本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

先生の読書1 (司馬遼太郎 会田雄次 村上陽一郎 宮本輝 横山秀夫 庄義和 マークブキャナン)

2006年12月18日 | メルマガ関連記事




当教室では、毎月発行しているメルマガで、講師の方々が、生徒や親ごさんへお薦めの本を紹介しています。

先月は 『厚さ1センチ(10ミリ)以下の本』 を特集し、大変好評でした。


12月号では、他人に薦めるというより、 ご自分の “心に残った忘れられない一冊” ということで特集をしました。講師によって、紹介の仕方も長さもバラバラなのですが、大変興味深い本が並んだと思いますのでご紹介します。


私だけでなく、他の講師も多くおりますので、書いた方の名前はふせておきますが、すべて当教室の講師陣が書いたものです。


こういう本に夢中になると塾講師になるらしいです(笑)。 おもしろいと思いますよ。ではどうぞ。

 



【竜馬がゆく】 司馬遼太郎 著 (文春文庫 全八巻 各620円)


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明治維新の原動力として活躍した坂本竜馬の生涯を描いた歴史小説。著者の幅広い知識と鋭い表現力で、気がつけばこの世界に引き込まれるはず。幕末という激動の時代、誰もが固執した考えをする中、独特の感性で時代の先を見据えていた竜馬の生き方は、この本を読んだ人の心にきっと何か響かせてくれるでしょう。

どのような志を持ち、自分の人生を生きていくのか…。この先大人になり社会へ羽ばたいていく前に、この本と出会っておくのも良いと思います。

 

 

 


【日本人の生き方】
 会田雄次 著(講談社 525円)

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本は人に貸すとなかなか返ってきませんね。本書は結局3回買っています。最初に読んだのはまだ大学生時代でした。私が受験で使った社会の科目は、倫社・政経でしたので、歴史や地理はまったく知らないまま大学生になったのですが、本書を読んですぐにそれを悔やみました。

自分が日本人であるとはどういうことか、歴史的背景抜きの英語の知識だけではどうしようもない、国際人などとんでもないとつくづく思い知らされた一冊です。大げさに言えば、自分のアイデンティティーを確認した本ということになるでしょうか。

 


 

【ペスト大流行—ヨーロッパ中世の崩壊】 村上陽一郎 著(岩波新書735円)

ペスト大流行 村上陽一郎.jpg詳細を見る

歴史を語ろうとする者なら誰も、今日の立場からの解釈は可能な限り抑制し、できる限り過去の時代そのものに肉迫しようと努めるものですが、私達が「同時代人」たり得ない以上、自らの設定した座標軸にしたがって、過去が今日の状況に対して持つ因果関係をもっぱら問うといった過ちを犯す危険は常にあります。

本書の著者は、科学の歴史を、人間が「より真実へと」近づいていく過程と見なす事に対し、常に批判的な立場から数多くの業績を残してきましたが、本書でも中世の西欧で3000万人の命を奪い、封建社会を根底から揺り動かしたペストの大流行について、無知ゆえに深刻な事態を招いたといった安易な視点を禁じ、未曾有の事態に直面した当時の西欧世界の知的枠組み、さらには伝染病が招く人心の動揺、社会の混乱といった二次的惨禍に至るまでを克明に描き出しています。

ところでペストがまさに最盛期を迎え、手の尽くしようもなくヨーロッパが滅亡の危機に瀕していたとき、ペストの伝播源であったクマネズミの天敵ドブネズミの大群が突然ヴォルガ河を西に向かって移動していったという実話をご存知でしょうか?

 



 

【錦繍】 宮本輝 著 (新潮文庫 460円)

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著者は私が好きな作家の一人で、多くの作品を読みました。その中で本書は大人向けの内容としては心に強く残った一冊であり、名作と言えるかもしれません。手紙のやり取りだけで話が進みます。言葉の美しさも感じられる素晴らしい本です。

 



 

【灘中の数学学習法】 庄義和幸田芳則 著(日本放送出版協会 672円)

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灘中の数学学習法ということで、どれほどのものか興味があり手にとってみました。もちろん、灘中に通っている生徒の吸収力・レベルが高いということもあるのですが、これほどまでのスピードでカリキュラムを消化しているとは思わなかったです。

中学の段階で高校生の内容を扱えるのは、カリキュラムがしっかりしているからでしょう。普通の一般公立中学との差は大きくなるいっぽうだと感じました。また付録として、定期テストの問題と答え・使用している本などが上げられており、この一冊で日本トップクラスの数学教育を見せ付けられた感じがします。



 


【出口のない海】 横山秀夫 著 (講談社文庫 620円)

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大好きな野球と恋人を投げ打って戦争へ。任務は生きて帰れる可能性ゼロの人間魚雷。潜水艦ごと敵に突っ込むという極限の恐怖の中でも、主人公は崇高な反戦メッセージを伝えてくれます。


 


【歴史の方程式】 マーク・ブキャナン 著 (早川書房 2425円)

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歴史的な大事件や大事故が起こるたびに思い出すのが本書です。地震や台風などによる惨禍は、どうしようもありませんし、誰も阪神大震災は防ぐことができたとは考えないでしょう。しかし人やその集まりである国家が引き起こす紛争や戦争、あるいは不注意による事故ならば無くすことができる、またはそうすべきだと考えます。

ところが、現実の社会では、事故も戦争もなくなりませんし、ありえないと思われることが、実は次々に起こっています。自然災害も人が引き起こすものも実は似た法則(方程式)で起こっていて、そのカギはべき乗にあると主張する一冊です。

最新の物理の知見と歴史をミックスさせた非常に刺激的な一冊でした。  





以上です。


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■■
 ランキング ■■


最後までお読みいただき、ありがとうございました。いかがでしょうか。時々こうして、他の人の紹介する本が登場しますと一気にブログの幅が広がったようで、大変私はうれしいのですが…。

なかなかおもしろかった、あるいは少しは参考になったと思われましたら、応援のクリックをいただけるとうれしいです。 
 

    
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2006年 【笑い納め】 スットコグランプリ!(ジョーク・お笑い)

2006年12月17日 | スットコ ・ 川柳




■■■ 年忘れ!2006年スットコグランプリ! ■■■


 

はじめてのスットコくんのおかげで、今回はリラックスしております(笑)。


まぁまぁまぁ、今年も楽しいできごといっぱいの 特訓教室・中川適塾 でした (^_^)v。 


例年のように、スットコ大賞を決めようとしたのですが、今年の作品はみな趣味が違うのか、採点結果がば~らばら。

 


 三日三晩考えても結論が出ず…。 



こうなったら もうヤケクソです。



めんどうなので上位作品をぜ~んぶ紹介しちゃいます!!(^^)!



(あ~っと、念のために外部の方に言っておきますが、当教室は20年もやっている立派な進学実績を誇る名門塾ですよ(笑)。いや、ほんとに。断じてこんなヤツらばっかではありません(あっ、言い過ぎたゴメン)。 でもね、知らない人が読んでしまうと、“何だ、何だ、とんでもない塾があるぞ!”って誤解されるのが、とってもこ・わ・い(笑))

 

 
笑い納め!今年のグランプリ、長いですよ(笑) それ! 


 

 

\(^o^)/





■ ( ^^) _U~~ 見逃さない・聞き逃さない ( ^^) _U~~ ■



 

★★★ まずは上品にまいりましょう (*^_^*) ★★★


  “アメリカ産” の牛肉が輸入再開…


生徒 『でも、なんで アメリカに“さん”づけ するんでしょうね?』


日直(オホホ。ごていねいな生徒さんでございますこと)





★★★ まだまだ軽く… (^^) ★★★



中1数学です


講師 『“不等号”って知ってるかな?』

生徒 『学校に行かないことでしょ?』


(日直:><, ≧≦,ですね。ん~っ、ピッタリの顔文字)



 


★★★ そろそろお昼、新作弁当発売 (^_^)v ★★★


講師 『コンビニの弁当っておいしいのか?』

生徒 『おいしいですよ、ええ。 特にこの


             “丸の内” 弁当  

                              めっちゃうまいっすよ 』


(日直:地下鉄限定でしょう(笑))




 

★★★ ここで、緊急のニュース・ 新会社設立! (#^.^#) ★★★


最近、塾からの連絡は携帯メールを希望する生徒が増えてきたので、アドレスを教えてもらいました。そのアドレスを見てみると~

 
 
        【○○○@bocomo.ne.jp】



(日直:ボ・ボコモ!ぼこも!ソフトバンクに強敵現る!)


 






 

■■■ (^_-)-☆ すてきな ボケ(^_-)-☆ ■■■



 

★★★ スタートが肝心! <`ヘ´> ★★★


4月から中学生になる小6の3人組。これが初めての英語の授業です。


講師 『普段、君たちはすでに英語を使ってるんだよ。例えばどんな言葉を使っているかな?』


A君 『ナイス、とか?』

講師 『そうそう、よし、いいぞ。次、じゃあ、B君は? 』

B君 『う~ん、ドンマイ!』

講師 『あ、惜しいなぁ~。えっとね、英語では “ネバーマインド”っていうのが正しい。

     ちょっと難しいけどね…次C君は? 』



C君 『えっと、 OK牧場! 』


講師 『 こ・こいつ… (-_-メ) 


(日直:やまだく~ん、ザブトンぜんぶ持ってって!)





 

★★★ みなさん! 突っ込んでみて下さい (^0_0^) ★★★

 

講師 『俗に“三重苦”と言われた、ヘレンケラーはみんなは知ってるよね?』

生徒A 『え~と、あの、何かの戦争で頑張った看護婦でしょ???』

講師 『何言ってんだおまえ。それはナイチンゲールだろう!ったくも~ 』

生徒B 『ヘレンケラーか?あっ、知ってますよ、あの 超能力の人 でしょ』


講師・他の生徒 『???ちょ~の~りょく~?????』



・・・・・・ はいどうぞ!・・・・・・



講師 『   ばかもん!

  
         そりゃお前 


     
  ユリゲラー だろ。う~ (ーー;) 



(日直:ヘレンケラーがユリゲラーと!昔、サリバン先生を “タリバン先生” というのもありましたね~)




 

★★★ こりゃまた奇想天外 ヽ(^。^)ノ ★★★



講師 『人種のルツボにたとえられるアメリカの都市ってどこ?』

生徒 『だから私そういうのわからないって。地理とか全然知らないしぃ』

講師 『まあでもアメリカの大都市だから絶対知ってるよ』

生徒 『どうせまた笑うんでしょう』

講師 『笑わない笑わない。間違ってもいいから。さあ、アメリカの大都市!』


生徒 『う~ん...


           ネパールとか?』


講師 『 く~ 』



(日直:なんでネパールかなぁ~。ファンになりそうです(笑))

 



 


★★★ ずっと言ってなさい! <^!^> ★★★

 
   授業で TOEIC の練習中


生徒 『ネガティブだったらリスニングも楽でしょうね』

講師 『???』

生徒 『ネガティブだったらなぁ~、ね先生』

講師 『??!』(ひょっとして…)


生徒 『ネガティブ・スピーカー だったらなぁ~』


講師 『ネイティブだ!ちゅうの(怒)』



(日直:ふつう、あきれて授業放棄ですね(笑))




 


★★★ モウ、まったく“モ?” ヽ(^。^)ノ ★★★


  高2の授業中です。

講師 『そろそろ試験だけど化学は大丈夫か?』

生徒 『いや、かなりまずいです』

講師 『質問して良いぞ。範囲は?』


生徒 『 モネ とか・・・』



講師 『お~ 印象派 ですな』


(日直:モルは苦手な人が多いんですが、いくら何でもモネとはねぇ~(笑))


 



★★★ 必殺単語学習法 ( ..)φメモメモ ★★★



 中学1年生が英単語の書き取り練習中…。


生徒 『(何やらぶつぶつ) コメ、コメ、コメ… 』

講師 『何て単語覚えてんの?それは』

生徒 『カム(come)です』

講師 『come!? それがコメ? そういう覚え方はやめなさい 』

 
・・・しばらくして know (ノウ)の練習へ・・・



生徒 『 苦悩、苦悩、苦悩、苦悩、苦悩


講師 『 だからやめなさいってば!


日直(そうなると、someはソメさんで、cameはカメさんかぁ~)

 

 

 


●●● !(^^)! 最強のスットコくん !(^^)!  ●●●

 



★★★★★ こんなご家庭も <m(__)m> ★★★★★



講師 『どこか海外へ行ったことあるかな?』

生徒 『去年、ヨーロッパへ 10日間行きました。フランスとかイギリスとか…』

講師 『お、すごいねぇ、家族みんなで?』



生徒 『お父さんは行きませんでした。


      犬の世話 をしなくてはいけないので』



(日直:お目にかかったことはございませんが、お父様、ファイト!でございます

 


 


★★★★★ 何の話? (T_T) ★★★★★

 

講師 『英語で“赤道”のことをイクエイター(equator)という。

    赤道って、地球をちょうど半分ずつに分けるだろ、

    だからイコール(equal)と同じ語源。覚えやすいだろ?』


生徒 『…?』


講師 『あれ?ちょっちょっと、お前、赤道って知ってんのか?』


生徒 『おっす!知ってます』


講師 『ホントか?』


生徒 『おっす!大丈夫っす』


講師 『どこにある?』


生徒 『え、どこって、そりゃ先生…、


     北朝鮮と韓国の間にある~~、う~



       あれ、たしか~ 37度 だったかなぁ~』



(日直:場所も数字も違っております、違いすぎです(笑)



 


★★★★★ 女らしさ・・・ (^0_0^) ★★★★★

 

講師 『母の日って何かあげたの?』

A子 『一応、毎年お花をプレゼントしてるよ』

講師 『ああ、さすがに女の子だね』


A子 『だろ?』


(日直:これ、わざと?だとしたらセンス抜群!すぐに吉本へ入れましょう )


 






   △△△ おまけ:先生編 (^^♪  △△△


チラシを新しく作るために相談する先生たち。小耳に挟んだ会話を。ふふ…


講師A 『いやぁ、どうも フォント が違うみたいなんですよね』

講師B 『え~っ それ、“ふぉんと” ですか?』    

(日直:忙中笑有り 






いやはや、お疲れさまでした。再浮上のきっかけに(笑)。よろしくお願いしま~す。(@^^)/~~~

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ブログの達人 リンク集 (おすすめサイト・お気に入りブログ)

2006年12月16日 | ★ブログの達人リンク★




討ち入りの日も過ぎましたし、師走も半分経過、東京では雪こそ降らないけれど、いよいよ本物の年末だなぁ~と…。 

 

今日は授業も無かったので、記事をアップせずに、のんびりと冬期講習のテキストなどの用意をしておりました。


24日からの冬期講習に入ってしまうと大晦日までが授業で、元旦まで休みが無くなりますので、今のうちに講習の準備と、ブログの整理や他のブログへおじゃまして、楽しく過ごしていたんですが、思いがけず、こちらへリンクを貼っていただいているものも発見したりして、アドレナリンが出てしまったのか(笑)、よ~し、やっぱり一覧を作ろうと、こうして記事にしてしまいました。あれ??? φ(..)メモメモ

 

 

そもそもですね、gooブログは、お気に入りが30しか入らない(のがいけない)し、(自分がきちんと時間を作って相互リンクの記事が作ればすむことですが…、) 申し訳なく思っているところですが、せめて、時折、感動コメントいただいている方や、おじゃましている方のブログへリンクのページを作っておきたいなぁ~と。つまり私にとっての…



ブログの達人” リンク集!です




(まだ達人、名人、神様や仏さま(笑)まで、いらっしゃるのですが、アドレスなどが見つからず、とりあえず最近の達人を集めてみました。いずれきちんとご紹介のページができれば良いと思っております。)

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■

 


ふるさん 『 ふるちんの魑魅魍魎 』 

アホと知の融合をめざす40男の孤独な低空飛行




haru
ママさん 『 これでも子の親!? 』

こんな私でも子供を育ててます。妻・母・派遣社員の3役をテキトーにやってる、気ままな私の日常を書いてます。

 



雨さん 『 雨日記 』

AMラジオと本が大好き運送屋、雨ちゃんの生き様を未来世紀に伝えるバイオグラフィ。今日も行く行く三多摩を。東京を。君の心の迷路を。




Elleさん 『 キューティ・ブロンド大好き 』

お料理やかわいいものが大好きなElleです。



 


ゆうろういんどさん 『 一口馬主のつれづれ日記 』

一口馬主の悲喜こもごもを語ります。ほかにも小説の感想や旅先で感じたことなど、気の向くままに・・・


 


キャンキャンさん 『 みんなのお蔭~難病だけど幸せです 』

難病「不全型腸管ベーチェット病」を発病して9年。でも家族や友人や病院スタッフに恵まれて、病気に負けることなく前進しています。エンブレルという注射を週2回自宅で打ちながら、療養しています。そんな私の類まれな日々を記していきたいと思います。

 



風龍胆さん 『 風と雲の郷 』

読書と時折の旅と…


 


お絵かき爺さん 『 お絵かきじいさんのある日 』

水彩画、本、時事問題、コラム、あるじいさんの日常より


 


シニアブロガーさん 『 須磨寺ものがたり 』

神戸・須磨・須磨寺の地域に関する情報、雑記、自店の紹介


 


カヲルさん 『 ふたりdeぶろぐ 』

多種多様な趣味を持つふたりのブログ~絵本、プロレス、切手など~


 


シンさん 『 シンさんの偽哲学の小部屋 』

部屋主が本やら食品(主にコンビニ)やらを、独断と偏見によりランクづけし内容についてつぶやくブログです。


 


すずさん 『 What A Woderful World ! 』 

本&漫画&映画&音楽、好きなものを語ります。


 


kumeさん 『 未題のブログ 』 

もう一生?!タイトルは『未題』のままに決めました。今更、思いつかないし。


 

 


“おれを忘れている”という方、もしいらしたら本当にごめんなさい。リンクを貼ったコメント下さい。また、もちろん逆に “迷惑だからやめて” という方も、どうぞご遠慮なく、勝手にやってしまいましたので。


“とりあえず” という、自分の情報整理で、それぞれが個性的、魅力的なブログです。つまり、私のお気に入りですが、よろしければ、みなさんも訪れてみて下さい。


ありがたいことです。これからも増えますように!

おやすみなさい。 

 


2006年父母が選ぶ 【教育界10大ニュース】 教育問題他

2006年12月15日 | コラム・備忘録




■□■ 2006年父母が選ぶ教育界10大ニュース ■□■
**************************************************

 

当教室では、毎年12月、お子さんを通わせていただいているご父母の皆さんに、この一年にあった教育関連のニュースの中で、もっとも関心の高いものを選んでいただくアンケートをお願いしております。

それをメルマガでお知らせしているのですが、今年はこんな結果になりました。解説と総括を私がしましたので、それを記事にしました。


●●●●●●●●●



■第10位■

【4年制私立大学の定員割れが全体の4割超】


少子化により定員に満たない大学が過去最多の222校です。各大学必死で特色をアピールしています。亜細亜大学では一芸入試があるためか、ジャニーズ系を含め、芸能人がとても多いですね。松たか子赤坂晃石田ひかり小原裕貴加藤あいベッキー斉藤祥太 など、まだまだいます。

四国学院大学では日本版アファーマティブアクションとして、被差別出身者、在日韓国・朝鮮人、アイヌ、沖縄および奄美諸島出身者、身体障害者、キリスト者などを対象に別枠の入試を設けています。他にもご紹介したい事例はたくさんあります。大学選びは慎重に。


■第9位■
 

【早寝・早起き・朝ごはん運動の開始】

ついにここまでやるかというニュースです。子どもの生活習慣を正すのは、本来家庭の役割ですね。『食育』という言葉もあっという間に定着しましたし、それ自体は大変良いこと、大切なことですが、何よりもまず、親の生活習慣から見直さないとどうにもなりません。

 
■第8位■

【公立学校の教員給与の見直しへ文科省が着手】

ここ数年、教員に対する風当たりは強まる一方です。確かに不祥事が多すぎますね。給与、年金他、さまざまな保障が民間と比べて厚すぎるという声も大きくなってきましたが、本当に給与にまで手を付けられるでしょうか。


 ■第7位■

【教育基本法改正法案、反発強まる】

安倍内閣の目玉とされる教育基本法改正ですが、賛否両論です。政治色の濃い問題で、議論がわかりにくいですね。基本法改正は、ここ数年、ランキングの選択肢に入っておりましたが、今年が初のランク入りです。教育基本法はわずかA4で1枚ほどです。ぜひお読み下さい。逢坂先生が4年ほど前のコラムで、問題は10条だと指摘されました。

→ http://tokkun.net/merumaga0301.htm  (逢坂先生のコラム2003年1月) 
→ http://tokkun.net/kihon.htm  (教育基本法)



■第6位■

【教員免許の更新制を検討。当初10年の期間も短縮か】

ここでも問題教員に対する、ご父母の強い問題意識を感じます。教員の資質向上が急務だとはいえますが、具体的方策は実現が難しく、免許更新が10年では長すぎると伊吹文科相は発言しました。

それだけでなく、講習会や研修の受講だけで更新できてしまうのであれば、効果も疑わしいですね。校長の人事裁量権を強化するなどして、引き受け手の無い教員を再教育、解雇するというような制度の方がずっと現実的だと思います。



■■ 第5位 ■■

【国は少子化対策も、子どもの数が25年連続減少】

これはもう教育分野を越えた社会問題です。児童手当てを少し増やすくらいでは、解決できないでしょう。女性が働きながらも安心して子育てできる環境をという考えは、言うは易く、行うは難しです。年金の問題や労働力不足の問題、ジェンダーなど、あらゆる角度から議論されます。

教育界に関して申し上げれば、少子化で、塾は自然に淘汰が進みますが、学校や教員のリストラクチャリング、理想の将来像が、具体的に議論されるべきだと思います。もっと学校間に競争をさせるのか、また国立大学が定員を大幅に減らして学力水準を保つのかなど、予算を含め議題はたくさんあります。


 
■■ 第4位 ■■

 【タウンミーティングでやらせ質問発覚】

教育基本法改正に賛成の人でさえ、この事件を聞けば考え直すのではないでしょうか。基本法改正より文科省の解体が先だと。さらに法務省や国土交通省でもやらせが発覚しており、日本の行政すべてに不信の念を抱かせます。発言を依頼し謝礼を払っただけでなく、経費の水増しまでしていたというひどい内容です。

国民の声を聞いて政策に活かすなどというのは表向き、裏で買収した上でのやらせ質問劇で、自分たちの政策を押し付けるという構図です。 国民をだましているだけでなく、税金を横領しているのに等しい行為だと思うのですが、こういう場合はなぜ誰も解雇や逮捕されないんでしょう。お金持ちである首相や閣僚などの政治家が給与を返金して片付ける問題ではないでしょう。

省や党ぐるみでやっているというのなら、根本的に国民をなめていますね。

 


■■■ 第3位 ■■■

【センター試験リスニング導入元年。トラブル続出】

今年のセンター試験から導入されたリスニングテスト。プレーヤーの不具合は約50万人の受験生の中で、460人程度と0.1%未満です。つまり99.9%以上は問題がなく、大きな混乱や影響はなかったのですが、ご父母の関心が非常に高く、3位にランクインです。やはりご自分のお子さんが試験を控えているという、当事者ならではの不安がアンケート結果に現われた形です。

 

 
■■■ 第2位 ■■■

 【未履修問題が発覚。全国663校。受験直前期に補習】

これは先月のコラムで私が取り上げました。残念ながらその後もまったく解決策は示されず、発覚した高校の不公平感は解消されません。いまだに履修漏れがあるにもかかわらず、私立校に対して都道府県は何もできません。

 伊藤先生にもお願いし、東京都の私立校を監督する私学行政課に詳しく取材しましたが、彼らは私立校に対して立ち入り調査権限もなく手が出せず、すべてを信用するしかないのだそうです。そんなバカな話があるでしょうか。 一方立ち入り調査を受けた公立高校や、自主申告した私立学校がバカを見るという、とんでもない不公正入試が行われてしまいます。

どこから手を付けたらよいのかわからないほど、大きな問題だということなのか、文部科学省に解決する気がないのか…。出るのはため息ばかりです。

→ 先月号のコラム 

→ 伊藤先生のブログ



■■■■■ 第1位 ■■■■■

 【相次ぐいじめによる自殺。報道のあり方にも問題が】

やはりいじめはなくなっていなかった。文科省発表のいじめによる自殺はここ数年ゼロでしたが、自殺した生徒の遺書や、遺族の働きかけによって、それが真っ赤なうそだと明らかになりました。自殺予告の手紙も連日大きく報道されましたし、実際に残念な自殺の連鎖も起こってしまいました。

そして、自殺そのものも大変痛ましいのですが、その度に繰り返される、いじめを認めたがらない学校関係者の記者会見を見て、絶望したご父母や教育関係者も多いのではないでしょうか。


 

●●●■■■ 2006年度教育ニュース総括 ■■■●●●

 
今年のランキングを見ますと、どれもこれも学校やあるいは教育委員会単独ではどうしようもない大きな問題が並んでいます。

お気付きでしょうか、昨年上位にランクされた、フリーター、ニートや校内暴力の問題、一昨年その前と、アンケートの上位を独占した、ゆとり教育、学力低下問題のほとんどが今年は姿を消しております。

それらは片付いたのでしょうか。いやどれひとつ解決されていない、どころか、注目されなくなった分、むしろ悪化しているとさえいえます。未履修の問題などは、ゆとり教育などの問題が伏線になって、さらに大きな問題として顕在化してきたと見ることが妥当でしょう。

つまり、指導要領にしろ、ゆとり教育にしろ、その場しのぎの答弁や政策を実施してきた、この無責任体制がある限り、いつまでたってもこうやって生徒やまじめな現場の教員や学校に“ツケ”がまわされるということです。


そんな中でも、ここ数年ずっと上位にランクインし続けている、従って、毎年父母が問題視しているのが、教員の質の問題です。日程的に今回アンケートには間に合いませんでしたが、ひどい事件が年末にありました。


都内の小学校教諭が、交通事故死した子供6人の写真をホームページに無断で掲載し、卑猥なコメントを書き込み、自分は 「3度の飯より子ども死体」 と名乗っていたというではありませんか。寒気がします。

その教員の存在以上に問題なのは、そういう教員を、それ以前にも警察に書類送検されているにもかかわらず、クビにもせず、チェックもせず平然と授業を続けさせていた学校のシステム、あるいはその校長の感覚です。


ご遺族の勇気ある告発で今回報道されたのですが、そうでなければ、この学校、この校長は授業を続けさせていたでしょう。

九州の、いじめに加担していた教員も、生徒が自殺したからこそ、大きく報道され、我々がこうして問題にし始めますが、仮に生徒の自殺が無ければどうだったでしょうか。

想像することさえ嫌悪感を覚えます。実際にはまだまだ問題教員がたくさんいるのではないかという恐怖感です。

こういった不安や問題の解決を先送りしていては、さらに大きな問題となってくるというのが、私の感想です。もはや、官僚や教員の自浄能力を待つより、文部科学大臣の指示で、少なくとも問題教員排除のシステムをすぐに作ること、生徒を萎縮させている絶対評価をすぐに廃止することを期待したいと思います。

 

◎お忙しいにもかかわらず、アンケートにご協力いただきましたご父母の皆さま、深くお礼申し上げます。来年こそ良いニュースが並びますように。

 

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。生徒の学力向上や教育問題の解決に少しでも役立てれば良いのですが…。多少なりとも賛同していただけましたら、テキストバナーにクリックをいただけると大変ありがたいです。どうかよろしくお願いします

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感謝・感激!アクセスカウンター 20万 HIT! ■冬期講習前に達成!■

2006年12月14日 | Weblog




 おかげさまで、 20万HIT  です 



  ←にあるカウンターが20万を越えました!



10万HITの時に、書きましたが、当教室のHP が10年くらいかけてようやく、このブログと同じ、20万HIT、このブログはまだ1年未満ですから、ブログというものの威力はすごいですね。



今年中にできれば、20万HIT をと思っていたのが、まだ20日間を残して達成することができました。これまで、1日の最高が1700くらいです。


その日はどんな記事だったかと言えば…、そう、何とスットコ および 川柳 の日あたりですよ!!! やや複雑な心境ですが…。(あの後の減り方といったら…)


まぁ、楽しんでいただけたのであれば、何よりです。実は、2.3日中にも、年間スットコ大賞やりますからお楽しみに(へへ)。


ブログからは利益ゼロですが、こんなに夢中になってできたのは、本の紹介やスットコを通して、いろいろな方とつながりができたことです。時々いただく、おもしろかったというコメントや、生徒が、読みましたよ、と声をかけてくれることですね。

 

いつもご覧になっていただける方、コメントくださる方、
   

 ありがとうございます!



塾講師ですから、この時期からは、冬期講習、そして入試本番といわゆる追い込みのシーズンへと進みます。私が担当しているのは、ほとんどが、浪人生と高校3年生で、年末になりますと逆にあまり手はかからないのですが、やはり正念場。それにまだ一年ブログを続けたことがないものですから、今後どうなりますことやら…。


仕事柄、もともとお正月はゆっくりできないんですが、ブログ続けるには、年末年始もあるし、受験もあるしな~、何書けばいいんだろう、なんてことを考えている今日この頃です。私立の学校がそろそろ授業がなくなるのとは対照的なんです。ですから、つきあいが悪くなったと怒らないで下さいね(笑)。


多くの生徒やご父母のみなさんが、“参考になった” と言っていただけるよう、できるところまでやってみよう、という中途半端な決意表明でした(笑)。m(__)m



これからもよろしくお願い申し上げます。






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   ランキング   ■■■

ランキングもすっかりお世話になりました。最初はおろかにも13個も登録したんですが、2個に落ち着きました。(当たり前か)


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こちらの方は、実にありがたいことにほとんどの期間、1位を続けさせていただきました。思い残すことはありません(笑)。心よりお礼申し上げます。

 


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2位が最高で、どうしても1位の方を抜けませんでした(泣)。スットコの時、1000点差くらいに縮まったのですが、(今は2000点差)、1000点とは一週間で、100人分のクリック上乗せですから、実はまだまだ大差なんですね。

こっちが必死で毎日更新、1位の方は余裕の政治論議。く~、正直、ちと悔しい(笑)。来年じっくり考えます。できましたら、私以外にもがんばっている講師のみんな、もちろん生徒たちに、ラストスパートガンバレ!の応援クリックよろしくお願いします。m(__)m



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『谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎(著) ねじめ正一(編) 中島みゆき(エッセイ)

2006年12月13日 | 教養

 

谷川俊太郎詩集.jpg


詩集を人に薦めるのはなんとなく、“ロマンチスト”ぶっているようで、しかも、詩の感性は人それぞれですから、自分で気に入ったものでも、“読みなよ” というのは遠慮してしまいます。したがって、今まで人に薦めたことはないのですが、本書はぜひ知ってもらいたいなぁと感じた一冊です。


小学生が声に出して読むもよし、中高生が悩んで開くもよし、大人が寝る前に読んで心休めるのも良いのかなと思います。


谷川俊太郎氏は1931年生まれで、本書はその50年に及ぶ氏の活動の50冊を超える詩集から選び抜かれた作品を集めています。 『二十億光年の孤独』や『朝のリレー』など、詩集や教科書の作品だけでなく、絵本や作詞、翻訳なども含め、まさに八面六臂の活躍ぶりです。


最近では、よりみちパン!セのシリーズでも最後に作者に質問をするなど、おっ、こんなところにも谷川俊太郎発見!と思いました。このシリーズにどこまで谷川氏がかかわっておられるのか知りませんが、このブログでとりあげたのは

バカな大人にならない脳(養老孟司)

みんなのなやみ(重松清)

神さまがくれた漢字たち(白川静)

いのちの食べかた(森達也)』 で、いずれも良書だと思います。



本当は、谷川氏の作品すべてがお気に入りというわけではないのですが、本書はねじめ正一さんの選んだセンスが、私には向いていたということでしょうか、どの作品もすばらしいと感じるものでした。


含まれている詞は以下のようなものです。

白から黒へ

かなしみ

はる

二十億光年の孤独

ネロ

僕は創る



午の食事

帰郷


中島みゆきさんがエッセイを書いているのは、彼女は大学の卒論で、谷川氏を取り上げたそうなんです。Wikipediaによると、日本で1970年代(わかれうた)、80年代(悪女)、90年代(空と君の間に、旅人のうた)、2000年代(地上の星)と4つの年代でオリコンチャート1位を記録している日本唯一のソロシンガーだそうです。これらの歌も心に残りますが、本書でのエッセイもなかなかのものです。


さて、せっかくのロマンチックな詩集を駄文で汚してしまっては元も子もありませんので、アマゾンにある紹介文を付しておきます。


人はどこから来て、どこに行くのか。

この世界に生きることの不思議を、古びることのない比類なき言葉と、曇りなき眼差しで捉え、生と死、男と女、愛と憎しみ、幼児から老年までの心の位相を、読む者一人一人の胸深く届かせる。

初めて発表した詩、時代の詩、言葉遊びの詩、近作の未刊詩篇など、五十冊余の詩集からその精華を選んだ、五十年にわたる詩人・谷川俊太郎のエッセンス。






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谷川俊太郎詩集

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『谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎(著) ねじめ正一(編) 中島みゆき(エッセイ)
角川春樹事務所:250P:714円


『受験に強い子をつくる!わが子を「勝ち組」にするための必勝受験術』和田秀樹

2006年12月12日 | 受験関連書籍


受験に強い子を作る.jpg

 
先日、灘高キムタツこと木村達哉先生と、出版社アルクの編集長に渋谷でお会いしました。未履修問題など、他の進学校がだんまりを決め込んでいる中で、灘高が特に厳しい批判にさらされていることをどう思っていらっしゃるか、聞いてみました。


もちろんおもしろいはずはありませんが、制度の不備はわずか数ヶ月ではいかんともしがたいことがわかっており、すでに切り替えができていますね。灘が受けた “不公平な扱い”(詳しくは伊藤先生のブログ) を、逆にエネルギーにしているという印象を受けました。


灘という学校は、ノブレスオブリッジというか、有名税というか、ちょっと適切な言葉が見つかりませんが、全国から注目の的であるだけに、マスコミにも(今回は読売新聞)常に狙われる存在です。木村先生とお話しをしていると、灘というのは、普通の進学校を超えた、超進学校としての責任や、注目が増すことがわかります。


その灘中学に5番の成績で入学し、あの勝谷誠彦氏と同級生という、和田秀樹氏の著作です。木村先生と実際に生徒たちの勉強方法や、英語のテキストつくりに関してお話をさせていただいたり、和田氏の学習方法を読んだりして感じるのは、特別なことをやるというより、自分が良いと信じるものを、しっかりとやって基礎を作り、成績をあげているんだということです。常に勉強の目的が明確です。


和田秀樹氏の活躍は実に多方面に渡っており、その主張はリベラルというか、何でも良いものは良いという姿勢に好感を持ちます。常識や古めかしい受験の伝統にこだわりません。そういえば朝日新聞にも産経新聞にも登場しますね(笑)。


本書は、やがては受験をむかえる子をもつすべての親御さんに向けて書いた本です。ちょっと副題の “勝ち組云々” という表現はあまり好きではありませんが、ここでもそのわかりやすい主張は健在です。


ゆとり教育で学力が低下する一方で、社会における競争は確実に激しさを増しています。その中でいかに子どもを 「勝ち組」 に導いていくかという具体的アドバイスを、現代の入試事情を踏まえた上で指南しています。


灘中では劣等生で過ごしたものの、高2で最小限の努力で最大の効果を生む独自の学習術を編み出し、東大理科Ⅲ類や慶応医学部、経済学部に現役合格を果たしたと言われる和田氏の、その方法論は非常にわかりやすいです。


和田氏といえば、受験必勝法と連想されるくらいですが、個人的には、親や生徒がおちいりやすい受験に対する誤解を心理学的見地や社会情勢の判断から、警告し、昔からある勉強方法の中で、現代の受験事情にあった、もっとも効率が良いものを選んでいこうという主張だと思っておりますが、いかがでしょうか。


本当に著作がたくさんあり、どれを読んでも興味深い指摘があります。時には具体的過ぎると感じることもあります。例えば、参考書などを薦める時には、生徒の状況や学力次第という面が欠けています。鵜呑みは危険です。


本書においても、氏の主張は確かに刺激的ですが、すべてを素直にそのまま実践しようとせず、ご自分や、お子さんにあっているというものを取り入れるという姿勢で読まれれば、必ずためになるところがあると思います。受験生だけでなく、受験指導をしている方にもお薦めしたい一冊です。




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受験に強い子をつくる!―わが子を「勝ち組」にするための必勝受験術

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『吸血コウモリは恩を忘れない―動物の協力行動から人が学べること』リー・ドガトキン 春日倫子

2006年12月11日 | 科学
 

吸血コウモリは恩を忘れない 動物の協力行動から人が学べること.jpg


妙な書名ですが、本書は進化生物学や動物行動生態学の本です。専門的な研究書ではなく(著者は高名な専門家ですが)、さまざまな動物の協力行動などから、人間が学べるところはないだろうかという視点で書かれています。  

自分の子を持った時に、“ぞうさん” や “迷子の子猫ちゃん” の童謡の世界、また、“ぐりとぐら” や “バムとケロ” など絵本の世界に引き戻され、これでもかというくらい動物が出てくるのにあらためて驚きました。

また、いろいろなブログを拝見していると、犬や猫の写真がとても多く、ペットの存在感の大きさを感じます。(そういえば、つい最近も当塾で、“飼っている犬が死んでしまったので、今日は塾を休みます” という受験生までいました。)

本書に登場する動物たちの例は、書名にある、吸血コウモリの他に、チームで狩をする雌ライオン、女王ネズミをいただくハダカデバネズミ、集団でカラスに反撃するムクドリ、役割分担して獲物を追い立てるブリ、交互に身づくろいしあうインパラなどなどです。よく知られているアリやミツバチ、チンパンジーの社会も登場します。


筆者は動物の協力のパターンを

1・家族を助ける

2・貸し借りを忘れず清算する

3・ひとりでできないことはみんなで

4・仲間のためには危険をいとわず

の4つに分け、それぞれ豊富な実例で、なぜ協力をするのか説明を加えます。


動物の“環境”、“遺伝子”、“協力”、“裏切り”、“ズル”、“コストと利益” などが常にキーワードになってきます。なるほど人間社会が学べそうな知恵がたくさんあるなと感じました。私は特に動物好きというわけではありませんが、それでも本書は実に面白くよむことができました。 


実は大学入試の英語でも、動物の話題は頻出なんです。よく読解のテキストなどで、テーマを、環境や社会問題、歴史、教育などに分けていますが、なかなか“動物” というカテゴリーを設けているものはありません。 しかし、ニュートラルな話題を好む大学では本当によく出題されます。

環境や遺伝子に関心が高まってきているので、それとの関係で出されることも多いです。これまでも 『カラスはどれほど賢いか(唐沢孝一)』や『そんなバカな-遺伝子と神について(竹内久美子)』 を取り上げましたが、これらは国語の入試でも出されました。


受験生諸君も読んでおいて絶対に損は無いはずです。






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吸血コウモリは恩を忘れない―動物の協力行動から人が学べること

草思社

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『吸血コウモリは恩を忘れない―動物の協力行動から人が学べること』リー・ドガトキン(著) 春日倫子(訳) 
草思社:205P:1680円


『ポール・オースターが朗読する ナショナル・ストーリー・プロジェクト』 (CDブック)

2006年12月10日 | 英語関連書籍


ポールオースターが朗読するナショナルストーリープロジェクト.jpg


ポール・オースターは以前取り上げた、『英語達人読本(斎藤兆史・上岡伸雄)』の中で、現在日本で最も人気のあるアメリカ人作家として紹介されています。

達人読本は “音読で味わう最高の英文” と銘打った英語名文集です。 そのことからも分かるように、ポール・オースター自身の小説もすばらしく、私も好きなのですが、今回はその彼が選んだアメリカの物語を集めた一冊を紹介します。


ナショナル・ストーリー・プロジェクトというのは、彼がホストを務めるラジオ番組で、リスナーに、“自分自身の物語を書いてくれ”と呼びかけ、現実にあったことで、短いストーリー(ラジオで朗読できるように)という条件で募集したものです。

なんと5000を越えるノンフィクションが集まったそうですが、その内容はありとあらゆる年齢、人種、階層のありとあらゆる物語が詰まっており、本当にアメリカを象徴する物語集になりました。


その中から選ばれた優秀な作品180を集め『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』として、新潮社から出されております。(556P:2730円)↓

ナショナル・ストーリー・プロジェクト.jpg


これも良いのですが、556Pというボリュームがあり、さすがにアメリカ、メルティングポットというか、サラダボールというか、本当にいろいろ混入されており、それぞれが人生を語るわけですから、ヘビー過ぎるのです。

正直、ちょっと読むのがつらくなってきます。ポール・オースター自身が似たような感想を漏らしています。原稿を読んでいると、自分のリビングルームにアメリカ中の人々が押し寄せたようだと…。

アメリカ大好きとか研究家には絶好の資料といえるほど楽しいでしょうから、興味のある方はそちらを。


そこで、その中からさらに厳選した作品18を選び、何とポール・オースター自身が朗読した英文集である本書の方を紹介しました。このような経緯ですから、当然、素人の書いた文ということになりますが、忘れられない話ばかりです。

ページ数は多いのですが、字が大きく、英日対訳になっているためです。 しかもこのうちいくつかは、大学入試で出されたものが入っています。こんなところからも大学は英文を取るんですね。

笑い話もあるのですが、人生を変えるということになると、やはり肉親の死や、戦争などを語ったものが多く、さらに厳選されただけあって、どれもこれも印象的です。


当然のことながら、大学入試を意識した本ではありませんが、英語の受験指導にも使ってみたいと感じますし、リスニングの練習にもなります。そして最近特に評判の悪いアメリカですが、その現代アメリカの生の良心の部分に触れることができます(笑)。




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ナショナル・ストーリー・プロジェクト

新潮社

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ポール・オースターが朗読する ナショナル・ストーリー・プロジェクト

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『ポール・オースターが朗読する ナショナル・ストーリー・プロジェクト』ポールオースター
アルク:229P:2730円


『白光』 連城三紀彦 (ミステリー)

2006年12月09日 | 小説
 

白光 連城三紀彦.jpg


「白光」 とはいっても全く明るい話ではないし、壊れていく人間関係、大人の男女関係を題材にしていますので、生徒にはちょっと…(笑)。ですが、大変すばらしいミステリーだと思いますので紹介させて下さい。

連城三紀彦氏は、『恋文』(直木賞作品)に代表される恋愛小説を書いている作家だと思っていましたが、デビューはミステリーだったそうです。本書は新聞か何かの書評を読んで購入しました。


ある家庭に起きた、4歳の子供の殺人事件からすべては始まります。

その家族や親戚など、事件にかかわる数人が、それぞれすべて独白という形でストーリーが展開していきます。その語りの中で、家族に投げかける疑惑など、微妙な心理描写などにひきつけられ、ずっと緊張感が続きます。

モノローグとはいっても、意味ありげな冗長な背景説明もなく、ある程度のスピード感がある上、そこでの疑心暗鬼からうまれる告白によって、別の人物の考えが誤っていたり、だまされていたりしていることを知り、事件の様相が変移します。


崩壊する家族、ぬぐいがたい不信感、まるで360度見渡せる、殺人事件という山の頂上があって、それを前後、上下、左右、さまざまな角度からの映像で、ショーのように次々と見せているかのようで、幻惑されます。子ども、老人、男、女あらゆる視点が交錯します。

それでいても展開自体はわかりやすいですし、“ムリすじ”などもありません。素直にそのどんでん返しに何度も驚くことができました。


いよいよページ数が残り少なくなり、いくつかの矛盾するような考えが重なったまま終盤、いったいどうやって話のつじつまを合わせるんだろうと思っていると、驚くべきラストが待っていたんです。


ちょっと悲しい最後ですが、抜群におもしろい、すごいなぁ~と感じた一冊で、もちろん一気読みでした。(^_^)v



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P.S. あの、ふるさん がミステリー小説のお気に入り10冊をTBしてくれました。私はこれまでミステリーはほとんど取り上げていないので、ちょこっとやってみました。

そういえば、同じく家族の殺人(少年犯罪)を扱った、ミステリーの秀作、『さまよう刃(東野圭吾)』を以前ご紹介しましたね。かなり趣は異なりますので一概に比べられないでしょうが、この “すごいなぁ~” という点で、やはり連城氏の練達の筆に軍配をあげたいですね。





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白光

朝日新聞社

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『白光』連城三紀彦
朝日新聞社:262P:1575円

『真珠湾の日』 半藤一利

2006年12月08日 | 歴史
 

真珠湾の日 半藤一利.jpg



今日12月8日は太平洋戦争開戦、真珠湾攻撃の日です。この日からあの戦争が始まってしまったわけです。


以前、何かの本に歴史家の保阪正康氏が “真珠湾攻撃に関する限り、正確でよくまとまった書物はどこにもない” という旨を書いていました。


その理由として、特に天皇に関する資料というのは、当時、そう簡単に手に入るものではないらしく、そのためもあってか、逆にデマや思い込みによって書かれた書物はあふれるほどあるそうです。

また、政治的にではなく、真剣に歴史研究をしている外国人にとっても、日本が真珠湾攻撃にいたる経緯がどうも腑に落ちないという意見が多く、保阪氏に問い合わせてくることもあるようです。その中で信頼できる一冊として、本書を挙げていました。


このブログでも、半藤氏の著作は数冊紹介しましたが、中でも、『聖断』 と本書が、私には大変印象深い内容です。膨大な資料と関係者に対する直接取材によって、事実を丹念に読み取り、比較、検討し、見事に全体像を描ききっていると感じます。


小林よしのり氏ではありませんが、戦争はもちろん、日本国内の『いわゆるA級戦犯』 だけがはじめたのではありません。しかし、また逆に、ハルノートABCD包囲網など、日本が諸外国から受けた冷淡な扱いだけを取り上げても開戦を理解することができません。

国内、海外の情勢を見聞きし分析し、名も無き国民を含めて、無数の誰かが何かを決断し、意見を衝突させながらも、結果としてはあの悲惨な戦争にいたったわけです。


本書で描かれる開戦を決断するまでの日米のかけひきの場面、また連合艦隊司令長官の山本五十六氏の言動など、身震いがする思いがしました。また当時の日本国民の心境も挿話によって、とてもリアルに想像することが出来ました。

ルーズベルトの人格(ちなみによく聞かれるルーズベルト陰謀説は明確に否定しています)、東条英機の考え、外務省(アメリカ大使館員)の体たらく振りなど、実にさまざまな要因が絡んでいることを実感します。半藤氏のライフワークは本書ではないのかとすら感じました。


以前申し上げましたが、私は、『殉死』 を書いた司馬遼太郎氏に、明治ではなく、昭和や太平洋戦争の人物を描いて欲しかったのですが、やはり天皇に対する資料不足なのでしょうか、なぜか氏は手を出そうとせず、亡くなってしまいました。この一冊が代わりになると感じました。


司馬氏の小説を読むように読み進められますし、政治的な片よりも感じません。生徒諸君にもぜひ読んでもらいたいと思う一冊です。




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P.S. 実はですね、もうお一人、相互リンクの気安さで、昭和を書いていただきたいと思い、しつこくお願いしているのが、真島先生。名著 『「浪士」石油を掘る』 の著者。こちらもお薦めです!

浪士石油を掘る.jpg

『「浪士」石油を掘る』 真島節朗
 共栄書房:243P:1800円




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“真珠湾”の日

文藝春秋

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『教養としての「死」を考える』 鷲田清一

2006年12月07日 | 新書教養

 

「教養としての死を考える(鷲田清一)」.jpg

 
キリスト教は自殺を禁じています。神から授かった命をないがしろにするのは人間の傲慢だと考えるからです。東洋でも 「身体八腑、これを父母に受く。あえて毀傷せざるは、これ孝のはじめなり」と言います。

どちらも自殺は悪であると教えるのです。そして、誰から授かったかという点で違いがありますが、共通するのは、“自分の体も自分のものではない授かりもの”、すなわち命は自分ひとりのものではない、私だけの所有物ではないと教えていた点だと筆者は指摘します。


ところが、近代の個人主義、自由主義、財産権の確立にともなって、お金や行動はもちろん、体だって自分の所有物だから、自分の好きにして良いという感覚が生まれてきたと…。


以前、ご紹介した 『オレ様化する子どもたち(諏訪哲二)』 にも、大人には理解できない、子どものキレる原因は、自分がしたことと叱られることが、経済的に“等価交換”ではない、と主張しているのだという、興味深い知見、指摘があります。


宮台真司氏や、先日サンデープロジェクトに出ていた、よのなか科の授業を展開されている藤原和博氏(和田中学、校長)、は援助交際を否定しません。また、福田和也氏は 『魂の昭和史』 の中で、反論できないと告白しています。平和な状況を作り出した、先人たちへ思いをはせてほしいと述べるのみです。


人に迷惑をかけなければ何をしても良いじゃないか” という、いわゆる他者危害原則という考えは、確かに反論が難しいですね。しかし、そもそも自分の体や命が、自分一人の物ではないのだという概念があれば、出てこない主張ということになります。

高度に効率化を目指している現代社会では、都会にいればお百姓さんの姿は見えませんし、漁師にお礼を言うこともなく魚も食べられます。私の知り合いの幼稚園に通う子は、友だちの妹(もちろん赤ちゃん) を気に入ってしまい、「ぼくも妹を買いに行きたい」 と言ったそうです。


本書では、人間の根本である生と死、食や排泄までも見えないところでなされていると指摘します。妊婦がうめき、赤ん坊が血や体液にまみれて誕生して来る瞬間を男性はほとんど見ません。 たいていの死は病院で専門家の手に委ねられ、家族や親戚でさえ、処置されて、着替えをし、きれいになった死体に面会するだけ。

牛を殺し、鶏を絞めて皮をはがし命が奪われている瞬間 (『いのちの食べかた(森達也)』に詳しいです) も知りません。排泄物は下水道の完備によって知らない間に処理されます。街に人が倒れていることも、排泄物が放置されていることもないと。現実に放置された死の状況は、『遺品整理屋は見た! (吉田太一)』 を見ても悲惨です。なるべく見たくないものでしょう。


すべてが便利なシステムやお金で処理されている現状では、命や体すらその一部になると感じるのは当然かもしれません。臓器移植もそういう流れでとらえられますね。

逆に言えば、せっせと働くのは、稼ぐため、自分や家族を食わせるためですが、それが他の人の役に立っているのも見えないことになりますから、労働の尊さを感じないはずですよね。

SMAPの “世界に一つだけの花”の、only one という考え方や、文部科学省の政策でも、自分探しや個性尊重が流行りましたが、自分の中に自分を探しても何も見つからない(『4コマ哲学教室(南部ヤスヒロ(文) 相原コージ(漫画))』を参考)。

常に他者があって自分の存在があるのが人間なのだから、他者の死は自分の死であって、自分の死も自分だけのものではないということでしょうか。


昔からの鷲田ファンにとっては、あまりの読みやすさに驚き、中には嫌悪する向きもあるようですが、私は本書を多くの人に読んでもらいたいと思います。氏の著作は大学入試でもよく出題されますし、ご紹介した以外にも、さまざまな知見がわかりやすく書かれています。


 


P.S. そもそも日本の哲学は難しい言葉が多いので、本書のような口述筆記で、やさしい言葉に言い換えたものは大賛成です。実際に、専門家の日本語訳より、英語で原書を読んだ方がわかりやすいことがよくありますね。



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教養としての「死」を考える

洋泉社

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『若者はなぜ「繋がり」たがるのか - ケータイ世代の行方』武田徹

2006年12月06日 | 教養


若メはなぜ「繋がり」たがるのか 武田徹.jpg


「最近の若者は…!」というお叱りは、古代エジプトのピラミッドにも書き記された歴史の古いものだそうです。今また、少し前の新成人たちの「愚行」から、フリーターやニートの問題、そして携帯電話のマナーに至るまで、若者に対する時代の風当たりは強いものがあります。

本書は少し前に出されましたが、その若者論、特に携帯電話に代表される、コミュニケーションの仕方や人間関係の変化について論じています。


高校の英語の先生はご存知でしょうが、大学入試でも携帯電話に対するマナーについて述べた英文が相当数出題されています。ちょっと驚くほどです。ですから… 

cell (cellular) phone / mobile phone / portable phone  などは今や、大学受験生の必須単語です。(大丈夫かな、これらが載っていない単語帳はダメだよ) 


大学の先生方がかなり授業中の携帯電話のマナーに怒っていらっしゃるということが想像できますね。そういえば、『ケータイを持ったサル』を書いた、正高信男氏も京都大学の先生でしたね。“サル” とまで呼ぶのですから(笑)。


(公立高校や中学ではひどいと聞きますが、私は当教室で生徒を見ておりますと、携帯電話のマナーはかなり改善されてきたというか、正しい使い方が周知徹底されてきたと感じます。授業中に携帯電話がなることも皆無になりました。むしろ大人の方が…)


本書は、著者が若者文化について『日経トレンディ』、『読売新聞』、そして『女性セブン』 など様々なメディアに寄稿した記事の「寄せ集め」の形をとっています。従って内容も「宇多田ヒカル」から「ユニクロ」まで多彩なものとなっており、現代若者文化を取り上げたものとしては読み応え満載です。一つ難を言えば、文体に統一性がないため、やや読みづらくもあるのですが。


各章は以下のようなものです。

第1章 ケータイとともに来たもの

第2章 散らかった部屋から見える景色

第3章 そしてすべてキャラになった

第4章 音楽を聴かずに眠る日はない

第5章 「いま」の演出家列伝

第6章 ケータイの先に来るもの



さて、若者文化を語るときには、個人の感受性や自分の世代との比較がモノを言うのですが、感情論に走ってしまうと建設的な議論を逸してしまうおそれがあります。ですが、社会学をバックボーンにした著者の分析は、単純な若者批判を超えた、時代への警鐘と新しい世代への信頼を導き出しています。


例えば、若者でにぎわうフリーマーケット会場では、「要らなくなったもの」が売られ(従って使用価値が交換され)るため、ひとたびマーケットが終了すると、売れ残ってしまったものは一瞬にして「商品」から「ごみ」へと姿を変え、会場にそれを捨てていく心無い人がいるそうです。

しかし、一方で手作りの品を並べ露天商のようなことをしている若者もおり、そこでは作り手と客とのコミュニケーションがあり、「創造性を共有する」形で売買が成立しているというのです。若者たちがモノを売ること一つとっても、そこには消費社会の行き詰まりと新たな可能性が見えるというわけです。

若者は時代を映す鏡のようなものなのでしょう。本書は若者文化論でありながら、より大きな時代状況を読み解くカギになるのかもしれません。


また、昨今のいじめや自殺、リストカットの問題などを見てみますと、本書のように、学校や教育界という枠を越えて、さまざまな分野からの分析がなされてほしいと思います。



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若者はなぜ「繋がり」たがるのか―ケータイ世代の行方

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『若者はなぜ「繋がり」たがるのか - ケータイ世代の行方』武田徹
PHP研究所:251P:1365円


『国家の品格』 藤原正彦

2006年12月06日 | 新書教養
■■■ 国家の品格が今年のベストセラーに決定し、あのハリーポッター以上だったのですね。3位は『東京タワー(リリーフランキー)』だそうです。本記事はかなり以前にUPしたものですが、記念に再掲します ■■■



自民党の安倍幹事長が今国会で、教育基本法を改正するという発言をしました。新聞報道によると、公明党と話が付いたとかで。愛国心の表現をどうするのか、ジェンダーフリーや男女共同参画をどう扱うのでしょう。エリート教育については?

昨日“報道2001”に藤原氏と中曽根元総理が出演し、竹村健一氏と一緒に教育について語っていました。本書は藤原氏のこれまでの主張を、よりわかりやすく、中学生でも理解できる程度に書き換えて、繰り返したに過ぎないと思うのですが、ベストセラーになりました。

テレビでも、“日本に1万人の殺人犯がいても国は滅びないが、1万人のエリートがいないと国は滅びる”“エリートとは歴史、文化、文学など一見役立たないような知識を一杯持ち、総合的な判断ができる人、なおかつ国家・国民のために命を投げ出す覚悟がある人”というような主旨の発言をしていました。

本書でも、アメリカは世界中から優秀な人材が集まるから、国民の学力が低くてもそれらのエリートが国を支えてくれるが、日本は日本人の学力が低下してしまうと、ストレートに国力の低下を招くという指摘にはなるほどと思いました。その方法として小学校から英語を学ぶなどというのは本末転倒で“日本語である国語”を徹底して学ぶべきだという主張です。

他にもインドの数学者や市場競争、武士道などの話題が含まれます。日本人ならごく当たり前だと思われる主張をしているのですが、その当たり前のことすら指導者があまり口にしないから、これほど売れるのでしょうか?


本書も良いのですが、本当は、『古風堂々数学者』の方をぜひお読みいただきたいのです。感動しました。

国家の品格

新潮社

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古風堂々数学者

講談社

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博士の愛した数式』 小川洋子  数学 フェルマーの最終定理 

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『ダメな教師の見分け方』 戸田忠雄

2006年12月05日 | 教育関連書籍
 

ダメな教師の見分け方.jpg


血も凍るような事件というのは、こういうものを指すのでしょう。都内の小学校教諭が、交通事故死した子供6人の写真をホームページに無断で掲載し、聞くに堪えないコメントを書き込んでいました。

その内容をニュースで聞いた時には、言葉を失いました。「3度の飯より子ども死体」と名乗っていたというではありませんか。また、別の子供の裸の写真まで掲載されており、児童ポルノ処罰法違反容疑も…。


そして、何よりもおそろしいのは、この教諭は今年9月に著作権法違反容疑で愛知県警に書類送検されていたにもかかわらず、それで処分を受けるどころか、ついこの前まで教壇に立っていたという事実、それを許す学校、教育委員会など日本の教育システムです。


我々は、こんな教員、こんな学校に税金を払って、大切な子どもを預けているわけです。


教員であれ、医師や弁護士であれ、何万人、何十万人もいればすべてがすぐれた人格を備えているわけではないでしょうから、その中に犯罪者がいたというのは避けられないとしても、それを排除する仕組みが、学校にできていないことに恐怖感を覚えます。


この事件も勇気ある遺族の告発がなければ、卑劣な行為がずっと続いていた可能性が高いと考えざるを得ませんし、ひょっとして、まだ表に出ない問題教員が実は相当数いるのではないかと疑われても仕方のないできごとです。


これまでも、 教育関連のカテゴリー で、学校の問題点を指摘していた、『学校が泣いている』や、『高校を変えたい 』など、数冊をご紹介しました。 本書はそれらと比べてもかなりラジカルな主張なのですが、残念ながら、小手先の改革案では、学校にいじめも自殺も、そしてこういう問題教員もなくならないと思いますので、取り上げます。


戸田氏は長野県立高校の校長と予備校の校長を経験しています。学校の最大の問題点として校長の権限のなさを挙げ、民間企業の社長なみの権限が必要だと指摘しています。

校長から何か業務を指示すると、業務命令が「民主的でない」とされ、職員会議を最高議決機関のように履き違え、ひたすら管理職いじめを行なう。あげく教職員組合は自らの存在理由を「平和教育」「反戦」などと政治的な問題にすり替え、学校業務を妨害している。


読んでみて最大の問題は、視点が生徒や保護者などのニーズから遊離して、極めて内向きの発想になっているということです。教員の評価システムを変える必要があるでしょう。


こうして、学校の問題を取り上げるときに心が痛むのは、まじめにやっている教員や、大変お世話になった恩師を個人的に何人も知っていることです。本書のような、十把一絡げ的な議論は、本来は避けたいのですが、今回のような事件を聞きますと、もう個人の問題をはるかに越えていると感じます。




http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】




織田信長が延暦寺を焼き討ちしたおりに、堕落し政治に口出しをする悪僧だけでなく、高僧と呼ばれるような人々をも容赦なく首をはねたと言います。常人には思いも付かないことですが、僧のために命乞いをする自分の配下の兵士たちに対し、“名僧、貴僧などが支えている寺の権威こそが諸悪の根源だ“ と言い放ったと何かで読みました。


学校も懸命に立て直そうと努力されている先生方が多くいらっしゃっても、今回の事件を聞けば、権威も地に堕ちたといえる段階まできてしまっていると感じます。公立学校の再生が何よりも重要だと考えていますから、なんとしてでもすぐに問題教員を排除できる制度を作り出してほしいものです。


「ダメな教師」の見分け方 ちくま新書 (547)

筑摩書房

詳   細



P.S. この事件に関し、相互リンクの kazuさんも興味深い記事を書いておられます。ぜひ、ご覧下さい。


 kazuさんのブログ
 → 『訳わからん このシャバは

 


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『ダメな教師の見分け方』戸田忠雄
筑摩書房:302P:903円