*せっぱつまった化価格競争の果てに買収、
(ブルームバーグ):ドイツの肥料メーカー、K+S はカナダの同業ポタシュ による買収提案を拒否する公算が大きいと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。K+Sは買収額が低過ぎると受け止めているという。
協議が非公開であることを理由に関係者が匿名で語ったところでは、買収案は1株当たり40ユーロ(約5500円)余りで、K+Sは同提案の内容を引き続き精査しており、最終判断は下していない。
25日のK+S 株価終値は29.05ユーロで、時価総額は55億6000万ユーロとなった。関係者によれば、同社はポタシュの提案について、現行プロジェクトの成長見通しや合併効果を過小評価していると考えている。
K+Sは25日の発表資料で「当社は現在、選択肢の内容を精査している」と説明。ポタシュも別の発表資料で、K+Sに「友好的な」買収提案を行ったことを明らかにした上で、正式提案をするかどうかははっきり言えないと指摘した。ポタシュの提案については独紙ハンデルスブラットが先に報じていた。
原題:K+S Said Likely to Reject Potash Corp. Takeover Proposal (3)(抜粋)更新日時: 2015/06/26 14:39 JST
【ニューヨーク=西邨紘子】カナダの肥料大手ポタシュ・コーポレーション・オブ・サスカチワンは3日、全従業員の18%に当たる約1000人を削減すると発表した。コスト圧縮のため、北米の生産拠点の閉鎖や操業休止にも踏み切る。同社は合理化を決めた理由に、新興市場での肥料販売伸び悩みと市場価格の下落を挙げた。年内に手続きの大半を終える見通し。
合理化はカナダ、米国の生産拠点を中心に、全事業で進める。米フロリダ州に2つあるリン酸塩工場の1つを閉鎖するほか、炭酸カリウム事業でも生産調整を進める。リストラ関連費用として7000万ドルを見込む。
ポタシュは農業の生産性向上に欠かせない化学肥料の世界大手。近年、世界的な食糧需要拡大を背景に売り上げを伸ばしてきた。だが、ここにきて主要な販売先である新興国の需要伸び悩みや、業界大手の合弁解消で肥料製品の市場価格が下落。ポタシュも販売価格の引き下げなどが打撃となり、直近(7~9月期)の決算は純利益が前年同期比45%減と業績が悪化していた。同社は「長期的な成長への自信は変わらない」としている。
肥料の三要素の一つ、カリウムを含有するポタシュのグローバル・カルテルの一つが崩壊。関連銘柄の株価は軒並み2割減。BPC というグループで、Belaruskali という会社の協定違反に反発して、世界最大手の Uralkali が離脱。「サウジアラビアが OPEC から抜けるような」衝撃なのだそうです。
Uralkali は価格重視から数量重視へ戦略の転換を決定。今年の上期の7割稼働から、下期には 100% に引き上げ。それもそのはず、現在のポタシュ価格 400ドルに対して、ドイツの K+S の「キャッシュコスト」は 265ドル、Uralkali は 100ドルと大きな違いがあるそうです。一時は1000ドル近辺まで行ったポタシュ価格も現在は半値以下。今度のカルテル崩壊で300ドルまでは下がるだろうと言われていますから、利益へのインパクトは甚大です。
「カルテル・パートナーの違反に反発して」離脱を決めたというのが Uralkali の大義名分ですが、その実は価格競争力を背景にした数量拡大策なのかもしれません。先進国での農作物価格下落にエマージング経済の停滞と、市場環境はよくありませんから。「カルテルはこうして破綻する」一例として勉強になります。
肥料価格が下がることになると思うので、穀物価格にどれほど影響を与えるか気になるところですが、
国際肥料価格の急激な下落
需給状況、原材料コスト、貿易パターン、各国の政策指針、技術進歩、農業の状況などの影響を受け、現在、国際で尿素の価格が急速に下落傾向であり、国内外のカリ、リン肥料の価格も着実に減少傾向を見せている。世界的な需要の上昇の良いニュースから見ると、将来、世界的な肥料価格は着実に上昇することを認める、が、現状は資源デフレと言わざるを得ない?