ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

中都会の片隅で活動する8~10人組コーラスグループ、ザ☆シュビドゥヴァーズの日常。
あと告知とか色々。

デジタルメディアの未来

2016-09-29 23:07:54 | ヨン様
こんばんは、ヨン様です。


昨今はさまざまなデジタルメディアが発達していますよね。
代表的なものだけでも、パソコン・DVD・ゲーム・電子書籍、…等々、もはや私たちの社会生活は、デジタルメディアなしでは成立しないといっても過言ではありません。
発展著しいデジタルメディア技術には、私たちの生活をすべて覆ってしまわんばかりの勢いが感じられます。

しかしながら、本当に私たちの生活はデジタルメディアに支配されてしまうのでしょうか。
私自身は、必ずしもそうではないのではないか、あるいはかなりデジタル化が進んだとしても、私たちはどこか段階で、アナログレベル・ハードレベルのものを維持したがるのではないかと考えております。

デジタルメディアの大きな特徴の一つは、その柔軟な可変性です。
例えば、本ブログもデジタルメディアの一つに数えられるわけですが、ブログのシステム上、過去の記事にはいつでも編集を加え、その中身を改変することができます。
あるいは、このブログに限らなくてもよいでしょう。
出来上がったイラストを修正するのに、デジタル媒体では時間的な労力以外一切の資材を必要としませんが、実際の絵を修正するとなれば、画材とを取り替えたり、修正前の状態を気にしながら塗り足したりと、相当な手間暇がかかってしまいます。
物理的な媒体の編集は、多くの場合直接手的な措置を必要とするのに対し、電子的な媒体の編集には、それほど多くの手間はかからないのです。

しかしながら、その可変性はデジタルメディアを便利なものにしている一方で、極めて信頼のおけないものにもしているのではないでしょうか。
そこでは、たった今編集したものが、「Ctrl+Z」のボタンを押すだけで、一瞬で消えてしまいます。
あるいは、その程度で済めばよいのかもしれませんが、証明書類その他のそうそう改変されてしまっては困るようなものまで、簡単にいじってしまえるようになるのです。

このような性質は、デジタルメディアの実在性そのものに対する疑いという評価につながっていきます。
私たちがある対象を「存在する」という風に認識できるのは、一般的に、その対象がある時間的な連続性をもって捉えられるからです。
例えば、とある事情でクラスに一日だけ在籍していたが、その日以降一切の痕跡を残さずにいなくなってしまったクラスメイトがいたとして、その一日だけの記憶を頼りに、その人が「実在した」と確認することができるでしょうか?
あるいは、木を燃やしてしまったとして、残った炭なり灰なりを、もとの木だと捉えることができるでしょうか?
私たちは、その存在自体に連続性のないものや、性質としての連続性のないものは、「はじめから存在しない」あるいは「もう存在しない」と認識する傾向があります。
いつでも、変わらず、という、一定程度の時間的な普遍性を持っているからこそ、その対象が「存在する」のだと思えるわけです。

そのように考えると、いつでも中身を改変できてしまう(そのように思える)デジタルメディアというのは、甚だ私たちにとって実在性が怪しいものに見えてきます。
簡単にその存在が消えてしまもの、その性質を維持できないものは、存在していないも同然だからです。
だからこそ、半永久的に実在性が求められるれるもの(例えば証明書類など)や実在性の神秘を侵されてはは困るもの(例えば記念品など)というものは、これからも物理的な媒体で作られ続けるか、物理的な媒体といつでも置換可能であるという前提が維持されるのではないでしょうか。

もちろん、どのようなものがデジタルメディアでやりとりされるのか、というのは、技術的な問題も絡んでおり、時とともに変化するものです。
写真からjpgへ、紙からPDFへ、などといった変化はここ最近起きたばかりで、電子書籍は普及の過渡期にあります。
今はデジタルメディアが主流とはいえないものでも、今後技術的な発展に伴って代替されていく可能は十分に考えられるでしょう。
しかし、それでもなお、国家間の友好条約の署名が電子署名で行われることや、オリンピックの金メダルが(たとえ金額的には金メダルと同等の価値があるものでも)USBで渡されることが当分起こりそうもないのは、やはり根本的には、デジタルメディアの実在性が希薄に見えてしまうということに起因しているように思われるのです。


デジタルメディアで文字を読むことが苦手な私なんぞは、この先数十年経っても、しっかり読むときには紙に印刷することでしょう。
それが時代遅れと映るのか、はたまた依然として現役のスタイルとなっているかは、未来のお楽しみですね。

それでは!

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