Themeに
突然に訪れた空白のお陰で
僕が失うものは
殆ど皆無だと言えるかも知れないけれど
若しかしたら
幾許かの充足timeと
一欠けらの満足感と
スムーズに流れる一握の達成感と
それから
ほんの少し下せる
肩の荷ぐらいだけれど
無の深淵に嵌まり込んで
其処から僕が掬い上げたものは
そんな風に
見失ったものとは
比較にならないほどに潤沢で
僕じゃないHITO から受ける気遣いや
そのHITO の胸をそよがせる僕の風や
誰かの胸の五線譜を爪弾く
僕という存在の撥の有り様の手応えや
HITO と重なる円周の
その騒めきに想いを巡らす
満ち足りたひとときとかで
僕の覚える欠落感など
海面の泡abukuのように他愛ないものになる
僕の長い時間を費やして
石筍のように
人知れず堆積してきたものは
個に否応なしにこびり付く
弧を救う交情のITOなのだ
そう思う
そうして、そのことこそ
人生の大方を賭して
探し続けるに相応しい
Themeに違いないのだと