田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『太陽の中の対決』

2020-11-13 21:50:18 | ブラウン管の映画館

『太陽の中の対決』(67)

 幼い頃、アパッチにさらわれ、育てられた白人ジョン・ラッセル(ポール・ニューマン)は、養父から遺産としてもらった家を売り払い、新天地を目指す。ところが、同じ駅馬車に乗り合わせた客の大金を狙って5人のガンマンが襲撃。ジョンは悪人たちと対決するが…。

 原作は、数々の作品が映画化されているエルモア・レナードの小説『オンブレ』。監督は、ニューマンと何度もコンビを組んだマーティン・リット。フレドリック・マーチ、リチャード・ブーン、マーティン・バルサム、ダイアン・シレント、バーバラ・ラッシュら、くせ者たちが脇を固めている。

 実はニューマンは結構西部劇に出ているのだが、そのどれもが西部劇としては異色作だと言える。

 『左きゝの拳銃』(58)では、屈折したビリー・ザ・キッド、『羅生門』(50)を翻案した『暴行』(64)では『羅生門』で三船敏郎が演じた盗賊役を、『明日に向って撃て!』(69)のコミカルなブッチ・キャディ、女優にうつつを抜かす悪徳判事『ロイ・ビーン』(72)『ビッグ・アメリカン』(76)のうさんくさいバッファロー・ビル・コーディ、といった具合。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「金曜ロードSHOW!」『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

2020-11-13 12:07:42 | ブラウン管の映画館

 今夜の「金曜ロードSHOW!」は『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(18)。ジョニー・デップが第3作を降板したらしい。

【インタビュー】『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』アリソン・スドル&ダン・フォグラー
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/df1619dff5d665bd215252c8f163ae1d

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/bb14ffb0c53d2872ad66761d4bea7c87

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『オリンピックの身代金』(奥田英朗)

2020-11-13 09:00:23 | ブックレビュー

 昭和39年の夏、東大生の島崎国男は、兄が出稼ぎ先の東京で死んだことを契機に、過酷な労働現場の実態を知る。オリンピックが出稼ぎ労働者の犠牲の上で行われようとしていることに怒りを覚えた彼は、連続爆破事件を引き起こし、警察側の必死の捜査を尻目に、開会式当日の国立競技場に現れる。

 この小説の最大のテーマは地方と東京との格差だが、島崎の視点と並行して、彼とは東大の同期生で警察幹部の息子でもあるテレビ局員の須賀忠、落合昌夫を中心とした警察側の視点が描かれ、最後はそれらを一つに交わらせ、それぞれの立場から見た東京やオリンピックを浮き彫りにするという構成がユニークだ。

 作者の奥田英朗は、自分とほぼ同年代だから、東京オリンピックについてはおぼろげな記憶しかないはず。だから、この小説を書くに当たっては、相当なリサーチをしたことは想像に難くない。また、犯人と捜査陣の攻防は、文中にも登場する黒澤明監督の『天国と地獄』(63)をほうふつとさせる。

 新型コロナの影響で、二度目の東京オリンピックの開催が危ぶまれる中で、この本を読んだことについては感慨深いものがあった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ほぼ週刊映画コラム】『おらおらでひとりいぐも』『ホテルローヤル』

2020-11-13 06:15:59 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
ヒロインを中心としたユニークな群像劇
『おらおらでひとりいぐも』『ホテルローヤル』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1250125

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする