草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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アリ地獄

2007年03月25日 12時32分32秒 | 
私は私の指示が100%に近いほど遵守履行されているとき, その指導の効果は相乗的に高まると考えています。竹の会の長い歴史の中で何人かの都立不合格者がいました。本当にこの長い歴史の中で数人しか失敗者がいなかったのですが, この数人の失敗者たちは指導率という視点でみると20%前後でなかったかと思うのです。指示したプリントをやらない,指示したこととは関係なく自分の勉強をする,提出を課したプリントは行方不明のまま,英文解釈を指示してもいっこうに手をつけないなど指導が機能しない子がいたわけでそういう子は不合格になっているということです。逆にきちんと指示に応える子は指示の回数に比例して相乗効果的に実力が高まりますからその成果は驚異的なものとなるのです。指導率の低さは一般的に集中力の低い小学4,5年においても顕著です。ひとつのことをいつまでも思い続けられる子は伸びるわけです。竹の会では特に基本8回のコースはどうも中途半端になりがちです。もともと家庭学習ができる子を前提に組んだコースなので,家庭学習ゼロの子には向きません。この場合家庭学習とは独りで主体的に構築的に勉強を進められる家庭学習ということです。一から十までだれかに聞かなければ何も進められない子は家庭学習そのものが不可能です。そういうわけで最近の竹の会では3時間8回のコースを進めています。家庭では「指導なし勉強」はほぼ不可能であり,また家庭学習を一切やらない子も多いことから家庭学習に期待しないで塾で指導率を高めようとするものです。最近では3時間8回コースからさらにpassportコースへと変わる小学生が増えてきました。現4,5年生の中には難解な分数の四則演算を既にこなす者も複数います。また中には1あたりの理論をマスターし既に慶應の問題演習に入っている小5もいます。これは本年の九段合格者が6年の夏期講習でやっていたことです。私の1あたり理論の指導をクリアした者はいきなり慶應レベルの問題をやってみて,自分で理解し解けることに驚くようです。私の1あたりのレジュメは単なるドリルではありません。マスターしたときには実は深い算数の思考力がついている,そういう意図のもとに作成しています。これを信じてきちんきちんとやる者のみが手に入れることのできる喜びです。プラスの相乗効果の例です。1あたりの理論をマスターするのに大半の小学生が6から8ヶ月を要します。それだけかけても結局マスターできない子ももちろんいるわけです。これをクリアできなければ合格はありません。クリアできなければ合格は無理ということです。私は不可能を可能にできるわけではありませんから,だめなときだめといいます。高校入試などであえて自分の受けたいところを不合格を覚悟で受ける生徒を何人か経験しましたが, もはや私の手を離れています。基本8回で中途半端で低調な指導状態の子が講習にも出ないとなれば結果は見えています。普段学習に低調なテンションの子が休みに勉強するはずもなく, 仮にやっているように見えても「指導のない勉強」の効果は限りなくゼロに近いものです。マイナスの相乗効果は,落ちるしかない急坂の一本道を転がるに似たものがあります。その道を選ぶのは自分です。自ら何もしない,不作為という選択が, アリ地獄にはまる選択を意味するということを知ってほしいのです。
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