たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

よく見聞きしている言葉で、あまりよく分かっていない言葉 「雌雄を決する」

2024年11月20日 15時06分34秒 | つぶやき・うんちく・小ネタ・暇つぶし・脳トレ

普段よく見聞きしている言葉の中にも、あまりよく分かっていない言葉が、結構有るものだ。
よく分かっていなくても、ブログ等に平気で書き込んだりし、
時々、「もしかして、その使い方、間違ってないかい?」・・・等と自問することも有る。
365日、漢字パズル?、漢字クイズ?等に没頭している妻の座右には、
「国語辞典」「漢和辞典」「日本語に強くなる本」「四字熟語辞典」
「役に立つ・故事・ことわざ・慣用句・辞典」
等々が、積まれており、
たまには手を伸ばし、チラ見して、確認することも有るが、
いい加減に使っている方が圧倒的に多く、恥を晒しているのかも知れないと思っている。
先日、読み終わった時代小説の中で、ふっと目に止まった慣用句「雌雄を決する」も、
そのひとつである。
日本語に強い方からは、「なーんだ、そんな言葉も知らなかったの」と笑われそうだが、
その意味や、語源・由来等を確認し、
ブログ・カテゴリー 「つぶやき・うんちく・小ネタ・暇つぶし・脳トレ」
書き留め置くことにする。

(ネットから拝借イラスト)

今更になって国語辞典、慣用句辞典等で調べてみると
「雌雄を決する(しゆうをけっする)」は、
「戦って勝ち負けを決める」「決着をつける」という意味の慣用句であり、
類義語には、「白黒つける」「勝負を決める」「優劣を決める」「
終止符を打つ」「けりをつける」「かたをつける」等が有る。

語源・由来は、前漢の武帝時代、司馬遷によって編纂された「史記」の中の一節、
項羽の残した言葉で
「願わくば、漢王との戦いを挑み、雌雄を決せん」
が出所の言葉なのだそうだ。
「出来れば、漢王と戦い、決着をつけたい」という意味合いで、
長年に渡る漢との戦争にうんざりした項羽が、ライバル漢王に対して、
一騎打ちで決着をしたいと申し出たものなのだという。

何故、「雌雄」なのか?
動物の「雌(メス)」と「雄(オス)」、一般的には、「雄(オス)」の方が強く、
「雌雄を決する」とは、「どちらが、オスか(強いか)、
どちらが「メスか(弱いか)を決める」の意になる。

用例、
(1)雌雄を決する優勝決定戦が、ついに始まった。
(2)彼らはいずれ、最強のライバルとして、雌雄を決する日が来るに違いない。


葉室麟著 「橘花抄」

2024年11月20日 09時49分35秒 | 読書記

なんやかんや有って休止していた図書館通い、
先日、ようやく再開したい気分になり、約2ヶ月振りに図書館に出向き借りてきた1冊、
葉室麟著、「橘花抄(きっかしょう)」(新潮社)を、やっと読み終えた。
本書は、江戸時代中期、筑前黒田藩のお家騒動を背景に、両親を亡くした孤独な女性卯乃と、自らの信じる道を歩む立花重根、立花峯均等を中心とした男達の姿を描いた長編時代小説だったが、やはり、葉室麟著作ならではの、史実とフィクションが織り混ざった傑作だった。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。


▢目次
 第一章 卯花(うのはな)
 第二章 姫百合
 第三章 山桜
 第四章 乱菊
 第五章 花橘(はなたちばな)

▢主な登場人物
 卯乃(うの)、
 立花五郎左衛門重根(宗有)(しげもと)、立花(花房)峯均(寧拙)(みねひら)、

 奈津、りく、さえ、桐山作兵衛、村上庄兵衛、藤森清十郎、
 黒田光之(大殿)、黒田泰雲(綱之)、黒田綱政(殿)、黒田吉之、
 大涼院、呂久子、杉江、

 隅田清左衛門、真鍋権十郎、津田天馬
 佐野道伯

▢あらすじ等
 両親を亡くした14歳の卯乃が、筑前黒田藩で権勢を振るっていた立花重根に引き取られる
 ところから物語が始まっている。その卯乃は、父親村上庄兵衛切腹に、重根が関与したと
 聞かされ、懊悩のあまり失明、
 さらに、実の父親が、黒田藩廃嫡の黒田泰雲(綱之)であったことを知ることになり、
 前藩主黒田光之、現藩主黒田綱政、お世子黒田吉之を巡る、藩内抗争に巻き込まれる。

 前藩主の没後には、立花一族の粛清が始まり、減封、閉門、配流、追及は苛烈を極め、
 重根と峯均には、隻腕の剣士・刺客、津田天馬の凶刃が迫る。
 己の信ずる道を貫く重根、峯均等の男達、そして、主人公的な卯乃や、りく、奈津、さえ等
 一途に生きる女性達が、それぞれ魅力的に描かれ、
 さらに、最終章では、小呂島(おろのしま)での峯均と天馬の行き詰まる迫力満点の
 死闘シーンが、まるで劇画映像の如く描かれ、巌流島の宮本武蔵佐々木小次郎の対決を
 想わせている。
  五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
 葉室麟著作には、よく和歌が登場するが、本書にも、随所に和歌が織り交ぜられており、
 さらには、終始、「香」にこだわっている等、格調の高さが感じられる。


(参照・参考)
e-hon 
「橘花抄」
葉室麟インタビュー
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