草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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デマ情報~真実を糾弾できない朝日新聞の罪

2011年08月28日 11時29分19秒 | 
 読売新聞というのは、原発推進新聞です。そして朝日新聞も3.11までは原発支持の立場でした。3.11後、朝日の論調が変化してきたのは確かです。しかし、朝日が御用新聞であるということの本質は変わっていない。上田隆が糾弾する記者クラブ制度の恩恵に温々と政府広報を代役してきたことは確かです。  3.11の直後、東電のやった計画停電はひどいものでした。私たち国民の無知を逆さにとって、原発がなければこうなるんだと脅したのですから、とにかくひどい企業です。福島一県どころか、今や本州の6割は放射能汚染されていると推測されます。これだけのことをやらかして生き残っている企業というものがあるのですから驚きです。債権者も株主も今のところ安泰です。原子力賠償法は、被爆者ではなくて、加害者の東電を助ける法律だということです。作ったのは自民党です。しかし、民主党も同じ穴の狢です。    ◯電気の誤解   まず原発が日本の電力の30%をまかなっているということ自体が、まやかしの主張だと思うのですが、東電の強行した計画停電という犯罪性だけははっきりさせておかなければならないと思います。「電気というものが溜めることができない」というのが、理解の前提です。私たちが「今使っている電気は今作られている電気なのです」。決して作った電気を溜めておいてそれを使っているわけではないということです。ここのところが分かっていないと騙されてしまいます。  火力発電というのは、実は今48%しか稼働していない。水力と原子力が基本的に使われている。なぜかといえば、この2つは「出力の調整ができない」からです。原子力は一度稼働させてしまうと余程のことがない限りもう止められないということです。昼も夜もとにかくほぼ最大の出力で稼働し続けている。微調整ができないのです。核というのは、それほどコントロールの難しいものなのです。こうなると夜間は相当に電気が余る。東電が深夜電力の料金を安くするのはそういう理由があったからです。この夜間に余った電気を使って発電をしようとしたのが、揚水式水力発電です。これは、余った電気を利用して夜のうちにダムに水をくみ上げておき、昼間にくみ上げた水を使って水力発電をするものです。揚水式発電は、下から汲み上げるのに使う電気が、発電する電気より多いのですが、先ほども述べましたように、「今使う電気は今作るしかない」ということで、つまり「溜めることができない」ということで次善の策として認められたということです。  これで福島第1原発の事故の後に行われた計画停電が「おかしい」と気づくはずです。なぜ夜や早朝に停電させる必要があったのか、です。  2007年新潟の中越沖地震のとき、柏崎刈羽原発では7基が全部止まりました。このときは夏場なのに停電はなかったのです。さらに遡って2003年の福島原発のトラブル隠し発覚のときは、17基すべてが止まっていますが、計画停電などということは聞いたこともありません。  出力調整の比較的容易な火力発電は、現在48%の稼働率ですが、これを60%台までにするだけで、全国の電気が足りるという指摘もあります。しかも、日本には、企業の自家発電能力が5600万KWもあると言われています。これはなんと東電の発電能力に匹敵するほどです。ところが、東電は、送電網を独占しているのは周知の事実ですが、3月14日突然こうした電力の買い取りを拒否するのです。単価が高騰するというのが理由らしい。自分たちの都合のいいように、自分たちの作った電力だけを売ることとし、原発が止まったから足りないので、計画停電をするから我慢しろ、どう見ても無理・矛盾の論理です。都合のいい電力料金制度で家庭の電気料金を高額に設定して利益を貪るしくみを制度化したのも自民党です。とにかく「原価✕3%」という料金システムですから、原発を造れば造るほど儲かるしくみです。1基5000億円ですからその3%を料金に上乗せすればこれほどうまい話はないわけです。火力だとこうはいかない。しかも、この料金体系はさらに巧妙なしかけがあるのです。電気は企業用が4分の3,家庭用が4分の1の割合で使われているのですが、企業用の料金は格安なのです。家庭での電力消費の割合は9%ほどしかないのに、家庭に節電、節電と喧しくテレビが言っているのを聞くと、全くナンセンスなことに力をかけているなと思います。企業の電気料金を高くすればいいじゃないか、そうすれば黙っていても企業は節電するだろうから。高い電気料金をとっている家庭に節電、節電と呼びかける意味がわからない。  朝日新聞が、今私が述べたようなことを一度でも指摘したことがあったでしょうか。
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