続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

なぜ?島本町で出来ないの?「パスポート申請事務」

2014年09月12日 | 議会活動

画像は9月11日の朝日新聞朝刊北摂版の記事(小さくてごめんなさい)
記事では「来年1月5日からは島本町で手続きできるようになる」とあります

先週9月3日から始まった島本町の9月定例議会では平成25年度の決算審議の他条例制定など多くの議案があります。
中でもこのブログで再三書いてきました大阪府からの権限移譲により本町が受けるパスポート事務を高槻市に委託する
という議案が理事者より提案され、先週5日の本会議において賛成8、反対5という僅差で可決しました。
私は猛然と反対しましたが残念ながら可決されてしまいました。

今週は2つの常任委員会に分かれて昨年度の決算数値、事務事業の全てを詳細に審査していますが、その最中、昨日
朝日新聞朝刊北摂版に上記の記事が掲載されました。この記事を見た人は誰もが身近な役場で申請が出来るものと
喜ばれると思います。このような案内は本年4月の「府政だより382号」にも掲載されたことがあり、読まれた方も
あるのではないでしょうか。(朝日新聞を購読の皆様もびっくりなさることでしょう)

なのに実際は高槻市のパスポートセンター(JR高槻駅前クロスパル高槻)まで行くか、従来通り大阪府パスポート
センター(谷町四丁目)に行かなくてはなりません。不便この上ない。何のための権限移譲かと言わざるを得ない。
わざわざ高槻市にお願いしなくても本町で出来る事務を何故依頼せねばならないのか納得させるだけの説明はありません。
しかし8人の議員が賛成した結果ですから(反対は私を含む5人)仕方ありません。詳細は又追って「とのむら通信VOL.22」で
報告させて頂きます。


アベノミクスは大丈夫か?そして終わりの始まりか。

2014年09月06日 | 雑感


先日のブログ(8月28日)では日本の経常赤字が過去最大の6兆円に達し、日本経済の先行き不安について書いた。
そして昨日は5年11カ月ぶりに円が一時105円71銭の安値を付けた。対ドル105円という水準自体はそんなに安値ではない。
過去10年くらいのスパンで124円台の円安から75円台の円高という変動幅の中でどの辺りが妥当な水準であるかの判断は
難しい。為替相場はその時々の世界の経済情勢に左右されるし、それぞれの国の景気状況や経済構造によっても変わる。

内需に乏しい日本経済の構造は国内で生産した物を輸出して(殆ど外貨建て契約)対価をドルやユーロで得ていたので円安に
なると手取り収入が膨れあがり、円高になると手取りが目減りするということで過度の円高は困るという構造でした。
当然ながら一方では原油や食品、原材料など殆どの資材を輸入に頼っている日本としては円高の方が購入原価が安くて歓迎
という構図は以前からあった。しかしその構図も一昔前で今や輸出産業の代表格である自動車の海外向けは殆ど海外で生産
している状況であり、円安効果は低くなっている。むしろ海外から購入している部品なども多く相殺されている。

特に福島での原発事故以来殆どの原発が停止している状況下では最大の電力供給源である火力発電用の原油などエネルギー
輸入をはじめ、金属資源、食糧資源などあらゆるものを輸入に依存している日本としては円安による原油など輸入物価の
上昇による諸物価の高騰というマイナス効果の方が大きくなって来ているのでる。従ってここ10年くらいの長きに亘って
1ドル100円以下の円高水準の中で頑張って来た日本経済が急激な円安になると一部の業種(自動車や電機、機械など)を
除けばそのマイナス効果の影響が大きくなり、既にガソリンや多くの食品が値上がりしている。

その上今年の4月から消費税をアップし、更に来年には又10%にまで上げようと安倍政権はもくろんでいる。その一方で
大企業が恩恵を受ける法人税は減税するという。庶民から取った税金を企業に還元し、そして早速経済界は自民党への献金を
検討し始めた。正に弱い者いじめのアベノミクスである。日本もアメリカ同様だんだんと格差社会になりつつある。
超金融緩和政策による円安誘導は株高というバブルを生み出し、株を持っている一部の富裕層だけが恩恵を享受し、一方では
円安によって輸入品や海外旅行費用はじめ、食料品などあらゆる商品の値上げが今後とも続くなど庶民の生活を直撃している。

元来円安政策というものは経済の禁じ手であるはず。円が安くなるということは国際社会における国の価値が下がることであって決して
歓迎すべきものではない。やっぱり強い円が日本にとっては望ましい。このまま円安が更に進めば輸入大国日本は大変なことになる。
我々庶民の暮らしも更に厳しくなる。海外旅行にも行けなくなる。国債も誰も買わなくなり、金利も上がるだろう。
それも一時的な円安でなくじわじわと長期にわたって円安が続くのではないかと心配している。なぜなら借金がGDPの230%もある国は
世界中どこにもない。その借金の利息を払う「利払い費」だけでも毎年25兆円ほど必要で、国の税収の半分近くがそれに消えるのである。
今回の急激な円安にはアメリカの利上げ観測があるという。アメリカは未だ健全である。片や日本は利上げなど永久に出来ない国になって
しまっている。1%利上げすればそれだけで借金が10兆円以上増える計算になる。もうどうにもならない借金地獄に陥っているのである。
金融政策を担当する上で利上げが出来ない構造になってしまえば打つ手は限られ、危険な水域に入りつつある。日本国民はもうずっと前から
ゼロ金利を強いられ、本来なら得られた利息収入は全て国策によって召し上げられたのである。これは言い換えれば税金として納めたのと同じ。

先ごろ政府が来年度予算の各省からの概算要求案をまとめた結果約100兆円だったそうである。税収が50兆円くらいしか無いのに
どうしてこんな予算になるのか。いつまで赤字国債の垂れ流しを続けるのか。アベノミクスは破綻に向かっているとしか言いようがない。
何故ならこんな状況下にあっても安倍政権の中枢の誰一人「財政債権、歳出改革」を唱える人物がいない。それでいて支持率が上がるとは
不思議な国である。早く憂国の政治家が出てきてほしい。今すぐに。

本日の島本町9月定例議会(3日目)にて旅券申請事務の高槻市への事務委託可決

2014年09月05日 | 議会活動


今定例会での注目議案のひとつであった「パスポート事務の高槻市への事務委託」案件が賛成8、反対5で可決された。
本案件の最大の争点は、大阪府からの権限移譲による旅券発給事務を本町単独で行うか、それとも高槻市に事務委託しての
広域連携で行うかの議論であった。(高槻市は2年前に権限移譲を受けて駅前にパスポートセンターを開設済)
しかし問題は単に2者択一の話ではなく、昨年11月に本町が大阪府に対し事務移譲を申請した時点で町の理事者側は議会に
何の報告や相談もしないままに高槻市への事務委託を前提として事務移譲を受け、着々と進めて来たたということにあった。

本来なら大阪府に対して事務移譲を申請する前に本町単独でやるか、或いは隣の高槻市との広域連携でやるのか、どちらが本町の
住民にとってベストな選択であるかを先ず議会に報告し、議論した上で最終的に高槻市に委託するのがベストという合意形成後に
お願いをするのが正当な手順である。しかも昨年12月3日に高槻市に事務委託の検討をお願いした後の9日になってその事実を本町議会に
報告するという始末で議会軽視(住民軽視と同義)も甚だしい。それにその際の報告ではあたかも高槻市に事務委託するしか権限移譲を
受ける方法は無いかのような説明に終始した。

ところが年が明けて本年4月21日の全員協議会において初めて、「本町単独でも受けられるが高槻市との広域連携で行う選択肢もある」
と、両方(本町単独で受ける場合と高槻市への事務委託した場合)のコスト比較を示して説明したが数人の議員から多くの問題点が指摘
された。多くは「本町で出来る事務を何故わざわざ高槻市にお願いするのか、経費縮減効果があると言っても大きな額ではない。何の
ための権限移譲なのか、役場で申請できるのが最大の住民サービスである」などの意見が出たにも拘わらず「住民サービスの点では色々
議論はあると思うが出来れば広域的な形でお願いして実施したい」と訳の解らない説明、説得に終始した。

しかしその後も多くの問題点を指摘する声に耳を貸すことなく粛々と事務委託に向けて進め、結局は本9月議会での審議、採決となったもの。
私はこの案件が最初に報告された時点(昨年12月)では本町単独でも出来る事務という認識は無かった(そういう説明もなかった)ので高槻市
との広域連携で出来るなら有難いと素直に思っていた。しかし事実は違った。
そして本町単独でも出来る事務だと判った時点からは一貫して「住民サービスの観点を最優先に考えれば役場で申請出来るに越したことはない」
町サイドが示した事務委託した場合の経費縮減効果にしても高槻市に支払う事務委託料を考えれば本町で行った場合の差引はたった年間97万円
(日曜交付なし)であり、「そんなものは高槻市まで行かなくてはならない不便さと交通費負担を住民に押し付けただけのもので経費削減とは言い難い」
正に詭弁である。
又昨日からの議論や今までの進め方を見ると町理事者側の本音は本件の事務委託を契機として今後の広域連携の試金石にしたいという思惑が働いており、
住民サービスの視点などさらさら無い様である。それに本件を過去何年もやってきて成果の無かった高槻市との広域行政勉強会の成果にしたいと考えての
ことなら本末転倒も甚だしい。一体誰の為に働いているのか、島本町民の利益代弁者ではないのか等々と述べて事務委託には断固反対した。

しかし本日の採決に際しては「高槻市が事務委託を受けてくれるならこんな有難いことはない」という意見を述べて賛成する議員もあり、あまりにも
論点や視点が違いすぎて悲しくなった。どこが有難いのか全く理解できない。

兎にも角にも来年1月5日から島本町民がパスポートの申請を行う場合は高槻市のパスポートセンターに行くか、大阪府のパスポートセンター(谷四)
でするかの選択が出来ることになります。聞くところによると高槻市のセンターでは混雑する時期には3~4時間待ちということもあるらしい。
島本町で申請が出来たならそんなことは絶対にないことだけは確かである。