Homo sapiens
熱は必ず醒める！と
そんな風に断言しては
後々困ってしまうかも知れない
けれど
上がってゆく熱量は
若しかしたら
尋常を妨げる狂気に
直結しているのかも知れない
微熱や
少し異常のうちなら
自分の意志でcontrolできるのだが
目盛りが
予想外を示したりすると
それだけで
茫然自失になるHomo sapiens
如何とも為し難い
か弱き種族よ、我ら
イノチの初めに定まった
その決まり事に
何処でそのことに気付くのかで
それぞれの
明日や未来への処し方が決まる
成るべく早めに気づければ
想いの熱量の温度差にも
上手く対処できるかも知れぬが・・
天恵の福音
パーソナルコンピューターが
突然狂いだして
人智では制禦不可能に陥る
お陰で僕は
何もない普通の朝を
幾日も重ねることを
余儀なくされた・・
何もない日常を束ねる
スケジュールの変更作業の戸惑いは
まだ続いているけれど
緊張が陥没し
砕け散った空間に
一つのkisekiのように
宏大無比の無の海が現出した
今はまだ
その海を揺蕩っているけれど
もしかしたら
personal-computerに操られていた
僕の明け暮れが
狂っていたのかも知れないと
思い知らされる
けれどそれは
誰にとっても必要不可欠で
誰にとっても
欠くべからずなものになっていて
もはや
意識の襞に組み込まれていて
（勿論、僕にも）
結局、新しい相棒を指名することになった
起動すれば
その瞬間から、きっと
そいつが新しい盟主になり
知らぬ間に
操られるに違いないけれど
それは僕にとっても
もはや必要悪のようなもので
その煩雑さを
甘んじて受けるしかないようなのだ
新しい狂気の世界では
但し
新しい覚悟を持って
臨む日々で在りたいと・・
此の無の海の揺蕩いが
文明の不調が突然僕に齎した
天恵の福音であったというように・・
