続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

無為な時間だけが流れ、国益を損なう日露だらだら交渉

2018年09月12日 | もっと毅然とした態度で交渉すべき


いったい何年かかっているのだろうか。北方領土の返還は日本国の悲願ではあるが交渉相手であるロシアの行状を見れば
返還する意志などとうてい見られない。現に交渉中にも拘わらず港湾整備やロシア人の移住を積極的に進めるなどやっている
ことは全く日本を馬鹿にしている。返還する気があるとロシアが言うのならば日本政府は毅然とした態度でそんな行動を戒める
べきではないか。そんなこともしないでだらだらと交渉ごとを引き伸ばし、経済援助だけを求めてくる相手にいいかげん
どこかの時点ではっきりさせなければ国益を損ねるばかりである。安倍政権の本気度を疑うと共に日本側に交渉に対する策の
無さが浮き彫りになっている。

プーチンは北方領土返還に慎重になる理由として「日米同盟」の存在に言及しているという。日本が日米同盟を安全保障の
軸にしている以上簡単に返せない。なぜなら北方領土に在日米軍基地が作られる可能性が否定できないからだという理屈。
日本に対し不可能な無理難題を言って返還出来ない理由を正当化しようというロシア側の魂胆と作戦に対し日本政府はどう
いうカウンターを出して対抗しようとしているのか国民には全く戦略が見えない。無策としか言いようがない。

今回の「東方経済フォーラム」においてもプーチンは更に自国に都合の良い「領土問題棚上げ、経済活動先行」みたいな
勝手なことを言い出している。日本の主張、立場を全く解さない態度で交渉ごとを進めようとする傲慢な姿勢である。
報道ではロシア側は「歯舞・色丹だけ」を返還しての決着を図ろうとしていると言うが、本当に歯舞・色丹は返還する気
があるのだろうかと私はそれさえ疑う。なぜならロシア側は何かといえば領土問題は既に第二次大戦の結果で結論が出ている。
日露両国間に領土問題は存在しない。と公言している。仮にも歯舞・色丹を返せば次は必ず国後・択捉返還交渉に続く。
そんなに簡単にロシアが返還に応じるとは思えない。それよりも「返還」を餌に果てしなく経済協力を引き出そうというのが
彼らにとって最善の交渉継続術に他ならない。日本はロシアが返還出来ない理由としている点、論拠を一つ一つ正攻法で
覆す交渉を正面切って行うべきである。それでもお互いに歩み寄れないなら交渉打ち切りを宣言すれば良い。相手がどう出るか。

人口減少が顕著な日本、ましてやまだまだ開発の余地がある北海道の開発や今回の大地震で大きな打撃を受けた地域の復興にこそ
今は限りある血税を投入するべきと考えるがいかが。領土返還の気配をちらつかせながらのらりくらりと経済援助を獲得する魂胆の
交渉にはいい加減けじめを付けるべきである。
今回プーチン氏が「前提条件なしの平和条約締結」を言い出したのを機に領土問題が解決しない限り、経済援助もしないとはっきり
言って一定の区切りとするチャンスであろう。政府には毅然とした態度・覚悟で交渉に臨んでもらいたい。こう思うのは私だけか?