続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

「蜩ノ記」 静かで落ち着いた映画、清々しい気分に

2014年10月25日 | 雑感


久し振りに映画を観た。先ずタイトルが綺麗である。平日だったせいか客席が空いていたのは意外だったが作品は大変良かった。
私はてっきり藤沢周平氏の物語かと思っていたが違った。第146回直木賞受賞作家葉室麟氏のベストセラー小説の映画化作品。

主人公は謂れなき不義密通の咎で寒村に幽閉されている元郡奉行の戸田秋谷なる武士。その生き様、人間として男として生きていく上で
何が大切で何を守らなければならないかを改めて今の世の我々に問かけているようだった。公平な裁判もない時代、権力や上下関係だけで
理不尽なこことが平気でまかり通っていた時代にも気骨のある人物は存在感を示し、その姿は周りの者や家族にも正しい生き方を示唆するもの。
映画の中では沢山の名せりふ、名場面が出てくる。どんな時代でもどんな境遇にあっても「正直に生きる」「一日一日を大切に生きる」
「人と人との縁(えにし)を大切にする」など極めて当たり前の言葉が映画の中ではとても新鮮に感じられた。キャストが好いのでしょうか。
秋谷が灰の中から火種を探して吹きながら「決して諦めるな。どこかに埋もれ火が隠れている筈。大切なのは吹き続けること」と岡田准一扮する
武士に向かって説くせりふや、日頃から秋谷の生き様を見てきた一農民の子ども(秋谷の息子の親友)が庄屋の理不尽なやり方に抗議したとして
番所で拷問の末殺され、これに義憤を感じた秋谷の息子が命をも顧みず家老の屋敷に乗り込んで一太刀浴びせて見事親友のかたき討ちをするシーン
もなかなか良かった。さりげない夫婦愛、家族愛、友との真の友情なども上手く表現されていた。堀北真希さんが踊るシーンは綺麗でした。

主役は秋谷を演じる役所広司、その妻に原田美枝子、長女に堀北真希、準主役は秋谷を監視する為に派遣された武士を演じた岡田准一と
キャストもすべて落ち着いた雰囲気の中に凛とした存在感があってとても良かった。これ以上は良さを説明できません。是非ご覧ください。

「とのむら通信VOL.22」を鋭意配布中です。既に半分以上のところに配り終えましたが来週月曜日には臨時議会、水曜日には亀岡での研修
などがありますのでもう少しかかります。どうぞ今しばらくお待ちください。

相次いでの閣僚辞任。その理由と資質、任命責任の軽さに思う

2014年10月20日 | 雑感


第二次安倍政権の目玉人事とも言うべき二人の女性閣僚が辞任に追い込まれた。その理由が二人とも実に情けない。
小渕氏は自らの政治団体の杜撰な管理により政治資金規制法や公職選挙法に触れる可能性のある問題、松島氏は「うちわ」
問題で刑事告発された上に法の番人である筈の法務大臣にあるまじき反省の色もない軽率な発言等が重なっての辞任である。

それにしても自民党安倍政権は閣僚人事を余りにも軽く考えているのではないかと言わざるを得ない。そもそも経済産業大臣
と言えば日本の経済・産業政策全般に亘る閣内でも最重要ポストの大臣である。いくら女性が活躍する日本を作るという触れこみ
にせよそんな重責を弱冠40歳のお嬢さん議員に託そうと考える方が軽薄である。仮に今回の問題が無かったとしても本当に国民が
期待する経済産業大臣としての仕事がどこまで出来たか疑問に思う。そういう意味でも安倍首相の任命責任は重いものがある。
今の議員内閣制のもとでは国民は首相を選べない。当然のことながら閣僚人事も全て政権与党のトップである首相が党内都合と
自分のスタイルや好みで人選している。「真に国民のために役に立つ最適人材を」という最も重要な視点が欠落してしまっている。
だからこんな事態が度々起こるのである。国民不在も甚だしい。こんな低次元のゴタゴタで貴重な税金、時間を使わないで貰いたい。

今回問題になった小渕氏の政治団体の杜撰な経理実態にしても何も知らなかったというだけでその政治家としての資質を疑われる。
又その後援会や政治団体がやっている中身もお粗末極まりない。正に田舎の古典的な政治活動と言うより選挙活動と言う他ない。
バス26台を連ねて東京への観劇会を毎年やっていたというのには驚いた。観劇会を主催するなんてのは政治団体がやる事ではない。
旅行会社がやる事である。もっと真面目に政治活動に取り組んでもらいたい。
正に有名スターを抱える芸能プロがその知名度を生かして色々なビジネスを展開しているのと何ら変わりない。他にもあるのではないか。

今回の問題ではいずれ刑事責任を問われる場面も出てこよう。本人は「職を辞して実態の解明に専念したい」と辞任会見で述べて
おられたそうだが、ここはきっぱり議員辞職して疑惑の解明に全力を尽くし、国民の前に全容を明らかにする責任がある筈である。
経済産業大臣という職を辞して済む問題ではない。国会議員たる者疑惑を持たれた段階でアウトというくらいの覚悟で清廉な仕事を
やって貰いたいものである。

「とのむら通信Vol.22」配布開始。今月27日臨時議会開催のお知らせ

2014年10月20日 | 議会活動


今回の22号報告では主に9月議会での内容、特に島本町の住民サービスに直結する問題であったパスポート事務のこと、
何かと問題になっている政務活動費についての解説など掲載しています。政務活動費については本ブログでも触れています。
18日土曜日の午後から配布開始しましたが、色々な行事、会議、雨の日等が入って皆様のお手元に届くまで少しお待ちください。
又通信をご覧になっての疑問やご意見がありましたらメールでも電話でも構いませんのでお気軽に掛けて下さい。

今月27日(月)10時~臨時議会が開催されます。先の9月議会で補正予算案(第4号)が否決されました。主な反対理由はその中に
計上されていた時間外勤務手当(当初予算の倍以上)の妥当性を問う質疑等の答弁に納得がいかない、それに加えてパスポート事務
の高槻市への委託自体に反対する議員からはその委託費用(同じく計上されていた)も当然認められない等というものでした。
そういう経緯を踏まえ、その後人事管理の在り方、時間外勤務の進め方等の見直し、精査を図った上で改めて今回補正予算(第7号)
として提案され、それを審議するものです。時間があれば是非議会傍聴にお越し下さい。

9月議会が終わって只今「とのむら通信VOL.22」鋭意作成中

2014年10月10日 | 議員活動


9月3日から始まった9月議会は一般会計他全特別会計の決算審査があるので2つの常任委員会で計6日間、
その他の議案審議、一般質問、会派及び議員の大綱質疑などで本会議が計5日間、会期は月末の30日まであった。
最終日9月30日の本会議は補正予算の審議で質疑が沢山出て終わったのは8時過ぎであった。

特に紛糾したのが住民ホールの解体工事にかかわって入口付近にある関西電力の土地99㎡(元鉄塔があった基礎部分)
の購入費用629万円を巡っての議論。この土地は現在フェンスで囲まれているが道路には面していなくて、しかも
本町の土地に挟まれているいわば「どうしようもない土地」である。その土地を坪単価約21万円で買うというのだから
その金額の妥当性や、今どうしても買う必要性があるのか等で色々意見が出たが最終的には今回の住民ホール解体に支障
がある、又将来的には隣接する町有地と合わせて有効活用が出来るということで全員合意した。

今回の9月議会では平成25年度の決算審議の他、大阪府から権限移譲で受けるパスポート事務を本町でするのか、高槻市に
事務委託するのかでもめていた案件や「町債権の管理に関する条例制定」、「子ども・子育て支援新制度」に伴う3条例の
制定など重要な議案が沢山あった。

そしてパスポート事務の高槻市への事務委託については私の他4人(平野、戸田、河野、佐藤の各議員)が反対したが結局
賛成多数(自民4人、公明2人の他関、田中議員の8人)で可決した。町民の皆様には大変な不便をお掛けすることになった。
又昨年度の一般会計歳入歳出決算については反対多数で不認定となった。反対7、賛成は自民、公明の6人。
町執行部は大いに反省して貰わないといけない。私は残念ながら3年連続で不認定とした。

私が不認定とした主な理由は
①行政としての説明責任が果たされていない点。特に重要である「広域行政勉強会の方向性や進捗具合と中間報告以来の総括」「し尿中間処理施設の建設候補地の
選定過程や状況について」など住民への説明会実施を要求し続けるも不実行。
②常々何かと言えば財政が厳しいと言いながら肝心の大口歳出項目の削減に取り組み甘い。特に年間2億1500万円も掛かっている電気代の削減に向けての取り組みが
見られない。近隣の茨木市や枚方市ではいち早く関電からPPSに切り替えてそれぞれ年間約6600万円、1億170万円の削減効果を実績として挙げている。
他にも大口工事入札での最低制限価格の設定や事前公表の事後化など歳出削減に対する努力が見られない。
③昨年一部の再任用職員の月額給料だけを大幅にアップ(約10万円)するという不公平な優遇策を断行した。組合からも大きな批判が出た。
④JR島本駅西地区の開発事業が1年以上もストップしたまま何の説明も無い。これこそ住民説明会を実施するべきである。等々他にもあるがここでは割愛。

近々「とのむら通信22号をお届けしますのでお待ちください。

ノーベル物理学賞に続いて平和憲法を守ってきた日本国民にノーベル平和賞を

2014年10月09日 | 日々の思い


先日来の報道で日本人3人の研究者へのノーベル物理学賞受賞に賞賛の声と日本人の誇りなどについて語られているが本当に嬉しい。
今回の受賞者の喜びの中でも特に印象的なのは「実社会の役に立つ研究で成果が出せたことが一番嬉しい」という言葉であった。
我々の生活のあらゆる場面で利用され、恩恵を受けているLEDの実用化にこぎつけた功績は計り知れないものがある。正にエジソン
の白熱電球以来の照明の革命とまで言われる所以であろう。

しかしここに至るまでには素地として多くの研究者の努力があったことも忘れてはならない。と昨日の日経夕刊紙には続報があった。
そこには二人の研究者のことが書いてあった。一人は赤色のLEDを開発した米国イリノイ大学のニック・ホロニアック教授でもう一人
はその赤色LED(開発当初は暗かった)を明るい赤色に光らせることに成功した東北大学名誉教授の西沢潤一氏であると。氏はその後
緑色のLEDも開発し、光の3原色のうち2色が1960年代に実用レベルに達した。そして今回受賞の対象となった青色のLED開発である。
3色のLEDが開発されるまでの歴史においてこの二人の貢献も忘れてはならないとのこと。

いよいよ明日にはノーベル平和賞の発表がある。去る7日の朝日新聞には「ノルウエーの民間研究団体であるオスロ国際平和研究所が
予測したところでは日本の平和憲法が1番の候補になっている」という記事が掲載されていた。
集団的自衛権の行使を容認するという閣議決定をしたり、防衛装備移転三原則と称して武器の輸出を事実上解禁したりと今の安倍政権は
全く平和憲法に反した行動が目立つ。今回平和賞が決定したら(受賞対象は日本国民の筈)一体どうするのか。世界が注目している。
いずれにしてもこの平和憲法をノーベル賞候補に申請したという一主婦にアッパレをあげたいものである。明日が楽しみである。