樹間暮のきまぐれライフ

ゆったりと・・・残りの20年は過ごせそうにないけれど、きまぐれな日々の生活を少しだけでも記憶の底に残しておくきっかけに。

不祝儀

2010-07-28 23:36:00 | 日記
両親が洗礼を受けたときの代父母の代父が亡くなった。
この暑さはお年を召した方にはとても辛いであろう。
亡くなられた代父は1週間前に心筋梗塞をおこし、
すぐに処置を受けられ、後遺症は残るものの一命は取り
留められたそうだ。が、肺炎を併発し天に召された。

カトリック信者であるので、昇天し、祝福される。
キリスト教では亡くなることは神様の御許に行くことであり、
お祝いすべきことと考えられている。

母が告別式(ちょっと遠い教会)に出席するため
できれば父も車で連れて行ってあげたいところだったが、
留守番のため、またちょこっと上京した。

朝30分ヘルパー(60過ぎの静かな男性)さんが身支度を
してくださる。ありがたいことです。
そこから、父の1日が始まる。
ベッドの縁につかまって立ち上がるのにも
考え考え、休み休み3分ほどはかかる。
そしてそろそろと向きを変えて、車椅子に座る。
前回上京した時よりやはり筋力が衰えている。

居間で食事をして、すわっていてもすぐにベッドで
横になりたがる。
昼食の時も同じ。少し話をしていても疲れるのだろう。
以前よりずっと、いや、ほとんど声を出さない。
声を出すことが億劫なのだろうか。
私が話しかけない限り、私に話しかけることはなくなった。
話によってはまだ歯を見せて笑ってくれるからよし!としよう。

火曜日は忙しい。
午前中、ヘルパーさんが帰り食事が終わると、
ヤクルトさんが来る。お昼近くに生協が荷物を届けに来る。
お昼が終わると、近くの接骨院の先生がリハビリに往診を
してくださる。夕方、寝る前の身支度のためにヘルパーさん
(美人の元気がよくて明るい体育会系の50過ぎのおばさま)が
30分ほど来て下さる。父が照れるほどよく話しかけてくれる方。
そして6時頃となる。ヘルパーさんが来て下さる前に、
耳の掃除をしてあげた。気持ちよかったのか、寝息をたてて
昼寝をしてくれた。せみの音と共に一時のどかな時間が流れる。

往診の先生は筋肉をほぐし、少しでも今ある筋肉を落とさないようにと
マッサージをし、ちょっとした足の上げ下げのリハビリと
両手を持っての軽いスクワットなど。
今ある筋肉を維持するのがやっとこさっとこ。
それでも退化の速度のほうが速いようだ。

母いわく、娘がいるとちょっとでもいいとこをみせようと
頑張るらしい。いつもは午後になると一人で立つのは大変らしいが。
夕食はベッドでとることが多くなっているという。

私が6時頃金沢へ帰ろうとすると、車椅子に乗るといって
ベッドサイドに立った。そして玄関まで車椅子で来て
「気をつけて帰れよ」と私の目をまっすぐ見て見送ってくれた。
以前のように握手して手を上げる。

父としての矍鑠とした態度の片鱗がその態度に漂っているうちは
まだまだ安心・・・と感じつつ
父が好きだった長野県松本経由、5時間強で金沢にたどりついた。