教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

TOSHIさんから渇!その1

2014-12-21 | 音楽的アドバイス

ステージに上がる、ライブをやる、歌う、演奏する・・・。

とは一体どういうことなのか。

定義は人それぞれあっていいと思うし、自分のやり方で自分の責任で

やればいいと思う。

それこそ、まだあまりうまくはないし恥ずかしいから身内にだけ見て欲しい

なんて場合もあるだろうし、しっかり練習もしたし自信もあるので一人でも多くの

人に聞いて欲しいって場合もあるだろう。

 

自分が歌いたいから歌っているんであって、ギターを弾きたいから弾いている。

まずはそれが基本だよね。

当たり前だと思っているんだけど、たまに本当は歌いたくないのに歌っているとか

ギターを本当は人に聞かせたくないんじゃないだろうかって思える人がいる。

どういうことかと言うと、まず、マイクに声をわざと乗せない。自信がないから。

音程、歌詞、すべてに自信がないからマイクから遠ざかる。

もしくは初めからキー設定が間違っているので、そもそもサビで声が出ないので

自分でもそれがわかっているのでますますマイクから遠ざかる。

楽器演奏も自信がないからアンプの音が極端に小さいとか、おっかなびっくり

弾いているので出音が安定しない。

コーラスもきちんと音を覚えていないので、声が極端に小さい。

あげくに「自分の声(音)はあまり外に出さないでください」などと言う。

 

こちらも仕事として、しっかりやりたいので、モニター環境、外音なども、

お客さん全員の耳にしっかりと届けたい。

また、より良いステージ環境にしたいので、歌、演奏を適正な音量で

やってもらって、中音もよくしたい。恥ずかしいから歌えません、とか、

コーラスの音程をうろ覚えなので、小さい声でさぐりさぐり・・・だと、

やはり、そのようなモニター環境になるのは仕方ないよね。

でもお客さんや他のメンバーにはそんなことは関係ないので、もっと

聞こえるようにってなるんだけど、急に張り切って声を出されると、また

バランスが違っちゃうし、初めからある程度の歌と演奏をしてもらわないと、

こっちだって責任持てない。

ま、何とかするのがプロだからなんとかするけどさ。

 

俺が言いたいのは・・・・・(渇を入れるよ(笑))

 

歌いたくないやつはステージに上がるな!

自分の楽器演奏を恥ずかしいと思ってるやつは演奏するな!

コーラスしたくないやつは無理にマイクを立てるな!

 

「もしかしたらステージに上がったら楽しいかもしれない」

ってのは幻想だ。

必至に練習して、努力を重ねて、人が見ていないところで人知れず努力

したやつだけが、

 

「ステージ上でちょっぴりいい気分になれる」

 

努力した10分の1くらい、いい目を見られるのがせいぜいだ。

 

ましてや、努力も練習もろくにしていない人間がステージ上で賞賛されるわけない。

覚悟して欲しい。こんなもんだ。これが現実だ。イヤなら、やめた方がいい。

 

よく、ステージが楽しい、と聞くけど、自分は”楽しい”のとは少し違う。

いや、楽しいのと、緊張感、責任感などがまぜこぜかな。

苦しい戦いの部分と、気持ちいい部分があるなあ。

 

今の若い人たちでちょっと気になるのは、自分のレベルが低い割りに回りに

要求するレベルが高いこと。

文句を言う前にまず「なぜ、そのような対応されるのか?」を一度でも

考えたことがあるだろうか?

一度でも「自分たちの演奏が悪いから、そういう結果になっているんじゃないだろうか?」

って考えたことがあるか?

自分は昔に自分たちのバンドのステージの照明がイマイチだったときにまず思ったのは

「自分たちがショボいからこの程度の仕事しかしてもらえない」ってこと。

意地でもいい演奏や人気を出して、「照明をやらせてください」ってあっちから言って

もらえるようになりたいって思った。実際、そのあとがんばった甲斐があったのか、

あるときブレイクのタイミングと目潰しがしっかりシンクロしてくれるようになって、

曲も覚えて協力してくれるようになったんだけど、全部が全部、自分たちを悪者に

なんかしなくてもいいから、今の100分の1くらい「自分たちにも責任があるのでは?」

って言う考えも少し持ったらどうだろう?

 

お客さんがあくびをしたのは、お客さんが悪いんじゃない、君たちの歌、楽曲、演奏が

退屈だからだ。

 

ステージ前が空いてしまって後方に人が固まっているのは近くで聞きたくないからだ。

 

 

もちろんお店側も極力協力する。

場違いなやつがいたら俺が注意する。実際今日も珍しくちょっと微妙な人がいたんで、

黙らせた(苦笑)。滅多にいないけどね。

それもバンドの演奏が悪いからだって言いたいけど、そこまではかわいそうだからね。

 

自分が音楽を聴いていた時代は主に70年代から90年代なんだけど、それこそ

必至に練習して、お客さんに届けようとがんばっているバンドやアーティストばかり

だったから、それがデフォルトなんで、恥ずかしがってステージに上がってる人を

みると不思議だし、幸せだなって思う。

 

「ステージは戦場」

 

って思っていたから。

ロバート・プラントが恥ずかしがっていたか?イアン・ギランは?ポール・スタンレィは?

フレディ・マーキュリーは?スティ-ブン・タイラーってジョー・ペリーの後ろに隠れてたっけ?

デビッド・ボウイが自己主張を一切しなかったステージってある?

私にピンスポを当てないでくださいって言ったアーティストっている?

 

いつも自分を主張するだけする、お客さんと真剣勝負。勝負と言っても今のビジュアル系

バンドみたいに「かかってこいやー」とかアホ丸出しのあおり方じゃないよ。

中二病はほっといて、自分たちを、自分たちの曲を気にいってレコードを買ってもらえるか、

それだけが勝負。いいパフォーマンスをするのが最善の方法。

「恥ずかしいんでいいです」とかおととい来やがれって感じだ。

 

最善の努力は人がいないところでしっかりやらないとダメだ。

いや、ダメってわけじゃない。(それはあとで話そう)

30分近くも人の演奏を聞かなきゃいけないんだぞ、ひどい歌と演奏だったら

かなりの苦痛だぞ。少しは頭を使え。

最近のあまり魅力も感じられないバンドやアーティストが、要求ばかり立派

だとちょっと違和感を覚えるときもあるね、正直言うと。

 

しかし・・・・やり方によっては、努力をしないで楽しむだけでもいい。

それは君たちがプロではないから。

一応、ライブハウスは出演料をもらっている。割り切って「自分たちのお金で自分たちの

お客さん相手に演奏している」と言う形でも一向に構わないんだ。

それならそういう活動でいいし、逆にそれをオススメする(笑)。

恥ずかしがって結構。音程や声量も大して気にしないでいい。楽しければそれでいい。

本当に。本当にそういう割り切りでバンド活動をした方がいいと思うよ。

楽だし、楽しいからね。

ただ、そういう時はその辺の事情を伝えて欲しいかな。

こっちはね、一応、真剣に仕事をしないといけないと思うから、細かいところまで

しっかり突き詰めたいんだけど、そうすると、「きちんと歌ってください」とか

「ちゃんと演奏してくれ」って要求になってしまうんだ。

ある程度の水準の歌と演奏がないといい音でお客さんに届けられないんだよ、本当。

そうでない場合は「そこまで要求していないんでほっといてくれ」って言ってもらうと

助かる。ホント、凄く助かる。

正直に言うとどこまで要求されているかわからないときもあるんだよ。

「外音を良くしたいから突き詰めたい」って場合と「自分たちが気持ちよくやれれば

いい」って場合と少し仕事ぶりも変わるんだよ、正直言うと。

 

 

T☆ROCKSは両方半々くらいいていいと思っている。

相当な覚悟を決めて、苦しいことを前提に活動していくバンド。ある程度、

割り切って自分たちの楽しみを中心に活動していくバンド。

どっちがいい、悪い、なんて思わない。

自分が今やっている、ニテ・レンジャーは努力を重ねているし、お客さんに責任感も

あるし、頭も使っているけど、上にいく気はもちろんないので、気が楽だ。

努力は見せない(笑)。優雅な白鳥が水面下では足を見苦しくバタバタさせているのと一緒。

涼しい顔をして凄いステージを魅せる、ってことをやって、人から賞賛されたいの(笑)。

女性にモテたいの(笑)。チヤホヤされたいの。やっぱりそれは原動力になるよね。

だから人知れず努力するんだよ。バカみたいな練習をするんだよ。本当に人に見せられない

恥ずかしい練習してるよ(笑)。リハが出来ないときは一人で練習だよ。

頭も使わないとダメだね。

一番効果的な練習をする。テクニカルな部分はギターに任せて、俺は魅せるほうに重点を置く。

ハッタリもかます。使えるものは何でも使うよ。勘違いでカリスマ性を見出してもらっている人には

だまし通す(笑)。

汚いかも知れないけど、その日に、そのライブハウスで一番印象に残るように美味しいところを

取れるように努力する。ま、これは全て計算どおりにはいかないときもあるけど、全部自分たちに

有利なように考え、行動する。

そのハコの例えば照明担当の随分と年下の下っ端と思われる女の子にもきちんと挨拶をして、

印象を良くしておく。受付の方とかにも全てのスタッフさんに。どこでどう話が上まで行って、

あいつら生意気だなんて思われてPAでイヤなことをされたら困るもんね。

もう卑劣ですよ(笑)。当たり前ですよ、(例えだけど)勝つためには何でもやります。

ま、バンドなんて勝ち負けではないからそれぞれのやり方で目立てばいいんだけど。

バンド数が多くて、尚且つ楽屋が狭くて機材を置いておくことに不安があるとき

はこっそり自分だけ、違う安全な場所に機材を置く。

楽屋に機材を置いておいたら、壊されたって泣くやつは自己管理が足りない。

店に文句を言うやつはもっとお子様。申し訳ないがパパに買ってもらえ。

そうして全て周りのせいにして自分は悪くないと思って生きていってくれ。

T☆ROCKSは一所懸命「楽屋は譲り合って、次の出演者さんを優先に」って

親切丁寧に説明してあげてる。それでもごくたまに「誰々のマナーが良くない」

などど、言ってくる人もいるけど、もうそこまで面倒見切れないよ。

もうちょっと出演料を高くしてもいいなら、楽屋にも一人スタッフ付けるけどね。

こっちだってギリギリなんだ。手が回らないよ。

 

さて、ステージは笑ってもらったほうがいいので、少し大げさにやるのもコツね。

ま、こんな風に必至にやるよ、やるときはね。

でも、上にいく気は無いから、普段は気は楽なの。やるときだけしんどい。

 

自分たちの活動の仕方をある程度、考えておくのもいいかもね。

一番自分たちらしい、自然で楽な方法も意識するといいと思う。


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