
綺麗に見られた昨日の皆既月食(友人O氏撮影)
昨日の日経新聞コラム「交遊抄」欄における元日銀審議委員木内登英氏の寄稿文中でこの言葉を知った。奴雁とは
「雁の群れが餌をついばむ時に、仲間が外敵に襲われないように首を高くして周囲を警戒する一羽の雁のこと」らしい。
前川レポートとしても有名な前川春雄氏は、かつて石油ショック時に日銀総裁を務めていたが、日銀100周年(1982)の
記念誌の中で「日銀は我が国の金融経済において奴雁(どがん)の役割を果たすべし」という主旨の文章を寄稿されている。
正に今の日本の政治・経済政策全般を見るにつけ「奴雁」たる役割を果たすのは誰か。昨年の大義なきと言われた解散総選挙
を強行し、結果は野党のオウンゴールにも助けられ圧勝したことをいいことに暴走ぎみの安倍政権による行政運営の危うさには
我々国民が声を大にして「奴雁」の役目を果たさなければならない。今の日本は外敵ではなく内なる敵から国民を守る奴雁が必要。
世界が超金融緩和から出口戦略を模索している中にあっても今の黒田日銀は政権と一緒になって際限なき金融緩和を継続し、
マイナス金利の副作用で金融市場を混乱させ、預貯金金利もゼロに等しい様な政策を続けていては我々の生活実態は少しも
良くならない。国民の可処分所得は減り続けているというではないか。公的資金を投入しての株高演出で景気が良くなったとは
誰も思っていない。全般的に国民の生活が安定し、良くなっていなければ悪政と言わざるを得ない。
日銀こそがアベノミクスの監視役を担い、世のジャーナリストやメディア媒体こそが行政や司法の監視役を果たさなければ
政治は堕落する。国民の思いを政策実現出来ない政治が続く今こそ多くの「奴雁」が必要とされているのではないか。
先の国会代表質問においても野党からの鋭い指摘や追及にも平然と答えにもなっていない答弁で素通りする安倍政権の傲慢な
国会運営の様には辟易する。全くかみ合わない国会論戦など全く傾聴に値しない。いらいらするばかりなのは私だけでしょうか。
今の政治状況こそが国難(国難とは国民にとっての難で、政権や総理の難ではない)であり、それこそドガンかせにゃならんばい。