草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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戦略的指導

2008年12月10日 11時08分57秒 | 
 今日は晴れ。晴れの日はとにかく歩く。体を動かさないと筋肉は弱る。筋肉が弱れば代謝量は減る。つまり脂肪の燃焼ができない。それで脂肪がたまる。たまった脂肪を体外へはき出す方法はただ食べないだけではだめで, 特効薬もない。 
 さて, この時期の指導は, 前に述べたことがあるように多分に戦略的なものにならざるを得ない。生徒というものはたいてい自分の実力より上の学校を望んでくる。そうなるとその子の実力を考えながら, その子の志望校に対する決意の程度を見定めながら, 頭はめまぐるしく回転する。 なんとか「合格させる」こと, これが戦略的指導である。そのために志望校の過去問を過去数年間に遡って検証する。竹の会には学校によっては過去30年分くらいの過去問があるから, 過去問による対策の資料には事欠かない。最近は合格最低点も公表されるところが多い。しかも, 合格者の平均点もわかる。これは便利である。たとえば, 某私立高校の例でいえば, 合格最低点が173点, 合格者の平均点が, 国語66.6点, 数学41.2点, 英語72.5点, 合計180.3点とデータが出ている。合格最低点ではなくて合格者の平均点の合計が目安になる。英語の平均点はかなり高いが, 問題を見てみるとかなり易しい。竹の会の「新英語指導案」で十分90点がとれる内容である。これは攻め易い。国語はどうか。67点が目安だが, 問題を見るとかなりに偏った出題である。全体の30%を文学史が占める。25%くらいが古文だ。古文の出典は定番の「宇治拾遺物語」だから, 読みとりやすい。小問は記号で選ぶパターンだが, 中に古典文法の問題があった。中学生には古文の文法はやらないことになっているから, はみ出し問題である。無視するしかない。いずれにしても古文は短期間で満点がとれるようになる科目である。文学史にしても代表的なものしか問われていないので過去問でデータを整理してそれだけ覚えておけば十分のようだ。現代文の読解も記号問題中心だ。これは流すしかない。こうして国語の戦略も見えてくる。問題は数学だ。さすがに数学には素力が必要だ。問題を見てみると, 基本問題で占められている。が, このレベルでも数学思考のない者にはなかなか得点できないかもしれない。が, 指導のしかたによっては, 5割にはもっていけそうだ。数学ではこの学校対策専用レジュメの作成が必要と判断する。こうして私のこの学校の合格戦略の青写真が完成する。後は指導つまりは指示を出すだけである。戦略的指導とはこのような指導のことをいう。思考育成のための長期間の指導とは, 指導の本質が全く異なる。入試というのは特殊な戦略的指導が求められる。これが公立中高一貫としても事の本質は変わることはない。長期間をかけて育てる指導と受験直前期の指導とは, 合格に向けた戦略的性質という一点において, その内実が異なる。
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