草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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政府の無策に殺されてしまう国民たち

2011年07月16日 22時53分09秒 | 
 政府の無策、つまりは農水省の無能・無策に国民は殺されてしまう。放射能汚染牛の問題である。
 以下に、アエラ最新号が農水省に取材したデーターを掲げよう。
 7月10日時点の農水省開示の資料
 ・3月11日時点で後の緊急時非難準備区域で飼育されていた肉牛は7285頭、うち714頭が4月21日までに搬出され、そのうち422頭が食肉処理された。
 ・同じく後の計画的非難区域で飼育された肉牛9453頭のうち1357頭が4月21日までに搬出され、うち706頭が食肉処理された。
 4月22日、農水省のやったこと
 ~緊急時非難準備区域と計画的非難区域内の牛について域外搬出の全頭にスクリーニング(体表の放射線量検査)を指示。つまり、4月21日以前は何の検査もなしに、1128頭の肉牛が市場に出回っている。4月22日以降は、緊急時非難準備区域から2544頭、計画的非難区域から1828頭が食肉として出荷された。スクリーニングはしているが、内部被曝検査はしていない。
 
 ※事件
 福島県南相馬市原町区の農場から出荷された牛17頭から国の残対基準値を超える放射性セシウム検出。この農場の稲わらからセシウム134とセシウム137が、1キロあたり7万5千ベクレル検出。この藁を感想前の状態に水分量を補正したところ基準値(300ベクレル)の56倍にも達した。今回放射能汚染が明らかになったのはそのうちの11頭である。実はそのうちの1頭につき都が検査してわかった。放射性セシウムが1キロ当たり2300ベクレル検出された。基準値は500ベクレルである。

 ~農水省の追加開示
  3月11日段階で20キロ圏内にいた牛は4018頭、うち181頭が3月中に圏外に搬出、うち南相馬市からの4頭が3月半ばに食肉処理、5頭は圏外搬出後死亡。

 ~事実 
  3月中下旬には、半径20キロ圏内の多数の牛がトラックで移動され。その一部は食肉処理施設に持ち込まれ、流通している。
 
 ~政府の指示
  4月18日に初めてスクリーニングを指示。これは3日前の県から問い合わせで初めて見解を出したもの。
 ~農水省の指示
  3月19日に飼料の取り扱いに注意を促す通知を出す。

 こうして政府と農水省の無策から、多くの、少なくとも1000頭を超える牛が福島県の第1原発半径20キロ圏内から出荷されてしまったことになる。
 私たち国民は何も知らされずに福島県産のしかも半径20キロ圏内の汚染された牛が出荷されるのを知って何もせずに見過ごすだけの政府・農水省によって見殺しにされることとなったのである。
 そもそも福島県産の牛が市場に出回っているなど多くの国民は思ってもいなかったのではないか。とにかく大量の放射能が爆発によって撒き散らされても「健康に影響はない」とか「安全だ」という人間たちである。汚染牛が出回ることを予見していても「何もしない」のは当然想定内の行動だったのであろう。農水省の課長は、「放射性物質による汚染は、全然未経験のことで・・・」と弁明するが、なんとも危機管理意識の欠如した脳天気な役人であることか。
 
 
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