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徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

銀塩写真講座 Step2 / 1日目 写真研究:写真史レクチャー1

2019年01月18日 | 銀塩写真講座


2018年度の銀塩写真講座は3期に分けました。

Step1は暗室作業の基礎実習
Step2は写真史の学びから、自身が写真に関わる意義の研究
Step3はバライタ印画紙を使用する写真作品の制作

・・・という流れで進みます。

今回の講座レポートはStep2の初日の報告です。



Step2では写真史を知ることから始めます。
しかし、単に歴史を知るのではなく
体験を伴う理解を目指した内容です。

初日は写真誕生前から創成期のアレコレについて。

下の写真は
体験を伴う理解のために持ち出したTIPAオリジナル教材です。

昔、某美術館でのワークショップで開発したカメラオブスクラ。
黒の取っ手を抜くとレンズが存在します。
内部で虫眼鏡を貼り付けています。



裏面のカバーを開くと・・・



大型カメラのように
上下左右逆さの画像を見ることができる仕様です。



この教材は像を観察するだけでなく写し撮ることもできます。



感光紙を内部に貼り付け
撮影した後はアイロンで熱現像。

すると






青い湾曲した世界が仕上がります。



虫眼鏡レンズの歪が現実味をなくし
もう一つの世界の扉を開けたような写真です。



後半はナダールが撮影した肖像写真についての説明の中で
下の資料を紹介しました。



実際に手に取って写真を観察する中で気が付いたことがあります。



この写真を手にした感覚はスマートフォンと同じである!

手に収まるサイズの
なくてはならない存在ということですね。


記:徳永好恵



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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。 
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銀塩写真講座 Step1 / 7日目 モノクロプリント実習&イロイロ実験

2018年12月20日 | 銀塩写真講座


この日はRCペーパーでのモノクロプリント実習最終日。

そこで
気軽に扱える印画紙(RCペーパー)で
気軽に様々な実験にも取り組みました。



上の写真は
年季もののハーフサイズのカメラで撮影したコンタクトプリントです。
家族の日常を記録した日記のような存在のため
大きく引き伸ばさず
コンタクトプリントで仕上げてよいのではという話になりました。



コチラは光ファイバーを“光のペン”として扱い
印画紙に光でドローイングしてみました。
マジックのような線
筆を動かしたような線
ネオンのような線
様々な線を描くことができました。



イーゼルにスマートフォンを置いて思案中の様子・・・
その後、仕上がった写真は



引伸機に挟んだフィルムの画像を背景として
中央にスマフォ画面のネガ像が合成されています。
ちなみにスマフォの画像は蓮の花。

上の木箱は徳永友人が作った
4×5のカットホルダーが装着できるピンホールカメラです。
この日はカットホルダーに印画紙を入れて撮影してみました。
この仕様のカメラを用いて作品制作に取り組もうとされている方がいらっしゃいます。
どのような展開になるのでしょうか。
楽しみです。



あえて
フィルムカメラで撮影し
暗室作業を介して仕上げる銀塩写真の今日的存在意味は
どこにあるのでしょうか。
各人がそれぞれの答えを見出せるよう
本講座を開講しています。

銀塩写真講座Step1は7回で終了。
Step2は制作の糸口を探るための写真史レクチャー
Step3はバライタ印画紙を用いて写真作品制作
・・・と進みます。


記:徳永好恵

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銀塩写真講座 Step1 / 6日目 モノクロフィルム現像実習3&コンタクトプリント・プリント実習

2018年11月28日 | 銀塩写真講座





3度目のモノクロフィルム現像に取り組みました。



フィルムのリール巻きにかかる時間は
回を重ねるごとに短縮し
且つ確実な巻き具合となってきました。



薬品の準備も手際よく・・・



20度に合わせた液温が変わらぬうちに現像作業を済ませました。



現像作業終了後は休憩を挟まずコンタクトプリントを作成。



仕上がったコンタクトプリントを見ながら数枚の写真を選び



引き伸ばしプリントまでおこないました。



放課後は作業を見守る私も一緒に・・・



昨年の極東ロシア旅の写真を幾つかプリント。
デジカメ写真とは異なる旅の記録が仕上がりました。

記:徳永好恵

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銀塩写真講座 Step1 / 5日目 モノクロフィルム現像実習2&コンタクトプリント

2018年10月09日 | 銀塩写真講座


2回目のモノクロフィルム現像に取り組みました。



この日は35mmフィルム4本を現像します。
リール巻きに慣れていない段階では
4本を巻くのはたいへんな作業です。



その後は手際よく
薬品の調合と液温の調整をおこない・・・



作業手順を記したテキストを参照しながら・・・



かくはん、お休み、かくはん・・・



処理時間通り作業を進め・・・水洗、乾燥。



ネガシートに現像を終えたフィルムを収納・・・



この日は休憩をはさまず・・・



コンタクトプリントを仕上げるところまでおこないました。



徳永写真美術研究所では
反復実習を通して暗室作業を習得していきます。
今後は自主制作枠での反復となります。

今年度が終わる頃にはテキストを参照せずに
作業を進める事ができるはずです。


記:徳永好恵


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銀塩写真講座 Step1 / 4日目 プリント実習1:暗室準備と作業工程を学ぶ

2018年09月10日 | 銀塩写真講座


暗室にて印画紙に画像をプリントする作業を学びます。



まずは現像液、停止液、定着液の準備から。



薬品は粉状、液状とあります。
それぞれ指定の比率で溶解・希釈して使用液とします。
液温については20度が目安。



徳永写真美術研究所の暗室には5つのブースがあります。
現在、ラッキーの引伸機をメインとし
35mmから中判、4×5フィルムまで、各フィルムサイズに対応しています。



下に作業記録を記します。

引伸機の扱いにおいてはレンズを装着することから。



そして
最初のプリントはコンタクトプリント。
現像したフィルムを印画紙に置いて露光します。



コンタクトプリントで撮影の全貌が俯瞰できます。



仕上がったプリントから引き伸ばす写真を選び・・・



フィルムをネガキャリアに挟みます。



この時点で
フィルム写真に詳しい方はお気づきかと思いますが
この記録写真に写るフィルムは
35mmフィルムながらもハーフサイズです。



そのため
2カットを同一画面としてプリントしました。



テストプリントを経て仕上がった写真です。



連続するカットを1枚の印画紙に同居させることで
伝えるモノ、それは何か。

その後の展開に期待します。

記:徳永好恵


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銀塩写真講座 Step1 / 3日目 モノクロフィルム現像実習1

2018年08月04日 | 銀塩写真講座


今回から
本格的に暗室作業の基礎を学びます。

まずは
モノクロフィルム現像から。



最初の難関はフィルムのリール巻き。
しかし
TIPAではこの実習のために1ケ月前から
リール巻きの練習に励んでいるので大丈夫。
手こずることなく巻けました。



その後
暗室に移動して薬品準備。

フィルム現像では

現像液
停止液
定着液
水洗促進液
水滴防止液

上記5種の薬液が必要です。
指定の希釈割合・液温で手早く準備。



そして
作業工程を記したテキストに従い
現像作業を進めました。



水洗までの一連の作業を終えた後は
フィルムの乾燥。

水滴防止液にフィルムを浸し
乾燥機に吊り下げる時
初めて
撮影した画像を一望できます。



ネガポジ反転された画像を
脳内で変換することで
撮影した時の記憶がよみがえります。



瞬時に撮影結果を確認できるデジタル写真にはない
時間差のなかで写真を解釈する楽しみがあります。






実習後は



フィルムの保管についてや・・・



カメラ談議が延々と続きました。



次回から
フィルムに記録された世界をプリントしていきます。


記:徳永好恵

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銀塩写真講座 Step1 / 2日目 ピンホールカメラ実習

2018年06月08日 | 銀塩写真講座


今回は
ピンホールカメラを用いた実習に取り組みました。



まずは
カメラの絞り値を算出ことから始めました。



最初に孔の大きさを計測。
上の道具を用いて口径0.39mmであることを確認しました。



絞り値を算出する公式にあてはめ計算すると約F256。



撮影の際
感覚を研ぎ澄まし、光量を身体で感じる事で
撮影時間を決める事も可能ですが
今回は
露出計を用いて正確な露光時間を割り出しました。



撮影はTIPAから徒歩30秒の公園にて。



マンモスのフィギュアを配置し撮影。
暗室にて印画紙を現像すると・・・



ネガ状の画像が仕上がりました。
マンモスが小さく左端に写っています。

その後は
写真の階調の反転作業。



ネガ画像をトリミングして構図を整え
紙ネガとして密着プリントをおこない反転させました。



撮影・現像・階調反転の工程を経て
仕上がったピンホール写真はコチラ





この日は
カメラ内部に印画紙を入れて撮影しましたが
フィルムを用いたり
デジタルカメラをピンホールカメラ仕様にして
ピンホール写真を仕上げる事もできます。

本講座では
写真の原理を学ぶ目的のため
体験的な段階で終了しますが
本格的に取り組むと奥深い写真表現が可能です。

今回の受講者の方は
あるプランを思いついたようです。
いつの日か
そのプランを拝見できる事
楽しみにしています。


記:徳永好恵


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銀塩写真講座 Step1 / 1日目 銀塩写真の魅力&ピンホールカメラ作り

2018年05月11日 | 銀塩写真講座


銀塩写真講座
徳永写真美術研究所の開設当初からある
通年型の定番講座です。

今年は編成を変えて
Step1~3と、3つに区切り
スキルに合わせて選べる形態としました。

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 Step1 : 基礎実習 暗室作業の基礎を学ぶ

Step2 : 講義 写真史&写真研究

Step3 : 作品制作 バライタ印画紙を用いた制作

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本記事では
Step1の初日の講座報告を記します。



まずはフィルムカメラで撮影したフィルムとプリントを紹介。



そして
印画紙にはRCペーパーとバライタペーパーがあること
それぞれの特性、使い分け方など、実物を見ながら解説しました。



講座後半はカメラの原理を理解するために
幾つかのカメラオブスクラで像が写る現象を観察。



その後は
次回のピンホールカメラ実習の準備をおこないました。



プッシュピンでアルミ板に凹みをつけ
ヤスリで削り出した下の孔は・・・



直径0.4mm
楕円になることなく仕上がりました。

それから・・・



空き箱をカメラの本体として用い
ピンホールカメラを完成させました。



この日はもう一つの準備もおこないました。



1ヵ月後のモノクロフィルム現像実習に備え
フィルムのリール巻きの練習に取り組みました。

宿題として・・・
リールとフィルムを貸し出し
目を閉じてフィルムを巻けるようになるまで
自宅での練習に励んでいただきます。


記:徳永好恵


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銀塩写真講座1 / 7日目 暗室実習基礎:画像の調子を整える

2017年08月06日 | 銀塩写真講座


この日は
引き伸ばしプリントに専念しました。

まずは
これまでに現像したフィルムを見返し
プリントする写真を決め・・・

ネガフィルムを引伸機にセットし・・・



マルチグレードフィルターの選択
露光時間の調整
焼き込み・覆い焼き
・・・など
プリントに伴う作業を丁寧におこない
画像の調子を整える事に取り組みました。



今回の講座はRC印画紙を使いましたが
今後はバライタ印画紙で
クオリティを高めた銀塩写真作品を
仕上げていただきたいと思います。

記:徳永好恵

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銀塩写真講座1 / 6日目 暗室実習基礎:反復練習フィルム現像 & 制作相談

2017年07月23日 | 銀塩写真講座



暗室作業の基礎を身に着ける実習が続きます。

この日は3回目となるモノクロフィルム現像に取り組みました。



カメラからフィルムを取り出し・・・



フィルムピッカーでフィルムの先端を出し・・・



リールに巻く・・・

この一連の現像準備も3回目となると
落ち着いて確実に進める事ができるようになります。



その後の
薬品の調合から現像処理もスムーズに進み・・・



水洗



乾燥



ミスなくフィルム現像作業を終える事ができました。



技術面の基礎を身に着けた現段階は
銀塩写真制作のスタート地点です。

この日は
水洗や乾燥中の手が空く時間に
写真作品の制作相談も含めました。

何にカメラを向け、何を表現するのか
制作内容に触れるお話をして
講座を終えました。

記:徳永好恵

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