライブを見ることはないだろう」ということで、イブは見送って、二十五日に収録したビデオミサを配信することになりました。ちなみにその「収録」担当者はワタシです。

ところが、この「ライブ」「収録」でちょっとした混乱がありました。教会の一般の集会は「十人規制」の下にあります。ところが、規則では「音楽公演や演劇のような文化的行事」では三十人まではステージ上に集って良いことになっています。ついでに観客は五十人まで。

「観客の五十人」はともかくとして、では、ミサの収録には三十人集って良いのかどうか?という点がはっきりしなかったのです。実はこの文化行事は三十人まで、と規則が発表されたのは、今月の十二日だったのですが、私はそれに先立つこと四〜五日前に、教会のクワイヤのクリスマスソング八曲の収録をしていました。

十人を越さないようにクワイヤを三つのグループに小分けにして歌い、そのビデオを一曲ずつ「クリスマスメッセージ」としてネット配信しよう、という企画でした。ワタシは企画者ではなく単に収録係。






クワイヤの歌声の一例

ところがその過程で、あるグループがメンバーだけで十人集まってしまったのです。これに指揮者のアルニーさんと、カメラを持ってるワタシを加えると十二人。「違反だよ」

しばし思案したアルニーさん、「僕は映らないようにするから」...まあ、いいでしょう。そのかわり、私もカメラをズームしたりスパンしたりしないようにしました。「十一人目」がバレたら困りますから。

そうやって撮り終えたのですが、後からチェックすると、なんと指揮するアルニーさんの「振り振り腕」が映り込んでいる部分があるではないか!

幸い僅かだけだったので、これはカットして枠外に出すことができます。ホッとしていると、なんと次の曲ではアルニーさんがオルガンを伴奏でつけるではないですか!

これはもう動かない「十一人目の証拠」です。オルガンを弾くなら、なんでメンバーをひとりベンチ入りさせなかったのか、理解に苦しみました。収録係でしかないワタシは、その場ではあまり強く言うこともできず、後で改めてブレイズホルト教会の牧師さんに相談しました。

もう一回ちなみに、私はこの教会にオフィスを持つ特別職牧師で、この教会の牧師ではないのでした。

アルニーさんの問題は十人規制をどのくらい「マジで」受け止めるかという点でした。「十人と十一人では、そんなに違いはないだろう」という極めて常識的な考えがアルニーさんの理解。納得しますよ、私も。

ですが、私の理解は違ったのです。十人いるか十一人いるかで、Cちゃん対策に差があるか?という点では「ない」だろうと思います。ですがそこじゃないのです。

問題は、これがネット配信され、誰かが「あれ?十一人いるじゃん!」と気づくことなのです。そうなると「国民教会、集会規制を無視」とか、あっというまに炎上ネタになりかねないのです。

アイスランド社会にも、教会を親の仇のようにみなし、常に攻撃材料を漁っている人たちがいます。そこへわざわざ餌を撒いてやる必要はない、というのが私の考えでした。

結局、アルニーさんも理解してくれて、くだんの一曲はお蔵入り、となりかけていたのですが、そこで「文化イベントは三十人まで」という規則の緩和が発表されたのです。

やれやれ、セーフ。クワイヤのこの企画は、教会で収録されましたが内容はコンサートだったので、間違いなく文化イベントです。十二人でもOK。




ダウンタウンの「青い木」きれい
Myndin er eftir Bjarna Thor Bjarnasyni


ですが、ここでライブやビデオの配信についての、Cちゃんとは別の問題点が顕在化しました。それは「個人情報保護法」です。

近年、EUではこの「個人情報保護」に極めて神経質になってきており、EU内はもちろん、協力諸国にも保護法の強化を求めています。で、アイスランドもEU基準に合わせて、保護法を新たにしたのですが、今回ひっかかったのは「子供の姿をライブやビデオ配信で見せて良いのか?」という点です。

私の得た理解よると、「親の許可があれば良い」というものでした。もちろん、普通の動画に関してですよ。

先週書きましたように、クリスマスのイベントに子供たちは不可欠。私もガキンチョ、じゃない天使たちを中心とする動画を作り終えていました。はっきりいって、かなり良い出来だったのです。

その配信を目前にした先週の金曜日の夜、ビショップから牧師連にメイル。「教会関係で、子供たちが映っている動画は、たとえ親の許可がってもSNSに配信しては『いけない』」

ガーン!...

滅入る、ならぬメイルには続きがあり「ただ、教会のHPへ動画をアップするのは良い。教会のHPはSNSではないから」

動画を、FacebookやYoutubeを介せずにHPへアップする仕方は知らなかったので、それを調べるのに翌土曜日を丸々費やしました。休もうと思ってたのに...

不満足ながら、なんとかHPに動画を載せましたが、このビショップからの「SNSに配信しては『いけない』」の「いけない」が、ビショップの意見なのか、法の一部なのかで混乱がありました。

多くの理解では、「季節限定的なイベントや、募金の呼びかけのように、子供たちの詳細な情報が露呈しないものについては、親の承諾がある場合には禁止の例外とされる」というものです。

これは、これからのこともあるので、きちんとシロクロをつけてもらいたい点です。今回の騒動に関しては、私は動画のアップの仕方の学習にかかりきりだったので、保護法の詳細を読むようなゆとりはありませんでした。

ビショップのオフィスにはこの個人情報保護法のためだけの法律家が雇われています。もう少ししっかり仕事しろ! というのがワタシのホンネでした。




これは市庁舎のクリスマスツリー
Myndin er eftir Bjarna Thor Bjarnasyni


こんな感じで日々を過ごしていると、まったく個人的なクリスマスの準備は追いついてきません。あと四日しかないじゃないか...

まあ、いいや。別の見方をすればまだ369日あるということだ。

周囲の牧師さんや教会のスタッフから一様に聞かれるのは、「イブはいつも教会で働いているから、今年は自宅で何をすれば良いのか、見当がつかない」ということ。

それぞれに新しい生活を見つけていかなくてはならないようです。

それではクリスマスまでの一週間弱、病気、怪我、火事、Cxxxxに気をつけて元気にお過ごしください。I wish you a Merry Christmas です。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
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