少し前の本ですが、東南アジアの国々の現状を、読みやすい文で書いてあります。
中高生向けの「ちくまプリマーブックス」シリーズですが、大人にも東南アジア入門として良い本だと思います。
アジア・アフリカへの中学、高校生の関心は、韓国、北朝鮮、中国を除きますと、非常に小さいと、授業をしていてそう感じます。ワールドカップ参加国でも場所がわかる生徒はごく少数です。
私も、別の仕事をしていたら、知らないかもしれません。その原因の一つに、これら第三世界=発展途上国の扱いが、報道・出版で小さいことでしょう。 そこで、立場を入れ替えて、例えば一般的なアメリカ人が日本のことを知っているかと言えば、ほとんど知りません。恐ろしく無知だと日本人が思うでしょう。
少し前のアンケート調査で、当教室のメルマガで取り上げたものを紹介しましょう。
びっくりしますよ。
■■■ アメリカ人の知っている日本人 ■■■
アメリカで実施され、東京電機大学が公表したアンケート結果です。アンケートに答えたのは中堅レベルと思われる公立高校2校と公立大学1校の生徒418名。平成10年の調査で古いのですが、それにしても…
日米同盟とさかんに言っていますがホントに大丈夫でしょうか?
<アンケート>
【 あなたの知っている日本人をあげてください 】
★★ 結果 ★★
第1位 【 Emperor Hirohito 】:18人 (昭和天皇です。やはり偉大でした)
第2位 【 Yoko Ono 】:17人 (うっ、オノヨーコ。まぁジョンレノンも有名ですし)
第3位 【 Jackie Chan 】:14人 (ジャッキーチェン!?えっ日本人じゃないし)
第4位 【Emperor Meiji】:11人 (明治天皇、ホ・ホントに知ってんのかな~)
第5位 【Miyagi】:10人 (たぶんベストキッドに出演の老人でしょう。外国人だよ)
第6位 【Tokugawa Ieyasu】:9人 (家康登場!?やけくそか!)
第6位 【General Togo】:9人 (連合艦隊の東郷平八郎、確かに海外で有名です)
第8位 【Hideo Nomo】:8人 (やっと出た現代人、ほっとしました、野茂英雄)
第8位 【Kristy Yamaguchi】:8人 (スケート選手?これアメリカ人だぞ、こら!)
第10位 【Meiji】:7人 (こんな人知らない、誰だよ~これ)
第10位 【Bruce Lee】:7人 (ブルースリー!だからさぁ、違う!ってば)
◎今なら断然イチローでしょうか? それにしても…いやはや。しかも今調査ではアメリカ人学生418人のうち280人(67%)は無記入、つまり一人の日本人も知らなかったそうです!
アメリカ人学生よ勉強せい!は言い過ぎでしょうか?
■■■
いかがです。むちゃくちゃでしょ(笑)。
しかし、アメリカ人が日本を知らないように、我々日本人もアジアのことを知らないのではないでしょうか。
同じようなアンケートを日本の高校生がアジア諸国に関してやったとして、中国、韓国を除くと、ひとつの国で10人も出てくるでしょうか。
日本の学生が無知だというより、報道そのものがなく、従って関心がわきません。バラエティー番組やエスニック料理など、興味本位の報道はあっても、その社会や歴史を深く掘り下げたものはあまりにも少ないですし、選挙などの結果もよほどのことがない限り大きく報じられません。
ミャンマー(ビルマ)のアウンサンスーチーさんが、軍政の監視下にありながらなぜあれほどの人気を持ち続けられるのか。 マレーシア首相が「戦時被害の謝罪はもういい。今後の話をしよう」と言った背景には何があるのか。そう言われた村上首相(当時)は、どう対応したのか。
タイ=世界1の米輸出国。インドネシア=原油の多くを日本に輸出。フィリピン=バナナとキリスト教。など、東南アジアに関する表層の知識やステレオタイプな見方が、少し軌道修正されました。
クリスマスも終わったことですし、少し別の方向へ眼を向けて見るのもおもしろいと思います。
アジアはどう報道されてきたか 筑摩書房 詳 細 |
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『アジアはどう報道されてきたか』永井浩
筑摩書房:206P:1155円