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熊本県氷川町・大野窟古墳 全長約120mの前方後円墳の可能性と結論

2009年05月06日 | Weblog
■10日に「大野窟古墳調査速報会」を開催

 氷川町教委は、6世紀後半の前方後円墳とみられる「大野窟(いわや)古墳」(同町大野字柴原)を調査した結果、古墳の全長は現存のものよりも15m以上大きい115m~120mあり、県内最大級だった可能性があるとする結論をまとめた。
 同町教委によると、阿蘇市にある全長111.5mの「長目塚古墳」を超え県内最大の古墳になるという。ただし、古墳全体が民有地であり全域を発掘確認できないため断定ではないとする。同古墳は直径約40mの円墳として、1984年に県の史跡指定を受けている。
 大野窟古墳の石室保存整備に向け、03年度から調査した結果、現在全長約100mある古墳は、前後が掘削されていたことが判明した。
 古墳は、現在はナシ畑に覆われているが、周辺には深さ約80cmの溝もあり、壺や器などの破片数百点が出土した。出土品は祭祀に使われたものとみられる。
 現在の氷川町一帯は、「日本書紀」などによると「火の国」の発祥の地とされており、「大野窟古墳」は一帯を治めていた豪族「火の君」の墓ではないかとみられている。
 10日午前9:30~11:30、氷川町文化センター・講堂で「大野窟古墳調査速報会」が開催される。
[参考:5/2NHK熊本、5/3朝日新聞、5/8西日本新聞]

長目塚古墳 (熊本県阿蘇市一の宮町中通上鞍掛)
 5世紀前半築造の全長111.5mの前方後円墳。前方部は河川工事で削り取られている。墳丘の周りから朝顔形埴輪や壷形埴輪などが採集され、埴輪が配列されていたようである。古墳には二つの主体部があり、前方部の竪穴式石槨には30半ばの成人女性が埋葬されていた。
 倭製内行六花文鏡・碧玉製管玉・ガラス製勾玉・メノウ製勾玉、直刀・刀子・矢筒に入ったままの鉄鏃・鉄斧などが出土している。

野津古墳群 (氷川町大野ほか)
 6世紀前半~中頃築造の4基の前方後円墳、物見櫓古墳(全長70m)・姫ノ城古墳(全長86m)・中ノ城古墳(全長98m)・端ノ城古墳(全長63m)がある。
 姫ノ城古墳から石製表飾品(石人石馬)、物見櫓古墳から純金製の垂飾付耳飾が出土している。また、陶質土器の出土から、朝鮮半島との関わりが高いとみられる。


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