田中雄二の「映画の王様」

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『黒澤明語る』

2020-11-18 13:01:26 | ブックレビュー

 『八月の狂詩曲』(91)の撮影後に行われた、かつてジャーナリストでもあった原田眞人監督の、黒澤明監督へのロングインタビューをまとめたもの。結構ざっくばらんな話も飛び出してなかなか面白かった。(1991.8.)

 原田監督には『関ヶ原』(17)『検察側の罪人』(18)の際に、インタビューをする機会を得たが、前者では『七人の侍』(54)の、後者では『悪い奴ほどよく眠る』(60)『天国と地獄』(63)の影響についてを語ってくれた。

 今回、この本を読み直してみて、恐らく、この時のインタビューが、その後の原田監督の映画作りに大きな影響を与えたのではないかと感じた。

【インタビュー】『関ヶ原』原田眞人監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5fa6ad3450d7047f5187df905d858b83

【インタビュー】『検察側の罪人』原田眞人監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2f70a36c8c1ff0c251a5ba7989ca8cc2

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『ティファニーで朝食を』

2020-11-18 07:07:08 | 1950年代小型パンフレット

『ティファニーで朝食を』(61)(1987.6.14.)



 ニューヨークを舞台に、作家志望の青年(ジョージ・ペパード)と隣室に住む娼婦(オードリー・ヘプバーン)の恋を描く。

 1960年代初頭、ハリウッドがまだ夢を語り得た最後の頃の一本。今見ると、いかにも甘ったるいラブロマンスという気もするが、女優も男優も当然のように美しく、一種のおとぎ話的な印象も受け、この後に出てきたニューシネマ群のような切羽詰まった緊張感や現実味が薄い分、夢を見ることはできる。

 それとともに、この映画を今も残しているのは、オードリーの魅力、会話の妙や巧みなプロットにも増して、「ムーン・リバー」をはじめとするヘンリー・マンシーニの音楽の存在が大きいと思う。映画自体のできはそれほどでではなくても、音楽が独り歩きするケースは少なくない。そんな瓢箪から駒式の名曲誕生というのも、また楽しいではないかと感じた。

 

『名画投球術』いい女シリーズ2「ちゃんと観たことありますか?」オードリー・ヘプバーン
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f64acdf38588e036985f3da44701ca89

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