草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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平常心こそ

2009年12月23日 08時33分56秒 | 
○12月も押し詰まってきました。昨日は現小6について, 辛口の私見を述べたこともありまして, 親御さんたちから, メールでいろいろご意見をいただきました。そのおかげで大手の講習の一端もわかりました。「教える」ということではなくて演習中心だということも教えていただきました。私の思い込みも多々ありお詫びしたいと思います。
○私は竹の会の子どもたちの合格をどうすればはたせるのかといつも考えてきました。それは私の背負った責任であり, 義務であると認識しています。そのためにできるすべてのことをなす義務があると思っています。大手の講習を受けるという判断は, それぞれの親御さんの見識から出たご判断で, 竹の会が少しも容喙することではありません。ただ竹の会はそういう現実を受け入れて, 竹の会の指導計画を修正するしかありません。
 ただそのために竹の会の指導の核として, 夏休みから取り組んできた過去問全国版が, 途中で放棄せざるをえなかったという一事のみが私には大誤算でした。私は正直「腕」をもぎとられたと感じたのです。過去問全国版を終わらせるには, やりとげた2人によると土日で17時間くらい没頭しなければならなかったそうです。
 ところで土日を使えるはずの小6がなぜほとんど何もしないのかが不思議でした。全国版に取り組んでいるはずなのに遅々として進まない小6もいました。
 これから厳しい指導になることを予感しています。
 ただ竹の会の子どもたちが他所に比べると, 私の思いとは違って「かなりできる」という風聞に救われた気持ちです。

●今年の白鷗でしたか, 分数の割り算で「なぜ割るほうの数の分子と分母をひっくり返してかけるのか」ということの説明を求める問題が出ました。竹の会では, 基本レジュメで扱っていますが, 何か月も前にやったためか, だれも覚えていませんでした。それで, 今日はもし今年どこかで出るとしたら, 今度は「割り算では, なぜ0で割ってはいけないのか」というのが, 出てもおかしくないと思いましたので, 少し考えることにしました。
 もしそういう問題が出たらどうするか。何も書かない? いやわからなくても何かは書いてほしい。受験生は皆面喰っていると思いますから。抽象的に一般論を考えるのではなくて, 具体的事例を考えてゆくのがコツです。
 時速4km/時 で進んで20km移動するには何時間かかりますか。次に, 時速4km/時 を時速0km/時 としたらどうなるか。
20/0 時間とは時速0km/時 の速さで20km移動するのにかかる時間ということになりますね。つまり, 20/0 時間というのは, 0時間ということではない。難しいですか。
 そもそも時速0km/時 でいくら進んでも1㎝だって移動できるわけがない。だから, 20/0 時間などというのはこの世に「存在しない」のです。
 上の説明が理解しにくいと思う人は, おそらく20/0 時間は当然0時間だろうと疑わないからだと思います。しかし, それは, 20÷0=0 と前提しているからです。つまり, 20÷0 が計算できると考えている。しかも. その商は0と当然に考えている。しかし, ここでは,論理の帰結として, 20÷0≠0 として考えを進めています。
 なお, 20/0 とは, 0分の20ということです。もちろん分数で表記できないのでこう表わしました。
 このような初見問題に小学生が出くわしたとき, できるのは具体例を考えだして, 無理なことを説明する程度しかできないと思うのです。出題者も完璧な理論を求めてはいないと思います。

 0で割るということの意味について, 具体例を出してそれぞれ工夫の考えを示してほしいと思います。

 こういう考えもあります。私見ですが。
 たとえば,
 2×3=6 ですね。
 このとき. 2×□=6 なら, □=6÷2です。
 次に, 0×3=0 について。
 このとき, 0×□=0 なら, □=0÷0 です。
 □=3 でしたね。なぜ, 0÷0=3 になるのでしょうか。
 そんなことはありえない。つまり, そもそもが, 「÷0」なるものが, 存在すると仮定したからだということになります。

●後記
 この時期こそ, 焦らないで平常心のままに日常を何事もなかったように黙々とこなしてゆきたい。何を焦って無謀な挑戦をするのか。少なくとも竹の会の子どもたちには, 今ある自分の実力を心静かに見つめ直して, 今自分にできることを黙々とこなしてもらいたい。
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