草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
※2015年10月より竹の会公式HP内にブログ移転

竹の会とはいかなる塾か

2013年10月24日 20時11分05秒 | 
 塾のありようを追求して必然的にこういうかたちになったとしか言いようがありません。
 昭和60年10月元代々木教室開設。発足当初は巷の塾さながらに学年別、ときには能力別のクラスを編成しての授業方式をとりました。高校受験専門の塾として、ときには中学受験、そしてときには大学受験と様々な需要に応えながら塾のあるべき姿を求めてきました。少なくとも平成16年頃までは高校受験主体の指導をしてきたと思います。少子化が進み、都立高校の凋落、それと連動したように公立中学には無気力な生徒が溢れ、竹の会の対象がしだいに小学生へ移っていった時期でした。平成17年が転機だったでしょうか。平成18年には公立中高一貫校が制度化されます。この平成18年の4月に竹の会にやってきた一人の小6が10か月の指導で区立九段中学に合格したのです。まだ過去問の蓄積もほとんどない時代でした。みくに出版の2006年版過去問集はまだ薄いものでした。この時からわたしの都立中の研究が始まったのです。実は平成17年の4月わたしは3年後に都立西に合格を果たすことになる女子のために大変な仕事に取り組むことになりました。それはそれまでの竹の会の定番テキストのすべてをレジュメ化していく作業です。これは膨大な量でした。彼女たちが中3になるのに合わせて今度は高校入試問題のレジュメ化にも取り組んだのですからわたしは超多忙を極めたと思います。平成20年に都立西に合格させた後、わたしはいよいよ都立中学受検指導のためのレジュメ制作に入ったのです。平成20年には富ヶ谷小の男子が桜修館に合格しましたが、平成21年は受検者なしです。この21年と22年にかけての空白の2年で、わたしは現在の指導の礎となる様々なレジュメを執筆していきました。「
適性虎の巻」が完成したのが22年のことでした。ただ、23年には小石川に合格者を出していますが、いわゆる過去問合格法という指導がとられました。平成24年富士合格者もも過去問合格法でした。過去問合格法は一定の能力が必要でした。今年桜修館に合格した子が小5の冬期指導のときでした、過去問を始めたのです。ところが過去問に2割弱の解答率しかなかったのです。過去問合格法はとても使えないと思いました。小学生のほとんどが適性問題にほとんど白紙というのが現実です。そこで2012年2月の入会から入会試験を試験的にスタートさせるとともに、「竹の会入会テスト」という名称の元に本格的な適性対策レジュメの開発・執筆に取り組みました。平成24年2月から平成25年1月の指導は竹の会の小学生指導では初めて純粋にレジュメだけで受検した年でした。このレジュメ指導の世代から小石川や白鴎の合格が出ました。10月で退塾した小6もこのレジュメ世代です。桜修館の合格は想定内でした。わたしは「桜修館なら合格する」と10月の時点で明言していました。結果はそのとおりになりました。こうして竹の会のレジュメ指導は小学でも完成することとなったのです。
 
レジュメ指導は竹の会の究極の指導形態です。問い合わせに「授業見学希望」というのがありましたが、竹の会には授業はありません。
 竹の会では
「指導」という独自の内容を包摂した概念を使っております。
 この指導概念は竹の会が
思考を育成するというコンセプトに資するように形成された概念です。単に「わからない」ところを「教える」ということではなくて、ひとりの子の思考基盤、思考枠組みを設計、構築するというより高いステージでとらえております。考えるのは飽くまで子ども自身であり、その考えるという営みを可能にするべく、思考の枠組みを子どもの脳に構築するという発想です。算数、特に割合はそのための手段にすぎません。割合という概念、定義を理解するところから、思考というものが仮説、概念を設定して、そこから積み重ねていくものだということを学ぶこと、これを脳に思考枠組みを構築すると言っているのです。
 こうした試みはもちろんいつの日にか適性問題を成功裏に解き進めていくための布石であることはもちろんですが、実はそれ以前に小学生に思考というものをたたき込む、訓練、徹底した訓練なのです。
 小学生に必要なのは思考をたたきこむ訓練です。思考の型を学び、いつしか型を離れて自由に思考、つまりは仮説とその証明という論理的な思考操作が自由自在にできるほどまでに訓練していくことなのです。
 こうしたことは、仮に都立中に失敗したとしても竹の会で訓練を受けた子たちが公立中ですばらしい成績を遺している、発揮しているということを知るに及んで、実は都立中云々といってはいるが、竹の会の指導、訓練そのものが小学生に必要な思考力を見事に実現しているのだということを知るでしょう。
 今の完成された指導形態では、子どもたちは自分に課せられたレジュメに取り組み、つまりは「考える」ことがまず指導の内容です。その上で指導室の指導では、子どもたちの思考の状態診断を不断に行うこととなるでしょう。「わからない」というときに説明はするけれど、それは様々なファクターを勘案してのことです。そもそも子どもにどのようなレジュメを課すかもひとつの問題です。それは「わからない」という症状を見ての判断です。処方箋として様々な指導用レジュメを調整することは日常的なことです。順調でない子たちの指導はまた別の意味で指導技術を向上させてくれます。自分で「解く」→「次の指導レジュメ」→「自分で解く」→・・・という流れに乗れば問題なし、しかし、この流れに乗れない子が出ればそれはいずれは破綻するしかない。これが指導の限界です。
 流れに乗った子たちは、レジュメで導くことが可能になります。
 ところで竹の会では入会するとまず計算です。小数、分数の計算、逆算をふくめて自由自在に計算できることは、前提です。ですから、竹の会では小4でも入会して3か月もすれば難しい巷の小6が解けそうもない計算を普通に解くようになります。
 計算で培われる抽象的、形式的な思考をまず訓練します。分数の繰り上がり、繰り下がり、通分、約分、余りのある小数の割り算、、四捨五入、概数、逆算とさまざまな計算にまつわる抽象的思考を計算を通して訓練していくのです。
 計算ができあがってから、割合による思考訓練に入るというのはそういう事情です。
 竹の会では小5の1年間はずっと割合の問題を解いています。
 様々な導入レジュメの後に、「算数の魁」というレジュメをやります。これを成功裏に終わらせられれば、「小学思考の素~割合問題編」へと今までは入ってきたのですが、小4にはこの連動ができない子がいることがわかりました。小5にもこの波に乗れない子が出ています。流れに乗った子たちが「小学思考の素~その他の問題編」を終わる頃にはいよいよ適性問題の訓練が始まります。
 竹の会のレジュメは指導の要です。道しるべです。道案内です。考えるということを前提に「こちらだよ」と迷わないように目的地まで導くののが竹の会の指導と言ってもいいでしょうか。
 
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