草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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真に勉強している人の態度

2012年04月11日 09時20分48秒 | 
 今年の受検の結果は、小5の2月入会組で実力ありと見ていた子2名が落ち、小4から通っていた3番手と目された子のみが合格した。この子は超スローペースで、よく言えばじっくりと進めてきた子であった。先の小5の2月入会の二人は本年受検組では算数はいちばんできた。が、この子たちは今から考えても食事優先、おしゃべり優先の騒がしい子たちであった。先の合格した子も仲良しがいたせいかそれなりにおしゃべりをしていたように記憶しているが、しかし、確実に一歩一歩進めていたように感じている。
 算数ができたのになぜ落ちたのか。考えられることはいろいろある。家でやってきたといってまとめて出していたがどこまで信じていいのか。作文は何通書いたか。面積などのレジュメはきちんと終わらせたか。課題レジュメはすべて提出したのか。1か月も2か月も出さなくて催促されたことはなかったか。こういったことの蓄積が決定的なことは自明である。そしてもっとも私の気分をブールーにしたのが、おしゃべりとふざけ、そして大騒ぎではなかったか。今年受検の男子たちにはこのような印象しか残ってない。少なくとも真剣な表情をして一心に勉強に取り組んでいる姿は皆無であった。レジュメを始めると「同時に」並行しておしゃべりが続けられた。時として大騒ぎになることもしばしばであった。そうしたことが去年からの階下の方からの苦情につながっているのではないか。今年の新6年生男子が見事に去年の6年生男子の伝統を受け継いだように感じるのは考えすぎであろうか。
 私の中には「真に勉強している人の態度」というものがイメージとして常にある。静かに勉強に集中する姿は神々しい。いつも引き合いに出して恐縮であるが、平成23年桜修館合格のTくんや22年桜修館合格の杉山太一くんなどはわたしのイメージにぴったりの勉強姿勢であったことが懐かしい。彼らはいつもそっと遠慮がちにおにぎりを口にしていた。そして気がつくともう勉強に集中していた。彼らは話しかけられなければいつまでも黙していた。たまに23年に小石川に合格したOくんと小声で話して微笑んでいるのを見かけたが、かえってほっとしたものである。彼らは飽くまで物静かで勉強に取り組んできた。弁当、弁当と言って子どもたちが大騒ぎではしゃぎながら食べる光景を見るようになったのは去年の春あたりからであったろうか。私はこの光景を見る度になにか違う、と思うことしばしばである。なにやら合格が遠のくようなそういう嫌な気分にさせられてきた。真に勉強している人の態度ではない。いつもずっとそう思ってきた。
 Tくんも杉山太一くんもいつも慇懃であり、礼儀正しかった。彼らは素直であり、私の指示命令を常に第一として行動しているのが見てとれた。
 22年両国合格のTくんは、いつも尊敬に満ち溢れた子であった。私の言うことを神様のことばのように実行した。難関両国に奇跡的な逆転で合格したTくんも礼儀正しく自分を弁えた子であった。私は彼にも真に勉強する人の態度、姿を見た気がする。
 そういう目で振り返って見ると、竹の会の合格者はみなそういう人ばかりであった。静かに実行する人こそ真の勉強者である。
 
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