FT山梨(洋菓子製造販売)が植物工場で、ワイン用のブドウの生産を2014年度から始めるとの事。微生物に強いコンサル会社のAKS(港区、広瀬陽一郎社長)が協力する、AKSはこの栽培法を海外にも売り込む計画、
東京農工大学が開発した栽培法を導入する模様で、東京農工大学が開発した栽培法とは、植物工場内に人為的に四季を1年に2回巡らせ収穫量を増やすというもの。
現在の植物工場では、葉物野菜(レタスなど)が主に栽培されている中、果実を植物工場で栽培するという取り組みは非常に珍しく、又、非常に興味深いと思いました。
以前、東京農工大学の方から、果実を植物工場で栽培するという話を伺った事があったのですが、これ程早く実用化するとは思いませでした。
生産性の高い植物工場がもっと普及すれば、雇用の受け皿になりますし、食料の自給率も高められそうですね。
植物工場はもっともっと普及して欲しいと感じている今日この頃です。
* 植物工場による果実栽培についての補足
ブドウのような果樹は、四季がないと(一定の気温変化が起こらないと)、実をつけないといいます。その四季を植物工場内で実現するにはコストがかかり、果実を栽培する植物工場をペイラインにのせるのは、レタスなどの葉物野菜に比べ難しいとも言われているようです。
そこで東京農工大学では、植物工場内に四季を1年に複数回巡らせ、植物工場内で収穫できる果実の量を増やす取り組みをしていたと記憶しています。又、日本で植物工場を運用する場合、農産物輸出で有名なオランダなどに比べ、そもそもコストがかかるという面があるようです。
*農工大は.11/3月から食物工場でブルーベリーを栽培して収穫量が6倍に増えた(荻原勲教授)、
農学研究院 生物生産科学部門
教授、荻原 勲
OGIWARA Isao
1955年生まれ
博士(農学)、農学修士
知的財産権・特許
所属学会
http://www.tuat.ac.jp/~engei/
■本学・兼務所属
農学部 生物生産学科、農学府 生物生産科学専攻
■教育と研究
園芸作物の高収量・高品質の持続生産を可能とする技術や品種を開発する
園芸作物の生産では、着果量を増やして収量を高めようとすると品質が低下します。一方、品質重視の栽培、例えば灌水量を減らし糖度を高めるなどの栽培では、果実は甘くなりますが、果実が小さくなり収量が減少します。収量と品質との間には反比例の関係が成立します(図Ⅰ)が、今後は収量が多く、品質の高い作物生産を目指す必要があります。 また、イチゴの促成栽培(12月から5月まで収穫)では2月の厳寒期になると収量が減ります。ブルーベリーでは多くの果実を着果させたり、土壌条件が悪くなると葉の黄化や樹勢の低下がみられ、翌年の収量が減り、栽培期間や年次毎に収量の変動がみられることがあります(図Ⅱ) 。作物は収量の中休み(イチゴ,ミョウガ)や樹勢の低下(ブルーベリー)が発生して、収量が減少したりするので、これらの原因を明らかにし、収量を持続的に維持するための方策を検討することも重要です。 これらの問題を解決するには、既存品種の特性を最大限発揮できる環境作りや栽培法の開発を行いつつ、高品質で多収性の理想的な品種を育種し(図Ⅲ)ていくことが必要です(図Ⅳ) 。 そこで、研究室では、「園芸作物の高収量・高品質の持続生産を可能とする技術や品種を開発する」ことを目標に、イチゴ、ブルーベリーなどを用いて栽培学、生理生態学および育種学的観点から実験を行っています。