続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

大騒ぎと期待を大きく裏切る安倍日ロ外交の弱さに思う

2016年12月18日 | 日々の思い

  大阪中之島のイルミネーション(友人提供)

何千人という警察官の投入や物々しい警備体制にいったいどれだけの税金が使われたのでしょうか。しかしそれも
何らかの成果を多くの国民が期待し、それなりの手ごたえを我々国民が感じる結果でなければむなしさと怒りを禁じ
得ない。そもそもロシアは特に近年北方4島の開発に力を入れており、このことだけを見てもロシアに返還する意志
など毛頭ないことを見せつけている。にも拘わらず、相も変わらず経済支援だけを取られ続ける図式にだけは今回の
交渉では避けるべきだったのに又もやまんまとプーチン氏にしてやられた印象は多くの国民が抱いた率直な思いである。

昨日の夕刊トップには「日ロ経済協力3千億円」という見出しが踊っていて悲しかった。安倍総理は3千億円について
それは税金の投入ではないなど言い訳していたが、そんなことよりも何故領土交渉について踏み込んだ交渉が出来なかった
のかを国民につまびらかに説明する責任がある筈である。訳の解らない「特別な制度」についても明快な説明はない。
今回の会談でこそ、平和条約の締結が実現しない限り経済協力は出来ないとなぜ明言しなかったのかが残念でならない。

安倍晋三首相は17日、日本テレビのインタビューで、北方領土のうち歯舞、色丹2島の平和条約締結後の引き渡しを明記した
1956年の日ソ共同宣言について、「主権を返すとは書いていないというのがプーチン・ロシア大統領の理解だ。その点で
日本側と齟齬(そご)がまだある」と述べ、両首脳間の見解の隔たりを認めた。という時事通信社のニュースを見て、では
なぜそこであなたの理解は間違っている。共同宣言には引き渡しを明記してあるではないかと詰め寄らなかったのかと言いたい。
主権を返すとは書いていないと理解するならどう理解しているのか徹底的に追求しなければ首脳外交とは言えない。そんな
相手の対応に対して過去何度も裏切られて来た経済協力に又もや乗っかる事自体が完全な負け交渉である。

今回の結果をいくらメディアや評論家が一定の成果があったと擁護しようとも肝心なことはどれだけの国民が納得したのか、
それとも失望落胆したのかを安倍総理にはしっかりと受け止めて真摯に反省して貰いたい。
又プーチン氏は「日本は日米安保の存在がこの領土交渉にどういう影響を持たらすのかをしっかり考えた上で臨んでいるのか」
というニュアンスの発言をしたとの報道もある。確かに返還した島に米軍基地が作られては困る。だからそう簡単には返せない
という論法で(日本がそんな事態は考えていないと思っていても)攻めるロシア側はしたたかである。

いずれにしても歯舞色丹の2島の返還と期限を明確にしないままロシアにとって有利な経済協力だけはすべきではない。ただ
今回の交渉で日本の企業が北方4島や樺太などでの企業活動が更にし易くなったり、漁業関係者の活動が少しでも有利になるのなら
それは小さくとも数少ない成果と言えるのでしょう。その辺りは経済界の方々が判断して成果と思われるなら公言して頂きたい。

安倍総理には世界を漫遊しながらのバラマキ対外援助は謹んで貰い、子どもの貧困、若者の貧困、医療や福祉、年金問題など内政
が抱える大きな課題にもっと真剣に取り組むべきである。先ずは国民を仕合わせにして更に余裕が出来ればアジアや世界の発展に
貢献するというのがまともな政治家の姿勢ではないか。こんな政治が続くなら日本国民に幸福な未来は展望出来ない。



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