『ロスト・イン・スペース』(98)(1998.12.30.渋谷東急)
2058年、高度に発達した文明によって、地球環境は破壊されてしまった。ジョン・ロビンソン教授(ウィリアム・ハート)とその家族は、人類生存のための新天地と目される惑星「アルファ・プライム」を調査する使命を帯び、宇宙へと飛び立つが…。
懐かしき1960年代のテレビドラマ「宇宙家族ロビンソン」をリメークしたSF大作。とはいえ、オリジナルのテイストはほとんど見当たらず、SFXの洪水と大音響の映画に変身しており、自分のような昔のドラマを知っている観客は、折り合いの付け方に苦労したのではないか。
特に、ロビンソン一家のバラバラな家族像、ドラマのコメディリリーフ的な存在だったドクター・スミスを完全な悪役に変えてしまったところ(ゲイリー・オールドマンが怪演)に、時の流れを感じさせられた。いまどき仲良し家族ではシャレにもならないか。
ところで、この映画の核となるのは多元世界。つまり、現在と過去の同一人物が、同時に存在するのだが、これがOKならば、例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのマーティとドクの苦労は一体何だったのだ、ということになる。つまり、これはタイムトラベルものではルール違反という気もするのだが、まあリアルな話ではないので、これはこれでいいのかな。
さて、宇宙の迷子となったロビンソン一家の旅は、シリーズ化されていくようだ。
【今の一言】結局続編は製作されず、未完のままで終わっている。