歴歩

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熊本県南阿蘇村、高森町・幅・津留遺跡 県内最古の花弁状住居跡が見つかる

2009年10月30日 | Weblog
 県教委は29日、南阿蘇村と高森町にまたがる「幅・津留遺跡」で、弥生時代中期後半(約2000年前)に建てられたとみられる県内最古の花弁状住居跡1棟が見つかったと発表した。
 花弁状住居跡は、竪穴住居の一種で、円形部分の周囲に、長方形に盛り上がった部分が花弁状に広がっているのが特徴。発掘された住居跡は半円状で、半径約3・5m、周りに長方形部分(奥行き約45cm、長さ約3m)が3つあった。
 残りの半円部分は調査区域外のため全体の詳細は不明だが、直径は最大約8mになり、長方形部分は5つほどあり、倉庫や寝床などとして使われていたとみている。
 花弁状住居跡については、佐賀県では弥生中期前半のものが、県南の人吉市や錦町、宮崎、鹿児島県では弥生後期のものが見つかっている。今回、その間の地点で、時代をつなぐような住居跡がみつかったことから、県教委は「北部九州から南九州に約200年かけて花弁状住居が伝わり、そのルート上に幅・津留遺跡があったとみられる。
 また、県内最古となる弥生時代の高床倉庫跡も発掘された。
[参考:読売新聞]

過去のニュース・情報
 2008.11.19 佐賀県・みやき町 西寒水四本柳遺跡 九州北部で初の「花弁状住居」跡
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朝来市池田古墳 墳丘東側の造り出しから第2段目葺石部までを調査中、11月3日に現地説明会

2009年10月30日 | Weblog
墳丘の「造出し」両側の全容解明 水鳥形埴輪、新たに7体出土
 県立考古博物館が29日、池田古墳で墳丘の左右にある「造出し」の全容を大型古墳では初めて両側そろって明らかにできたと、また東造り出しから水鳥形の埴輪7体分が見つかったと発表した。
 「造出し」は円墳と方墳がつながる部分の両脇にあり、祭祀の場とされる。今まで左右対称で同じ形と思われていたが、同古墳では広さや方墳との間の溝に違いがあった。
 また、水鳥型埴輪の破片が一方では見つかり、反対側では壺などを模った小さな土器が出土するなどの違いがあり、それぞれの造出しで行われた祭祀の性格が異なっている可能性が出てきた。
水鳥型埴輪は、すでに同古墳で8体分(注1)出土しており、計15体となった。今回出土した7体は鳥の頭やくちばしなど破片の状態で出土し、祭祀場とされる墳丘東側のくびれ部分にある台状遺構の「造り出し」に約3m間隔で並んで見つかった。既に出土した8体もすべて墳丘の東側で見つかっている。水鳥は死者の魂を来世から現世に迎える役割があったとされている。
 一方、西側の造り出しではアケビのような植物を模った土製品や壺、高坏など12点が出土しており、古墳の東西で異なる祭祀が行われた可能性がある。
[参考:神戸新聞、毎日新聞、山陰新聞]

(注1)2009.2.20 の報道情報では7体の出土であったが、3月1日の現地説明会では8体出土とされている。
2009.2.20 朝日新聞より
 鳥形埴輪は東側の渡土堤と墳丘の裾付近から、いずれも3m間隔で7体(高さ約40~50cm)出土。このうち1体の周囲には子鳥の埴輪が計4体(高さ約10cm)あった。「子持ち水鳥形埴輪」の出土例としては国内最古という。

2009.10.28掲載分
 今年初め、周濠を横断して墳丘に通じる渡土堤の部分から、最古の水鳥形をした子持ちの鳥形埴輪が計11体出土した池田古墳で発掘調査が行われており、11月3日(火・祝)13:30に現地説明会が開かれる。
 調査では、墳丘東側の第2段目葺石、第1段テラス、第1段葺石と造り出しを検出している。
 造り出しは、墳丘からの張り出しが16m、幅が15m以上の大規模なもので、周囲の斜面は葺石され、上面は敷石されており、造り出し部から葺き石や埴輪が出土している模様。昨年度の調査でも見つかっていた水鳥の埴輪や家形の埴輪も見つかっているらしい。
[参考:兵庫県立考古博物館HP]

過去のニュース・情報
  2009.2.20 池田古墳 水鳥形をした子持ちの鳥形埴輪出土



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