「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

いつも隠れている「電通」

2007-04-05 19:45:28 | Weblog
「発掘!あるある大辞典」のその後
関西テレビは民放連(日本民間放送連盟)から除名された
社長は責任をとって辞任したが 「なんで辞めなければならないの?」といまだに思っているかもしれない。発覚したときの(なんでこうなったの?とでもいいたげな)表情を見ていただけに そう思えてならない。
総務省は「警告」という名の行政処分を課した。今回の事態をきっかけに放送法を改定しようとしている。
BPO(放送倫理・番組向上機構)や放送局が自律的に解決するのが本来である。

関西テレビの委嘱による調査委員会の報告書が出された
154ページからなるものである
関西テレビは 4月3日 「何を間違えたのか どうすればいいのか」の検証番組を放送した
なぜか孫請けのスタッフの顔は出さなかった。
「納豆」問題の制作課程の検証に時間をかけていたが 企画そもものにムリがある中で制作されていたことはわかった。
「緊張感のなさ」「当事者意識の欠如」「視聴率のとれる番組にしたかった」など反省のことばもあった。
今後は チェック機能強化 コンプライアンス研修会 放送活性化委員会を確認しあっているという。
番組の最後は「再発防止と信頼回復に努めていく」「確かな番組をお送りする」という辞任直前の社長のことばだった。
見終わった感想は 
「検証といっても 局のつくる検証番組は所詮こんなものだろう」
「今後どうするのか についてはまるで響いてはこない」

新社長の就任の弁は 「困難な壁を なんとしても乗り越えなければならない」だった。
困難な壁 とは何なのか。そこが知りたかった。

調査報告書を読んで感じたことだが 「制作にあたって”電通”がかなり噛みこんでいた」ことがわかった。たしか「あるある」枠は電通買いきりだったと思う。
「あるある1」は 関西テレビにおいて 制作部門ではなく編成・営業部門主導で企画が受け入れられ・・・・(P20)
電通の実施したアンケートにより「あるある1」の番組が専門的すぎ また説明的すぎて視聴者の興味を引いていないことが視聴率低下の原因であるとされ もっと番組内容を分かりやすく 面白くし コンパクトにまとめ お役立ち感のあるものにするという企画が提案された(P23)
危機感を抱いていた電通はフジテレビとも連携し テレワークを活用したてこ入れ策を考え 新しく同社を制作会社とする「知的エンターテイメント」と称する 生活情報を中心とする教養番組を制作しようと企画し 関西テレビの編成・営業に提案した。関西テレビの一部には テレワークが番組制作のその品質管理の面で必ずしも十分でないなどの理由から これに賛意しないものもいたが 結局 この企画を受け入れ テレワークに対する完全パッケージ制作委託方式で「あるある1」をスタートすることになった(P19)

”電通”の名が出てくるのはこれだけではない
一般的に 広告代理店がクチバシを入れることは よくあることである
でも 制作側の「熱意」で 広告代理店はそれ以上のごり押しはしない。
だが 「あるある」の場合の電通の影響力は違っていたといえる。

検証番組は このことに一切触れていない
電通にそっぽを向かれたら 日曜9時枠のスポンサー獲得は大変なのだろう
影響を与え続けてきていたのに 電通は常に隠れている 隠されている。

改憲手続き法案のなかに「有料広告」問題がある
国民投票日の2週間前からは有料広告は禁止だが それ以前は野放しである
改憲派は ここぞとばかりにカネを使うだろう 政党のカネ 財界のカネ アメリカからのカネもあるかもしれない
その額は膨大になるだろう そのカネ目当てに電通はプロジェクトを組んでいるかもしれない
憲法と改憲手続き法と 電通。
目を見開いて見ておきたいものです。