こんにちは/こんばんは。
三月も末。来週はもう四月かと思うとちょっとビックリです。私がアイスランドに移住するため成田から出発したのが、1992年の4月2日でしたので、まもなく満三十三年になります。
それに関連した小ネタがあるのですが、それはまたの機会に。

清涼感もあるつがい鳥のいる風景
Myndin er eftir Einar_Jonson@unsplash_com
今日は鴨についてです。鴨といってもいろいろな種類があると思うのですが、ここでいう鴨はアイスランド語ではGragaesaaetkvislと呼ばれるグループのもので、英語ではGleylag goose familyというのだそうです。Anserとも呼ばれています。
日本語ではなんじゃい?と思って、Gemini2.5Proに聞いたところ、「ハイイロガンの家系」。ありゃ?ワタシが「鴨」と思っていたのは「雁(がん)」だったみたいです。(恥)
そうなると雁と鴨はどう違うのかを知る必要が出てきます。典型的な「ブログあるある」で、数珠状に知識不足が露呈してしまい準備事項が増えてしまいました。
学術的には雁は「カモ目カモ科」に属するものだそうで、なんだ、やっぱ「鴨」じゃん。ちなみに白鳥もおんなじ「カモ目カモ科」ということです。
雁と鴨の違いはいくつかあるようですが、まずは見た目のサイズが雁の方が一回り鴨より大きく、また雁はオスメスがほぼ同じ容姿ですが、鴨はオスが繁殖期(発情期)になると派手な姿に変身しちゃうことが多いのだそうです。よく見る頭が輝く緑色の鴨はこの変身中の姿。
それから雁の草食性に対して鴨は雑食性。雁は日中活動しますが鴨は夜行性。もうひとつ面白いのは、雁は一生つがいが変わらない真面目な一夫一婦制を貫くのに対して、鴨は発情すると手当たり次第、かどうかは知りませんが、つがいの枠が壊れることもあるそうです。
すいません。以上は単なる予備知識です。精査したわけではないので、間違いがあるかもしれませんが、まあ、ざっくりとは当たっていると思います。

メスの気を引くためのファッションだそうで...
Myndin er ur natureー engineer.com
さて、去年のクリスマスの前くらいから、三羽の雁が私のいる教会の玄関や窓際に出没するようになりました。教会の隣にはかなり広い野原があり、そこには全部で三十羽くらいの雁が常駐しています。
この野原、そんなに入って行ったことなかったのですが、よく見ると湿原地帯で、あちこちに池のような水たまりがあります。そういうのがいいんでしょうね、雁とか鴨さんたちには。
この雁さんたちは、教会周辺だけではなく、かなり広範囲な地域をぐるぐると巡回して生活しているようです。こちらの人はもう慣れているので、行く先々でパンとかをもらっているのでしょう。
その中の三羽が、私のいる教会に日参するようになったのでした。私もそういうのは好きな方なので、来れば必ずパンをあげるようになりました。しばらくすると、慣れたというか、図々しくなったというか、クチバシでガラス戸をコツコツ。「来たぞ。飯くれー!」
最初から不思議だったのは、なんで三羽なんだろう?ということでした。雁とか鴨はわりとそこらじゅうにいるのですが、普通はつがいの二羽で歩いています。私がひとりぼっちで歩いていると、見上げてバカにするんですよ、あいつら。「ひとりとは、かわいそうな奴だ」余計なお世話だ。
この三羽。身体のサイズから判断して、オス一羽とメス二羽と思います。正妻とお妾さんかなあ。お妾さんなんて言葉、今時(いまどき)使っていいのだろうか?いけなかったらごめんなさい。
でもおかしいでしょう?冒頭の説明でもあったように、雁は一生つがいを解かない真面目な生き方をしているのです。

教会の裏玄関をコツコツする一羽
Pic by Me
Facebookでちょっと書いてみたら、「おそらくそれはまだ生まれたばかりの三羽で、まだつがいとかが出来上がっていないのではないか?」という意見がありました。そうかなあ?結構でかいけど...
まあそれは謎でしたが、それこそ余計なお世話で、彼らには彼らの事情があるのでしょう。It’s complicated.
時折、どこかへ遠征していて顔を出さない日もあります。それが二日続くと心配になってきて、鳥インフルにかかったのではないか?どこかで車に轢かれたのではないか?ガキ大将に石をぶつけられたのではないか?とまったくの親バカです。
ところがです。ここ二週間ほど、ある変化が生じています。オスが、二羽いるメスのうちの一羽に意地悪をするようになってきたのです。その子がパンを食べようとすると、身体を低くして首を伸ばし、突っ込むような仕草をして脅かして、パンを食べさせないのです。
たまにならいいのですが、ここ二、三日は「必ず」になってきました。このいじめられてる一羽は、当初より他の二羽から距離を取っている感があり、私は「お妾さん」と思っていました。それに身体も小さい。食が足りてないのかも。
こういうのを見るのは、残念で仕方がありません。「お父さんはお前らが仲良くご飯を食べるようにと思って、パンをあげているんだ。そんなに意地悪するならもうあげないぞ」と言ってやりたいんですけど...
でも「正妻」が「お妾さん」に意地悪するなら、わかりますが、なぜオスがそうするかなあ?もう、要らねえってか?ワタシ的にはお妾さんに言ってあげたい。「さっさと見切りをつけて、新しい相手を探しに行きなさい。こんな家庭内暴力男と一緒にいて、いいことないから」

仲良く食べてもらいたいものです
Pic by Me
まったく、もらったパンであることを忘れて、あたかも「すべてはオレのもの」と言わんばかりのこのオスには多少腹が立ちます。「このパンはお父さんが自分のポケットマネーで買ってきてるんだよ、お前らが食べられるように」
ですが、その時ふと気が付いてしまったのです。「神の目からしたら、我々はこの雁たちとまったく同じではないか。我々も同じようなことばかりしてるよね」と。
陽の光、水、空気、草花、山の幸、海の幸等々。自分で作ったわけでもないものに囲まれて生活しているのに、いつの間にか「すべてはオレのもの」「いやワタシのもの」とかいさかいを繰り返す。
加えて三角関係のもつれの醜い争い。それは雁より人間様の方がより凄まじいかも。雁は殺しまではやらないだろうし。
やれやれ、そういうのを何世紀も見続けていたら、さぞかし神様もお疲れのことでしょう。まことに申し訳ないです。
それにしても、このトリオ。行く末がどうなるのか興味津々です。もちろん雁に説教はできないですから、ただただ自然の法則に従わせるしかありませんが、それでも、あわよくばハッピーエンドになって欲しいと願ってしまうのは、これも親バカでしょうか?
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
三月も末。来週はもう四月かと思うとちょっとビックリです。私がアイスランドに移住するため成田から出発したのが、1992年の4月2日でしたので、まもなく満三十三年になります。
それに関連した小ネタがあるのですが、それはまたの機会に。

清涼感もあるつがい鳥のいる風景
Myndin er eftir Einar_Jonson@unsplash_com
今日は鴨についてです。鴨といってもいろいろな種類があると思うのですが、ここでいう鴨はアイスランド語ではGragaesaaetkvislと呼ばれるグループのもので、英語ではGleylag goose familyというのだそうです。Anserとも呼ばれています。
日本語ではなんじゃい?と思って、Gemini2.5Proに聞いたところ、「ハイイロガンの家系」。ありゃ?ワタシが「鴨」と思っていたのは「雁(がん)」だったみたいです。(恥)
そうなると雁と鴨はどう違うのかを知る必要が出てきます。典型的な「ブログあるある」で、数珠状に知識不足が露呈してしまい準備事項が増えてしまいました。
学術的には雁は「カモ目カモ科」に属するものだそうで、なんだ、やっぱ「鴨」じゃん。ちなみに白鳥もおんなじ「カモ目カモ科」ということです。
雁と鴨の違いはいくつかあるようですが、まずは見た目のサイズが雁の方が一回り鴨より大きく、また雁はオスメスがほぼ同じ容姿ですが、鴨はオスが繁殖期(発情期)になると派手な姿に変身しちゃうことが多いのだそうです。よく見る頭が輝く緑色の鴨はこの変身中の姿。
それから雁の草食性に対して鴨は雑食性。雁は日中活動しますが鴨は夜行性。もうひとつ面白いのは、雁は一生つがいが変わらない真面目な一夫一婦制を貫くのに対して、鴨は発情すると手当たり次第、かどうかは知りませんが、つがいの枠が壊れることもあるそうです。
すいません。以上は単なる予備知識です。精査したわけではないので、間違いがあるかもしれませんが、まあ、ざっくりとは当たっていると思います。

メスの気を引くためのファッションだそうで...
Myndin er ur natureー engineer.com
さて、去年のクリスマスの前くらいから、三羽の雁が私のいる教会の玄関や窓際に出没するようになりました。教会の隣にはかなり広い野原があり、そこには全部で三十羽くらいの雁が常駐しています。
この野原、そんなに入って行ったことなかったのですが、よく見ると湿原地帯で、あちこちに池のような水たまりがあります。そういうのがいいんでしょうね、雁とか鴨さんたちには。
この雁さんたちは、教会周辺だけではなく、かなり広範囲な地域をぐるぐると巡回して生活しているようです。こちらの人はもう慣れているので、行く先々でパンとかをもらっているのでしょう。
その中の三羽が、私のいる教会に日参するようになったのでした。私もそういうのは好きな方なので、来れば必ずパンをあげるようになりました。しばらくすると、慣れたというか、図々しくなったというか、クチバシでガラス戸をコツコツ。「来たぞ。飯くれー!」
最初から不思議だったのは、なんで三羽なんだろう?ということでした。雁とか鴨はわりとそこらじゅうにいるのですが、普通はつがいの二羽で歩いています。私がひとりぼっちで歩いていると、見上げてバカにするんですよ、あいつら。「ひとりとは、かわいそうな奴だ」余計なお世話だ。
この三羽。身体のサイズから判断して、オス一羽とメス二羽と思います。正妻とお妾さんかなあ。お妾さんなんて言葉、今時(いまどき)使っていいのだろうか?いけなかったらごめんなさい。
でもおかしいでしょう?冒頭の説明でもあったように、雁は一生つがいを解かない真面目な生き方をしているのです。

教会の裏玄関をコツコツする一羽
Pic by Me
Facebookでちょっと書いてみたら、「おそらくそれはまだ生まれたばかりの三羽で、まだつがいとかが出来上がっていないのではないか?」という意見がありました。そうかなあ?結構でかいけど...
まあそれは謎でしたが、それこそ余計なお世話で、彼らには彼らの事情があるのでしょう。It’s complicated.
時折、どこかへ遠征していて顔を出さない日もあります。それが二日続くと心配になってきて、鳥インフルにかかったのではないか?どこかで車に轢かれたのではないか?ガキ大将に石をぶつけられたのではないか?とまったくの親バカです。
ところがです。ここ二週間ほど、ある変化が生じています。オスが、二羽いるメスのうちの一羽に意地悪をするようになってきたのです。その子がパンを食べようとすると、身体を低くして首を伸ばし、突っ込むような仕草をして脅かして、パンを食べさせないのです。
たまにならいいのですが、ここ二、三日は「必ず」になってきました。このいじめられてる一羽は、当初より他の二羽から距離を取っている感があり、私は「お妾さん」と思っていました。それに身体も小さい。食が足りてないのかも。
こういうのを見るのは、残念で仕方がありません。「お父さんはお前らが仲良くご飯を食べるようにと思って、パンをあげているんだ。そんなに意地悪するならもうあげないぞ」と言ってやりたいんですけど...
でも「正妻」が「お妾さん」に意地悪するなら、わかりますが、なぜオスがそうするかなあ?もう、要らねえってか?ワタシ的にはお妾さんに言ってあげたい。「さっさと見切りをつけて、新しい相手を探しに行きなさい。こんな家庭内暴力男と一緒にいて、いいことないから」

仲良く食べてもらいたいものです
Pic by Me
まったく、もらったパンであることを忘れて、あたかも「すべてはオレのもの」と言わんばかりのこのオスには多少腹が立ちます。「このパンはお父さんが自分のポケットマネーで買ってきてるんだよ、お前らが食べられるように」
ですが、その時ふと気が付いてしまったのです。「神の目からしたら、我々はこの雁たちとまったく同じではないか。我々も同じようなことばかりしてるよね」と。
陽の光、水、空気、草花、山の幸、海の幸等々。自分で作ったわけでもないものに囲まれて生活しているのに、いつの間にか「すべてはオレのもの」「いやワタシのもの」とかいさかいを繰り返す。
加えて三角関係のもつれの醜い争い。それは雁より人間様の方がより凄まじいかも。雁は殺しまではやらないだろうし。
やれやれ、そういうのを何世紀も見続けていたら、さぞかし神様もお疲れのことでしょう。まことに申し訳ないです。
それにしても、このトリオ。行く末がどうなるのか興味津々です。もちろん雁に説教はできないですから、ただただ自然の法則に従わせるしかありませんが、それでも、あわよくばハッピーエンドになって欲しいと願ってしまうのは、これも親バカでしょうか?
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
>雁と鴨、なるほど。勉強になりました。夜行性とか食性とか随分勘違いしていました。国... への返信
kuwasanさん、コメントありがとうございます。
がん、かり、って日本でも良く耳にしますけど、あまり見る機会は少ないですよね。
私も今回、このブログを書くので初めてあいつらが雁だということを知りました。アイスランドではそこらじゅうにいます、あいつら。私は長年、あいつらはアヒルと思っていましたよ。(^-^;
カラスもいつもいますが、これが不思議で、こちらではカラスは人気があります。これもそのうちブログに書きたいです。