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映画の王様

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鈴木英夫特集『非情都市』

2022-09-06 07:31:06 | 映画いろいろ

『非情都市』(60)(2006.3.29.)

 NHK BSが昼間に鈴木英夫の映画を特集している。初日の『彼奴を逃すな』(56)は残念ながら録画し忘れたのだが、今日は『非情都市』を見た。

 舞台は昭和30年代の新聞社(モデルは有楽町にあった頃の毎日か)。三橋達也扮する記者が、強引に特ダネを狙い過ぎて自滅していくさまがドライなタッチで描かれる。何でも安藤組が横井英樹を襲撃した事件を基にしているらしい。今となっては当時の有楽町や新橋の風景も見ものの一つ。三橋はこういう嫌な奴をやらせると結構巧い。
 
 社会派物としては、同年に作られた黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』(ここでも嫌な奴を三橋が好演している)や、新聞記者のでっち上げを描いたビリー・ワイルダーの『地獄の英雄』(51)などの影響を感じるところはあるが、プログラムピクチャーとしてはよくできていると思う。それと、やっぱり自分は、いろいろな意味で東宝の映画が好きなんだと思う。

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「BSシネマ」『愛と追憶の日々』

2022-09-06 06:10:00 | ブラウン管の映画館

『愛と追憶の日々』(83)(1984.4.3.みゆき座)

 早くに夫を亡くしたオーロラ(シャーリー・マクレーン)は、娘のエマと、時にはけんかをしながらも、互いに支えあって生きてきた。ところが、成人したエマ(デブラ・ウィンガー)は、母の反対をよそに、大学教師のフラップ(ジェフ・ダニエルズ)と結婚して故郷を離れる。

 やがて、エマは銀行員(ジョン・リスゴー)と、フラップは生徒と、それぞれ不倫をし、オーロラは隣に越してきた元宇宙飛行士のギャレット(ジャック・ニコルソン)と結ばれる。だが、ある日エマが病に侵される。

 監督・脚本はテレビ出身のジェームズ・L・ブルックス、原作は『ラスト・ショー』(71)のラリー・マクマートリー、撮影はポーランド出身のアンジェイ・バートコウィアク。

 一組の母娘の30年にわたる愛憎を描き、アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞(ブルックス)、主演女優賞(マクレーン)助演男優賞(ニコルソン)を受賞。

 マクレーンとウィンガーもさることながら、ニコルソン、ダニエルズ、リスゴーら、男たちも好演を見せる。というか、彼らを加えたアンサンブルの見事さが、実はこの映画の真骨頂だとも言える。原題の「Terms of Endearment」は「愛情の条件」という意味。

【今の一言】この時期は、例えば、ジョン・アービング原作の『ガープの世界』(82)『ホテル・ニューハンプシャー』(84)や、この映画のような、一風変わった家族の歴史を描く映画がはやっていた。

 

 

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