道場には、いろんな方がやってこられるが、
その中に、Hさんという方がいる。
まだ、弓を始めてそう日が経っていないHさんは、
「もういつ死んでもいいくらいかな」と笑って言われた。
もうお孫さんがいる「年齢」だからそう言われたのではない。
仕事もしっかり働いて定年になって、子供も大きくなり、
その後、自由に好きなだけ楽しい遊び事もやってきたから、
「もう、いつ死んでもいいくらいかな、ははは」ということらしい(笑)
聞けば、旅行にしても、世界中の行きたい国をあちこち旅して、
国内でも、スキーに温泉にと、充分楽しんできたのだそうだ。
よく働きよく遊んで、人生を悔いなく満喫してきた人の言葉である。
さらに、今は、座禅や弓道をやってみたいと、朝晩に励んでおられるのだ。
それで俺はこう言った「僕は、まだ死んでも死にきれないですヨ~」(笑)
確かに、好きなことに打ち込んできたから、その意味では悔いはない。
でも、そのために、俗世間の楽しみはほとんどすべて捨ててきたようなところがある。
また、志を抱いてはいても、何も成し遂げてもいない。
悲しいかな、世の中のなんにも役に立ってもいない気がするのである・・。
今の自分には、弓道と美人画という、2つの打ち込める道があるわけだが、
まあ、血液型がB型なので、何かに打ち込んだら他の事がどうでもよくなる性分だから、
世間一般の遊び事などには、あまり励まずに昇天しまいそうな気がする・・・あーあ(笑)
どっちかというと、修行僧みたいな生き方しか出来ない人間なのかな~~。
昨日は、稽古の帰りに、そういう話になって、
まったく、人それぞれに人生があって、おもしろいものだな~と思った。